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第13話:十歳の試練――聖なる洗礼(第5章・第1部)

キアロスクーロ家の城は、ここ数年感じたことのない期待に震えていた。大広間では、エリー王とオノラ王妃が、集合した儀式担当者たちの前に立っていた。その表情には、厳粛な誇りが宿っていた。

「三日後、アレイラの《聖なる洗礼》のために儀式室を整える」石壁に声を響かせながら、エリーは告げた。

「すべての細部が、我らの伝統――そして、あの子だけが持つ光に敬意を示すものとなるように」

職員たちは頭を下げたが、何人かは不安げに視線を交わした。これまでの洗礼の記憶が城内に残っていた。真夜中を過ぎても燃え続けた蝋燭。声が止んだ後も廊下に残っているように感じられた詠唱。そし

て、儀式室から出てきた王族の子供たち一人一人が背負っていた消耗。

今回は何かが違って感じられた。末の王女は、誰も率直に答えようとしない質問を投げかけていた。

アレイラは重い樫の扉へ片耳を押し当て、大広間の外に立っていた。隙間風の吹く廊下で吐息が白く曇ったが、好奇心は寒さより熱く燃えていた。壁に彫られた印へ指をなぞらせる。それは見覚えのある一族の紋様だったが

、完全には理解していなかった。廊下の先で侍女が彼女に気づき、深紅の儀礼布の束を強く抱え直すと、目を伏せたまま足早に去っていった。

もう十歳なのだ、とアレイラは思った。ヒトシとして生きた最初の人生では、儀式とは物語や祭り、安心できる距離から眺める式典だった。だがこの世界では、本物だ。キアロスクーロの者は全員、十歳で《聖なる洗礼》を

受ける。父も受けた。祖父も、その前の何世代もの者たちも受けた。ドナヒュー、ジーヴァ、ゲデオンも、それぞれ同じ池へ入った。

今度は彼女の番だった――兄妹の最後の一人。私の中で、何が目覚めるんだろう?

その日の後刻、城の職員数名が、今や十七歳となった第一王子ドナヒュー・キアロスクーロへ近づいた。

「末の妹君が、まもなく儀式を受けられます」

一人が言った。

「殿下は、どのようにお考えですか?」

ドナヒューは西棟の細い窓のそばに立ち、灰色の光を金黒の髪へ受けていた。自分の洗礼で感じた圧力、聖流が意識の隅々へ入り込んだ瞬間、そしてその後の疲労を思い出していた。ジーヴァとゲデオンが、それぞれの方法

で耐える姿も見てきた。

今度はアレイラが向き合う。

「いやあ、時が経つのは早いな」

ようやく彼は言った。真剣な口調は、本人が意図した以上の心配を隠していた。


職員たちは同意するように囁き、その場を離れた。ドナヒューは窓辺に残った。下では、白い外套を後ろになびかせながら、アレイラが中庭を横切っている。声をかけようかと考えたが、ジーヴァが現れ、末妹の後を追って

一族の礼拝堂へ向かった。

礼拝堂の中では、古い香と秘密の味が空気に染みついていた。アレイラは長椅子の間を進み、ほとんど見えない太陽の印の下に、一族の古書が置かれた祭壇の前で止まった。ひび割れた革表紙へ指を置く。

洗礼は、正確には何をするの?

形式的な説明なら知っていた。キアロスクーロと聖源との繋がりを強化する。神聖な継承が持つ三つの至高の顕現――人を奮い立たせる歓喜、守るための憤怒、裁くための均衡――を目覚めさせる。そして通常の訓練では生

み出せない段階で、その力を子孫が宿せるようにする。

だが、それがどのような感覚なのか、なぜ尋ねるたびに皆がそこまで警戒した態度になるのかを教えた説明は、一つもなかった。

急ぐ足音が沈黙を破った。ジーヴァが礼拝堂へ駆け込んできた。

「アレイラ! ここで何をしているの?! 準備しなきゃ! もうすぐ儀式室へ行って、儀式の池で身を清めて、本格的な儀式が始まる準備をしなきゃいけないでしょう?!」

アレイラはびくりとして立ち上がった。

「ジーヴァ、私……ただ、答えを探していただけ」ジーヴァは彼女の腕を掴んだ。

「その本に、一族がすでに教えた以上のことは何も書かれていないわ。職員たちは準備中なの。お父様とお母様は、あなたが協力することを望んでいる。立入禁止の場所を歩き回る夜ではないのよ」

アレイラはそっと腕を引き抜いた。紫青の瞳に反抗の火花が灯る。

「なら、何が起こるのか教えて。皆、謎かけみたいなことしか言わない。どうして誰も、はっきり説明してくれないの?」

ジーヴァの手から力が抜けた。

「目的を説明することのほうが、体験を説明するより簡単だからよ。《聖なる洗礼》は、私たちの血統と聖源との契約を新たにする。歓喜、憤怒、均衡を、普通の理解を超えるほど深める。でも流れが始まったら、言葉だけ

