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第2話:忘れた宿題が変えた運命(第1章・第2部)

彼女は眉をひそめた。「どうして学校が昼間に電話してくるの? あの子たちに何もなければいいけれ

ど……」

学校では、全員が電話の呼び出し音を見守っていた。

ついに彼女が応答した。「もしもし、ワカナ・コウタリです」

校長の声は震えていた。「もしもし。ジンシキタイ高校の校長です。現在、数人の警察官と一緒にいます……極めて緊急のお知らせがあります」

ワカナの表情が変わった。「何ですか? 息子たちは無事なんですか? 何があったんです?」

校長はためらった。

沈黙。

彼女の呼吸が重くなった。「何なの?……何なの? 何なのよ?」恐慌が全身を駆け抜けた。彼女は壁へ手を叩きつけた。

「何なのよ!!!!!!! 言いなさああああああああああい!!!!!!!!!」

現場責任者の警察官が電話を受け取った。「奥様……現場責任者の警察官です。すべてご説明します」

彼は、猛スピードの車、横転した石油トラック、カズトの状態、そしてリムジンの爆発について慎重に説明した。最後に、ヒトシに何が起きたのかを告げた。

数秒間、ワカナは何も言わなかった。瞳孔が激しく揺れた。そして彼女は叫んだ。「今すぐ行きます!!!!」

ワカナは重役会議室へ向かって全力で走り、ガラスが砕けるほどの力で扉を叩き開けた。中にいた全員が立ち上がった。ゼンが彼女へ駆け寄った。

「どうしたんだ、ワカナ!?」

ほとんど息もできないまま、ワカナは叫んだ。「学校が、カズトは拘束されてるって……それでヒトシが……ヒトシが死んだって言ったの!!!!!!!」

ゼンの顔から、すべての血の気が消えた。

「な、何だってえええええええええ?!!!!!!!!!」

ワカナは何度も何度も首を振った。「そんなはずない……そんなはずないわ!!」ゼンは彼女を抱きしめた。「ここにいる。俺がいる。一緒に行こう」

彼は呆然とする重役たちへ振り向いた。「この会議は別の機会に続ける。今すぐ行かなければならな


異議を唱える者はいなかった。

コウタリ家はジンシキタイ高校へ急いだ。

ゼンとワカナが学校へ着くと、入口の向かい側で立ち止まった。周囲をパトカーが取り囲んでいた。消防車が燃えるリムジンへ水を浴びせていた。救急隊員が負傷者を治療する間、六台の救急車が待機してい

た。鮮やかな黄色の立入禁止テープが、惨状を封鎖していた。

高級バンが止まった瞬間、ゼンとワカナはドアを開け放ち、外へ走り出した。負傷した民間人たちが救急車へ運び込まれていた。消防士たちは今も業火と戦っていた。

ゼンは凍りついた。

「お、おおおおおお、神よおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ワカナは大地を揺るがすような悲鳴を放った。「ヒトシ!!! いやあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

