第5話 出陣
「俺に協力させてくれ!頼む!この通りだ!」
イビリが俺に向かって頭を下げてきた。
「ちょっと!!頭を上げてください!!」
「いいのか…?俺は侮辱したんだぞ?」
「それでも先輩には変わりませんからっ!!」
俺がそう言うと、なぜかイビリは目にうっすらと涙を浮かべていた。
「ありがとう…!ラント…!俺はあんたの為ならなんでもやるぜ!」
……ん?なんでも?へぇ…なんでもかぁ。
「じゃあイビリさん、特攻しますか」
「はい?」
「特攻」
「さ、作戦は…」
「ん?ないですよ」
「……」
「はあああああ!?」
だってなんでもするって言ったよな。
俺がイビリと話しているとニルさんが話しかけてきた。
「話は聞いたぜ!そういうことなら俺達もやるよ!なあお前ら!そうだろ!!」
ニルさんがそう言うと、おう!とたくさんの冒険者が賛同してくれた。
「え、でもギルドはどうなんだろう…」
リムルがそう言うのも無理もない。冒険者が神殿に押し入ったとなると大変な事になる。
しかしそれは杞憂に終わった。
「大丈夫です!私たちから騎士団に連絡は入れておきました!剣聖様を洗脳するなど看過される事ではありませんからね!ねえギルド長!」
「ああ。騎士団によると…好きにやれ、だそうだ」
おっと。話を聞かれていたみたい。でも騎士団公認となるともうこれはやるしか無いな!
「よし皆!!行こう!馬鹿な神官を打ち倒せ!」
「「「「「「「おう!!!!!」」」」」」」
「レイドチェイサー!」俺が魔法を発動すると、神官の居場所が手に取るようにわかった。
「神官は神殿の居室にいます!行きますよ!」
「気をつけて行ってきてください!」
「ああ。ぶちかましてこい!」
ギルド長たちが見送ってくれた。
「よし!行くぞリムル!」
「うん!」
俺たちは冒険者達を引き連れて神殿に向かう。
リムルの人生を狂わせかけたあの神殿に。
俺たちは風よりも速く神殿への道を駆けていく。
当然道行く人達はとても驚いているけど。
「あった!神殿だ!皆!神官、フォルグを逃がすな!」
「「「「「「おう!!!!!」」」」」」
さっきリムルに聞いた話だがその神官はフォルグというらしい。
俺たちがバン!と神殿の扉を開けると、その場にいた神官、巫女たちが一斉に動きを止める。
「な、なんですかあなたたち!!こんな事をして許されるとで…ぐふぅ」
あ、イビリに蹴られた。南無南無。
「邪魔する奴らは俺達で足止めするからラント!剣聖!早く行け!」
ニルさん達が神官達を足止めしてくれている。この期を逃す手はないな!
「はい!ありがとうございます!」
ニルさん達が戦っているところは大乱闘そのものだった。しかしさすが冒険者というところか。
誰も味方に当てることをなく正確に神官たちに殴りかかっている。
俺とリムル、イビリにピーラとチンピが神官、フォルグの居室に向けて走っていると、前からフォルグの護衛らしき者たちが向かってきた。
「おい!ラント!ここは俺たちがやる!ピーラ!チンピ!お前たちも暴れてやれ!」
「へい!」
「へい!ラントさん!剣聖さん!行ってくだせえ!」
「ああ!ありがとう!」
しかし俺たちのことも取り零す気は無いようで、
こっちにも奴らが近寄ってくる。
「負けられないんだ!どいてくれ!」
俺がそう言うとなぜか体が軽くなった。
そのままの勢いでひょいっと奴らの上を越えていく。
もちろんリムルもなんて事ないように越える。
あっそうだ。ついでに一発。
「ぐふぅ」
あ、ノックダウンした。
「やっぱラントも強いじゃん!」
「いやリムルには及ばねぇよ」
「ははは。そんなことないと思うけど?」
「無駄話は後だ!やるぞ!」
「うん!」
俺たちはそんな会話をしているうちにフォルグの居室の前に着いた。
「…開けるよ。ラント」
「…ああ」
リムルが扉をギイッと音をたてながら開ける。
すると目の前にフォルグがいた。
「やあ。待ってたよリムルちゃん!…なに?君。君邪魔なんだよFランクの雑魚が僕様に何ができると言うんだ!まずは君からだ。僕様のストレス解消にでも付き合ってくれよ!」
そう言うとフォルグが殴りかかってきたんだけど…
何これ?本当に殴ってる?いや本当に殴ってるな。
「ハァハァ少しは…やる…ようだね…!」
そう言ってる割にはしんどそうなんですけど。
ちょっとそろそろ五月蝿いし顎に一発。
「ぐはっ!?」
あ、吹っ飛んでった。おおう。窓の外まで行ったな。
「ねえ私の出番なかったんだけど」
「あっ!そうだったごめん!」
「いや。いいよ。それよりもすっきりしたよ!
ありがとうラント!あ、騎士団の皆さんアレの回収お願いしますね〜」
「は、はい」
あ、いつの間にか騎士団の人いた。
「あとはお願いします」
「ああ。それよりあんた騎士団に入らないか」
「あ、遠慮しときます」
「いやしかし…」
「いや本当に結構なんで。それじゃ」
そう言うと俺はリムルと一緒に部屋を出た。
「おうラント!もう終わったのか!」
部屋を出るととっくに護衛をねじ伏せたイビリ達が待っていた。
「ああ。もう終わった。今回はありがとう。じゃあニルさん達のところに戻ろう」
「ああ!そうだな!」
そう言うと俺達は神殿の入り口付近で戦っていたニルさん達の所に向かった。
「おう、ラント!終わったか!」
なんと無傷のニルさんが出迎えてくれた。
さすがA等級冒険者と言うべきか。
「はい!終わりました!」
「まあ私の出番は無かったんですけどね…」
「えっ!?剣聖の出番が無し!?すげえなラント!」
そう言うとニルさんが俺の肩をガシッと持った。
「あ、ありがとうございます。それより!もうここから出てギルドに帰りませんか?もうこれ以上向こうの怪我人を出したくないので」
「ああ。そうだな。おいお前ら!帰るぞ!」
「「「「「「おう!!!!!」」」」」」
ニルさんがそう言うと、俺たちは神殿からギルドに帰った。
こうして俺たちの神殿への特攻は終了した。
【おしらせ】
今回で1章、「洗脳された剣聖」編終了です!
次に番外編として1章の終了後を1話書いた後、
2章に突入します。
【最後に】
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