では足りない。自分自身で通り抜けるしかないの」

ジーヴァの声の震えが、その答えでは語られなかったものを明かしていた。

「怖かった?」

アレイラが尋ねた。


ジーヴァは祭壇を見た。

「ええ。神聖だった。でも、圧倒されもした。その二つは同時に本当でいられるわ」アレイラはそれ以上追及しなかった。初めて、誰かが正直に答えてくれた。

静かな準備の中で三日が過ぎた。

儀式の朝、ジーヴァと四人の侍女がアレイラの部屋へ来た。

「ついに時間よ」

ジーヴァは言った。その口調には警告と心配、そして疲れた説得が混じっていた。

「自分から来て。遅れれば迎えが送られるし、自分の洗礼へ引きずられていくなんて、品位があるとは言えないわ」

アレイラは一度だけためらい、それから頷いた。

廊下は変貌したように感じられた。使用人たちは畏敬に満ちた沈黙の中で動き、王女が通ると目を伏せた。タペストリーの近くでは、ゲデオンが小さな木製の竜を胸へ強く抱き、待っていた。連帯を示すように厳粛に頷いた

が、長く目を合わせることはできなかった。

通路の終端には、印のない重い扉があり、外套をまとった二人の人物が守っていた。ジーヴァはアレイラの背を軽く押した。

「行って。皆、待っているわ」

アレイラは深く息を吸い、扉を開いた。

その先の短い通路は広大な控えの間へ続き、今日という日の意味が重い外套のように彼女へ降りかかった。空気は温かく、眠る力で濃密だった。銀の香炉から、夜咲きジャスミンと古代の没薬の煙が渦巻いている。キアロス

クーロ家は何世紀もの間、同じ香りの組み合わせを使ってきた。

汚れ一つない白黒の衣をまとった二人の女性侍従が、深く頭を下げた。

「アレイラ王女殿下」

一人が言った。

「ご準備をお手伝いいたします。主儀式室では儀式の池が殿下をお待ちです。どうぞ、私どもにお従いください」

アレイラは、冷たい石床を裸足で歩いた。ジーヴァは敷居に残り、自らの洗礼の記憶を表情に浮かべていた。

「激しいものになるわ、妹よ」


ジーヴァは囁いた。

「私やゲデオンの儀式を見て理解したものより、ずっと激しい。聖流は、ただあなたへ触れるのではない。繋がりそのものを作り変える。人を奮い立たせる歓喜。守るための憤怒。裁くための均衡。でも、あなたは自分で思

っているより強いわ。呼吸して、あらゆる感覚に逆らおうとしないで」

アレイラは振り返った。

「ジーヴァも、圧倒されるところを感じたの? 中で動く、あの感じを?」

ジーヴァは頷いた。

「全員が感じるわ。同じ強さではないけれど。お父様とお母様は、あなたの反応が私たちより大きいかもしれないと考えている。何が起きても、私たちは見守っているから」

短い階段が、主儀式室へ下っていた。

部屋は広大で、二階分の高さまで吹き抜けていた。上層を観覧回廊が囲み、儀式灯が長い影を投げ、壁へ刻まれた印は、城そのものが呼吸しているかのような遅いリズムで脈打っていた。

中央には、巨大な円形の池が待っていた。水面は静止しているにもかかわらず、暗い水は内側から青くきらめいていた。

池の上座には、太陽の印をあしらった精緻な白黒の法衣をまとう老司祭が立っていた。その従者たちは熟練した正確さで室内を動き、蝋燭へ火を灯し、儀式用の器を並べ、水の周囲を囲む塩、水晶、聖油の線を点検していた

。

エリー王とオノラ王妃は、ドナヒュー、ジーヴァ、ゲデオンとともに上座を占めていた。誇り、愛、心配が、それぞれの顔に異なる形で宿っている。

女性侍従たちはアレイラを池の縁へ案内した。これが、その時なんだ。

兄姉の儀式は見たことがあった。だが、水へ入る者の場所から見たことはない。儀式が始まる前から聖源を感じられた。皮膚の下にある圧力が、二つ目の鼓動のように彼女のゴッド・リンクへ応えている。

一人の侍従が、優しく説明した。

「お呼びがかかりましたら、儀礼衣をお脱ぎになり、水へお入りください。池には、キアロスクーロの血統のために調合された神聖な精髄が満たされています。司祭様が流れを導かれます。儀礼の霧が、式の間を通して殿下

のプライバシーをお守りいたします。ご家族は、すべての段階を見届けられます」

ジーヴァが前へ出て、アレイラの手を強く握った。

「流れを動かして。途方もなく大きく感じるかもしれない。でも、それは私たちの一部よ」

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