第24話:王女、グランド・アルカナム学園へ(第8章・第3部)
ファランは止まり、完全に彼女のほうを向いた。
「迷惑でなければ、授業が本格的に始まった後、近いうちに模擬戦をお願いしたいです。順位などのためではありません。純粋な聖流が、精密戦闘魔法に対してどう動くかを見たいだけです。お互いにとっ
て……勉強になると思います」
アレイラは温かな琥珀色の目を見つめ、自然に頷いていた。
「喜んで。きちんとした模擬戦、楽しそうです」
「では、決まりですね」
ファランの笑みがほんの少し深まった。
「楽しみにしています、アレイラ。それまでは……あまり迷子にならないように。この場所には、一年生を丸ごと飲み込む癖がありますから」
アレイラは、自分で意図したより少し長く、去っていくファランを見つめた。聖流の内側に生じた温もりは、警告にも予言にも感じられなかった。個人的で、馴染みがなく、無視することのできないものに感じられた。
午後の実践戦闘授業が解散した直後、訓練場の空気が突然変わった。
中庭の遠端から、興奮した絶叫の波が起きた。少年も少女も同じように叫び、手を振り、人混みが水のように左右へ分かれて開いた道へ押し寄せた。赤、青、金の帝国装甲を着けた、表情を変えない四人の長身の護衛が、完
全な隊列で進んでくる。その存在だけで、生徒たちは道を空けざるを得なかった。その後ろを、周囲の空気そのものへ命令しているような少女が歩いていた。
シーラ・クイエン。
遠くからでも、見間違えようがなかった。艶やかな長い褐色の髪は、液体の夜のように背中へ流れ落 ち、鳳凰の羽をかたどった繊細な金色の髪飾りで飾られている。アカデミーの制服には、控えめな帝族仕
様の変更が加えられていた。より鋭い線、少し高い襟、そこへ刺繍されたクイエン帝国の紋章。滑らかな黄色の瞳は鋭く、灯された提灯のような輝きを持ち、冷めた無関心で群衆を見渡していた。世界は自分のために道を空
けると、生涯ずっと教えられてきた者の自然な優雅さで動いている。そして、その教えが間違っていると証明されたことは一度もないようだった。
絶叫はさらに大きくなった。
「シーラ様だ!」
「皇帝陛下のご息女!」
「実物はもっと美しい!」
「こちらを見てください、シーラ様!」
隣にいるファランが身体を固くするのを、アレイラは感じた。その日初めて、普段の落ち着きにひびが
入った。低く、緊張した声で彼女へ身を寄せる。
「あれが……シーラ・クイエンです。現在のクイエン帝国皇帝の娘――世界全体でも、絶対的な頂点にある帝族家の一つです。彼女の血統は……極めて高位です。ここにいるほとんど誰よりも。大半の王族家よりさえ上です
」
アレイラは、近づいてくる少女が見せる統制された存在感を観察した。シーラはただ身分を持っているだけではない。全員がその身分へどれほどの空間を譲ると期待されているか、正確に理解していた。
シーラと四人の護衛が、二人の真正面を通り過ぎる間、世界が遅くなったように見えた。
シーラのブーツは、完璧なリズムで白い石を打った。長い髪が背後で動き、道の両側から生徒たちが名前を叫ぶ中、金の飾りが陽光を受ける。
その時、シーラの視線が横へ滑った。
長く引き伸ばされた、一度の鼓動の間。彼女の目が、アレイラの目と合った。
アレイラは目を逸らさなかった。落ち着いた真剣な表情で見つめ返した。畏敬もない。追従もない。恐怖もない。ただ静かで、揺るがない評価だけ。内側の聖流が微かに動き、相手の少女から放たれる巨大な帝族の圧力を感
知した。
シーラの目に何かが揺れた。驚きかもしれない。あるいは、誰かが即座に目を伏せなかったことへの苛立ち。
それからシーラの唇の端が、はっきりと優雅で、徹底的に得意げな笑みへ曲がった。すでに序列を決め、現在の配置を好ましく思っている者の表情だった。一言も発さず、挨拶もせず、頷きさえせず、そのまま二人の前を通
り過ぎた。四人の護衛が再び周囲を閉じる。上級学年用の帝族棟へ姿を消すまで、絶叫は生きた波のように後を追った。
彼女が去って初めて、中庭は再び呼吸を始めた。ファランはゆっくり息を吐いた。
「あれは……強烈でした。ほとんどの人は、彼女の目を見るだけでも身体が固まります」アレイラは、シーラが残した空間を見つめた。
誇り高い。崇拝されることに慣れている。そして、それを差し出さない者をすぐに分類する。次に会う時は、もっと難しく――そして、もっと正直なものになるだろう。
アレイラの胸に、小さくも確かな炎が灯った。
シーラ・クイエン……すぐに、きちんと会うことになる。その時、目を逸らすのは私ではない。




