第25話:夕暮れの出会い――剣士ロニン(第9章・第1部)
初日はまだ続いていたが、シーラの登場によって、その輪郭は一段と鋭くなっていた。アカデミーは、ただ友人を作るための場所ではない。そこは、その身分を背負う本人より先に、身分そのものが部屋へ入ってくる場所だ
った。
グランド・アルカナム・アカデミーでの初日の残りは、時間割、校内見学、そしてさらに続くオリエン
テーション説明会の目まぐるしい流れの中で過ぎていった。午後も遅くなる頃には、太陽が西の塔々へ沈み始め、白い石造りの尖塔を温かな琥珀色と薔薇色に染めていた。一年生の大半は食堂へ向かうか、各棟を繋ぐ広大な
庭園や浮遊橋を見て回っていた。空気には、新たな始まりへの興奮と、競争の最初の静かな底流とが、まだ入り混じっていた。
アレイラは、主訓練場を見下ろす、比較的静かな高架通路の一つを一人で歩いていた。ここでは風が穏やかで、練習魔法の遠い音や、まだ敷地内に残っている生徒たちの笑い声を運んできた。授業一覧を確認し終えたばかり
の時、前方の大理石の欄干へ寄りかかり、思索的で、ほとんど分析するような表情で校内を眺めている誰かに気づいた。
制服を見れば、彼も一年生であることは明らかだった。だが、これまで出会った大半の生徒とは、立ち居振る舞いが違っていた。背が高く細身で、鋭い印象の淡い金髪がわずかに目へかかり、視線は落ち着き、集中している
。彼には、見えるすべてを観察し、本当に重要なことしか口にしない人物だと思わせる、研ぎ澄まされた緊張感があった。簡素ながら丁寧に作られた木製の練習剣が背中へ固定され、規律ある魔力の微かな痕跡が、厳密に制
御されたオーラのように彼の周囲へ残っている。空虚な言葉より行動を好む人物に見えた。
アレイラが近づくと、彼は、彼女がそこへ着くずっと前から存在を感じ取っていたかのように、わずかに振り向いた。
「こんばんは」
低く穏やかな声で彼は言った。
「キアロスクーロの王女だろう? アレイラ」
アレイラは数歩離れたところで立ち止まり、頷いた。
「ええ。あなたは?」
「ロニン・サカグチ」
彼は欄干から身体を離し、小さく礼儀正しいお辞儀をした。敬意はあるが、過度に形式張っても、卑屈でもない。
「一年生。サカグチ子爵領の出身だ。俺たちは精密剣術と適応戦闘魔法を専門にしている。さっき訓練場の近くで君を見た……それから、シーラ様が通り過ぎた時にも。君は彼女から目を逸らさなかった」
それほど注意深く見られていたことに驚き、アレイラはわずかに眉を上げた。
「見ていたの?」
彼の唇へ、自嘲気味の淡い笑みが浮かんだ。
「いろいろなものを見ている。癖なんだ。あれほどの身分の人間が通れば、大抵の者は固まるか、媚び始める。君はただ……見ていた。落ち着いて。それが目立った。こんな場所で、虚勢を張らずに自分の立場
を守るのは珍しい」
二人は並んで欄干へ寄りかかり、眼下に広がる広大な校内を眺めた。それは、力、野心、そして慎重に隠された思惑を描く、生きた地図のようだった。しばらく、どちらも口を開かなかった。沈黙は気まずいものではなく、
心地よいものだった。雑談より中身を好む二人の人間が共有する理解だった。
「君の血統は特別だと聞いた」
しばらくしても、ロニンは訓練場を見つめたまま続けた。
「最も純粋な聖流。人々に、君へ従いたいと思わせるか、君を壊したいと思わせる種類の力だ。アカデミーには、その両方がいる。特に今年はな。何かを証明したがっている強い一年生が大勢いる」
アレイラは彼へ目を向け、その横顔を観察した。
「では、あなたはどちら?」
ロニンの紫がかった濃い桃色の目が、ためらいなく、まっすぐ彼女の目を見た。
「決める前に、その人間が何でできているかを見たい種類だ。称号も血統も、ここでは意味を持つ……だが、それがすべてじゃない。技能、人格、そして誰も見ていない時にどう人へ接するかのほうが重要だ。少なくとも俺
には。実際の圧力がかかった瞬間に折れる、高位の愚か者をあまりにも多く見てきた」
アレイラは、その答えを尊重した。ロニンは判断する前に観察し、見せかけより行動を重んじ、確信のないところで確信があるふりをするつもりもないようだった。
「それは尊重できる」彼女は率直に言った。
「私はまだ、ここで人々が何によって価値を測るのかを学んでいるところ。身分しか気にしないように見える人もいる。他の人たちは……」
キャサリンの明るく開放的な活力、ヴィットリオの揺るがない規律、ファランの集中した強さ、そしてシーラの圧倒的な誇りと自尊心さえも思い浮かべた。
「もっと複雑。笑顔の裏に本当の意図を隠す人もいる。傲慢さを隠そうともしない人もいる」ロニンは同意するように小さく頷いた。
「複雑、というのは正確だ。特に今年は。強い一年生が多い。君の血統についての話が本当か確かめるためだけに、試そうとする者もいるだろう。自分の野心のために君を利用したい者もいる。実際に信頼する価値のある者
も、何人かはいるかもしれない」
彼は間を置き、それから、より真剣な声で付け加えた。
「家名が理由で手加減しない稽古相手を探すことがあれば、俺に言ってくれ。俺は正直な戦いが好きだ。政治はなし。ただ技能と技能だけ」
アレイラは微かに微笑んだ。彼の言葉の誠実さへ応えるように、聖流が温かく響くのを感じた。
「覚えておくわ、ロニン。あなたにも同じことを言っておく。笑いながら、後で私を刺す計画を立てている人より、正直に戦う人と向き合いたい」
彼は欄干から離れ、慣れた手つきで背中の練習剣を整えた。
「いい。それなら、また会おう、アレイラ・キアロスクーロ。最初の一週間で政治に生きたまま食われな
いようにな。ここは、注意しない人間や……簡単に信じすぎる人間を噛み砕く場所だから」