彼女は燃えるリムジンへ向かって走り出した。ゼンが追いかけた。警察官たちが二人を止めた。

「待って! 中へ入ってはいけません!」そのとき、警察官たちは二人に気づいた。

「コウタリご夫妻!」

ゼンの身体は震えていた。「あ、あれが……あそこに息子がいるのか……?」数人の警察官が息をのんだ。一人がようやく答えた。「は、はい……」

ゼンはパトカーの側面へ拳を叩き込んだ。金属が内側へ潰れ、巨大なへこみが残った。

「うわあっ!!」と警察官たちは叫び、後ずさった。

ゼンは息を切らしながら、ふらついて離れた。「ハァ……ハァ……ハァ……」膝から力が抜けた。彼は路面へ崩れ落ち、涙を流した。

真実の重みに耐えられず、ワカナの心は砕けた。ゆっくりと首を振り、奇妙な笑みが顔に広がった。

「ヒトシは死んでない……ヒトシは死んでない……まだ生きてる……まだ学校にいる……ハ……ハハ……あの子は死んでない! これは夢に決まってる!!!!」

警察官が慎重に近づいた。「奥様……本当に申し訳ありませんが――」

「黙れ、黙れ、黙れ黙れ黙れ!!! 黙れえええええええええええええええええええええええええええ

え!!!!!!!!!!!!」


彼女の叫びが、その場全体を静まり返らせた。次の瞬間、ワカナは素手で近くのパトカーの窓を殴り割り

始めた。ガラスが周囲へ砕け散った。彼女は狂ったように笑い、空を見つめた。

「あら……なんて素敵な日なの……雨が降る可能性あり……恐怖の雨がね!!!!」警察官たちは彼女の両腕をつかんだ。

「私から手を離しなさい!! 元気で完璧な息子に会わなきゃいけないの!! 通しなさい!!!!」彼女は表情を歪め、警察官たちの目をにらみつけた。

「死にたいの? 死にたいの?!?!」警察官たちは本能的に後ずさった。

ゼンは無理やり立ち上がり、彼女へ走った。ワカナはなおも暴れ続けた。

「は・な・し・な・さああああああああああああああああああい!!!!」

彼女は警察官たちを引っかいた。爪が数人の顔を切り裂き、傷から血が流れた。

「うわあああああああああああっ!!」

ワカナは狂ったように笑った。「いええええええええい……どう? 気に入った?!!!」ゼンは彼女へたどり着き、妻の身体を両腕で抱きしめた。

「ワカナ! 頼む、目を覚ましてくれ!」

ワカナは彼が誰なのか分からない目で見つめた。「あなた、誰? どうして私をワカナって呼ぶの?」彼女の表情が再び変わった。「あらぁ……したいの――」

ゼンは持てるすべてを込めて叫んだ。

「ワカナ・コウタリ!! 正気に戻ってくれ!! お前の心は制御を失っている!! 俺だ! ゼン・コウタリだ! お前の夫だ!!!!」

彼女は瞬きをした。「あなたが……私の夫?

じゃあ、私たちはお互いにヤッて、あんなに素晴らしい子供たちを作ったのね……ところで、私のむすこおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおは、どこにいるのよ?!!!!!!!!!!!!!!!!

!!!!!」

ゼンは叫んだ。「おお、神よ、たああああああああああああああすけてくれええええええええええええええええええええええ、

ワカナアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

ア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


そのとき、奇跡が起きた。ワカナの目から霞が消えた。瞳孔が落ち着き、ようやく夫の顔に浮かぶ恐怖と

心配が見えた。

「ゼン……あなたなの?」

「ああ。ここにいる。俺はここにいるよ」

ワカナは彼の腕の中へ崩れ落ち、抑えきれずに泣いた。「ああ、ゼン……うわあああああん!!!」恐ろしい緊張は、ゆっくりと静まり始めた。

聞き覚えのある声が近づいてきた。シンスケが、頭を下げたまま近くに立っていた。

「本当に……本当に申し訳ありません。こんなことになってしまって……」

ゼンは彼を見た。疲れ切った顔に安堵が広がった。「シンスケ……生きていてくれてよかった。警察官たちは、リムジンの中にいたのは一人だけだったと言っていた」

シンスケは再び頭を下げ、罪悪感を手放すことができなかった。ゼンとワカナには、その気持ちが分かった。消防士たちがついに炎を鎮圧する間、三人は共に立っていた。頭上では、煙が空へ流れていった。

その悲劇は、すでに決して忘れられないものとなっていた。

ヒトシ・コウタリの死の知らせは世界中へ広がった。各放送局は通常番組を中断し、爆発、猛スピードの運転手、横転した石油トラック、負傷した民間人、そしてシンスケの奇跡的な生還について報じた。日本

中、そしてはるか遠い国々でも、人々は信じられない思いで反応した。泣く者もいた。口を覆う者もい

た。黙って頭を下げる者もいた。あれほど残酷な事故が、これほど若い命を奪うなど、誰も予想していなかった。

ヒトシの葬儀の日が訪れると、三十万人を超える人々が参列した。ゼンとワカナは、虚ろな目で最前列に立っていた。カズトは青ざめ、沈黙していた。カズエとホノカは互いにしがみつき、泣き腫らした顔をしていた。

コウタリ一族の家系に連なる者たち全員が、会場を埋め尽くした。ヒトシの友人たちと、ジンシキタイ高校の全員が訪れた。妹たちの中学校の生徒と教師、日本各地の下位、中位、上位の学校区を代表する人々も参列した。

きょうだいたちの友人、その家族、コウタリ・グループの従業員、政治家、財界人、日本と数多くの外国から訪れた一般市民まで、全員が別れを告げるために来た。

息子の慰霊碑の前で、ゼンは黙って祈った。

親愛なる主よ……どうか、私たち家族が癒えるようお力をお貸しください。この悲しみから、私たちを導き出してください。そして、息子が今どこにいるとしても……私たちが想像できた何よりも素晴らしい人生を、どうか

始めさせてください。

人生は続いた。だが、コウタリ家の誰一人として、以前と同じように人生を感じることはなかった。

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