第22話:王女、グランド・アルカナム学園へ(第8章・第1部)
キアロスクーロ家の馬車が止まると、朝の光がグランド・アルカナム・アカデミーの大理石の門を金色に燃え上がらせた。十五歳のアレイラ・キアロスクーロは、磨かれた敷石へ降り立った。アカデミーの制服は皺一つなく
、身体へ完璧に仕立てられている。深い藍色の布地、襟と袖口には一族の紋章が銀糸で刺繍されていた。金黒の髪は整ったハーフアップに結ばれ、《聖なる洗礼》の護符は服の下、胸元へ静かに収まっている。隣では十七歳
のゲデオンが、興奮と緊張の入り混じった様子で自分の制服を整えた。年上の兄姉たちは何年も前に卒業している。今度は二人の番だった。
「準備はいい、姉上?」
ゲデオンは小さく笑いながら尋ねた。
十五歳。
アカデミーはもう、幻視の中の絵ではない。靴の下にある石。あらゆる方向にいる見知らぬ人々。そして家族が毎日の輪郭を整えてくれない場所で、自分が何者なのかを初めて見つけなければならない場所
だった。
エリー王とオノラ王妃はすでに宮殿で別れを告げていたが、最後の言葉は今も響いていた。
『自分の光を忘れないで』
オノラは囁いた。
『そして、あなたは決して独りではないと覚えておいて』
アカデミーは、物語で語られていた以上に巨大だった。白い石と水晶でできた高い尖塔が空へ伸び、浮遊橋と光る通路がそれらを結んでいる。帝族、王族、貴族、さらには裕福なブルジョワ家庭出身の平民まで、同じ制服を
着て壮大な中庭を行き交っていた。空気には緊張した会話、興奮、そして魔法のオーラが発する微かな振動が満ちている。
アレイラとゲデオンは中央噴水の近くで短く抱き合い、別れた。ゲデオンは上級学年棟へ向かい、アレイラは一年生用の区域を見て回り始めた。伝説的な魔術師たちの像、校内を守るきらめく障壁結界、そして練習魔法です
でに光る遠方の訓練場を眺めながら、中央中庭をゆっくり歩いた。
高いガラス張りのアトリウムの近くで角を曲がると、別の少女と軽くぶつかった。
「あっ、ごめんなさい!」
アレイラはすぐに言い、一歩下がった。
相手の少女は優雅で、濃い深紅の髪を洗練された三つ編みにまとめ、温かな金色の瞳をしていた。柔らかく笑い、片手を振った。
「いいえ、前を見ていなかった私のせいよ」
アレイラは微笑んだ。
「同じ角を選んで、偶然同時に到着したことにしましょう」
少女は瞬きをし、それから明るく心からの声で笑った。
「その賢い考え方、好きだわ」
二人はしばらく一緒に笑い、気まずさは溶けていった。やがて少女は目を大きくした。
「あっ! 自己紹介を忘れていたわ。私はキャサリン――キャサリン・エルヌシュト。エルヌシュト公爵領の公爵夫妻の娘です。お会いできて光栄です」
アレイラは頬へ微かな熱が上がるのを感じた。
「ありがとう、キャサリン。私はアレイラ……アレイラ・キアロスクーロ。キアロスクーロ王国の国王と王妃の娘です。こちらこそ、お会いできて光栄です」
短い沈黙があった。キャサリンの目が極端に大きくなった。
「何ですって?! 王女様なの?! まあ、全然分からなかったわ――私たち、アカデミーの制服を着ているもの!」
アレイラは両手を上げた。
「謝ることは何もありません。制服は、紋章より先に生徒同士を出会わせるためのものですから」キャサリンは息を呑み、可愛らしいほど大げさに両手で口を覆った。
「待って……キアロスクーロって言った?」アレイラは首を傾げた。
「はい……それが私の家名です」キャサリンの顔全体が輝いた。
「キアロスクーロの血統は、世界で最も重要な王族血統の一つよ。あなたたちと神聖配偶神との繋がりは、世界中で研究されているわ」
アレイラは自家の歴史をずっと知っていた。だが見知らぬ人の驚きを通して聞くと、違って感じられた。一族の伝統というより、公の期待が肩へ載せられたようだった。
自分を忘れたように、キャサリンはアレイラの両手を取った。
「あなたはきっと、並外れたことをするわ。でも――身分が理由ではない。私には家より上にも下にも友達がいるし、有名な名前を集めるより、あなた自身がどんな人か知りたい。私と友達になってくれ
る?」
アレイラの顔に、本心からの笑みが生まれた。
「もちろん。ぜひ友達になりたいです」
「本当に?! どうもありがとう!」キャサリンの目が喜びで輝いた。
「すごく嬉しい!」
キャサリンの熱意を嫌うことは、ほとんど不可能だった。数秒経って初めて、まだ手を繋いだままだとアレイラは気づき、頬に熱が上がった。
キャサリンも同じ瞬間に気づき、下を見て、驚いた声とともに手を離した。
「まあっ、本当にごめんなさい!」
「大丈夫です」
アレイラはまだ微笑みながら、柔らかく言った。キャサリンは一歩下がり、手を振った。
「それじゃ、また後で会えそうね。話せてよかった!」
「私もです」
アレイラは答えた。
二人は再会する約束をして別れた。友情は予言も、交渉も、計算もなく始まった。アカデミーが許してくれればと、アレイラが願っていたとおりの始まりだった。
同じ日の午後、一年生向けのオリエンテーションが巨大な水晶講堂で終わった後、アレイラは東棟の長いアーチ状の廊下を歩いていた。高いステンドグラス窓から陽光が差し込み、大理石の床を移ろう色で染めている。生徒
たちは小さな集団で行き交い、時間割を比べたり、緊張した笑い声を上げたり、小規模な魔法を披露したりしていた。朝の興奮が、今も空気へ残っている。
最初の実践魔法授業の場所を確認し終えた直後、同じように速い足取りで角から現れた誰かと、またぶつかりそうになった。
「あっ――ごめんなさい!」
彼女は反射的に一歩下がった。
ぶつかりかけた青年は姿勢を正し、すでに片手を謝罪するように上げていた。一年生としては背が高
く、見事な銀白金色の髪が、磨かれた淡い青色をした鋭く知的な目へ少しかかっていた。アカデミーの制服はきちんと整っていたが、その着こなしからは静かで自信に満ちた力が漂っている。規律によって鍛えられた強さの
気配が、微かに彼を包んでいた。
「こちらにも落ち度があります」




