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第6話 スカンク男と女幹部。

 洋館にスカンク男一人で居るのは寂しそうだったので、うららは新しい仲間を生み出した。

 

 彼女の名前はカラス女。

 【怪人】として生み出したのだが、思いのほか人間に近い形をしている。

 見た目は黒いローブ姿のペストマスクを被った女性だが、マスクではなく、それが本人の顔である。


 ローブを着ているのだが、全体的に生地が薄く、なぜか胸元は開放的で、美しい胸の谷間が強調されて見える。

 ボディーラインもはっきりしていて、(なまめ)かしい魅力が溢れ出ていた。


 うららからは、女幹部をやれと命じられているので、現在は洋館でスカンク男と周囲の整備に(いそ)しんでいたのだが、ついに待ちに待っていた思念がうららから送られてくる。


 「スカンク男ちゃぁん。 思念は届いたかしらぁ?」

 「スカンク、何も来てないスカー」


 「そうなのぉ? なら私から伝えてあ、げ、る! ついに私達に活躍の機会が訪れたのよぉ!」

 「本当スカー!? でも、めちゃくちゃ怖いスカー。 スカンク達だけで本当に成功できるスカー?」


 「心配ないわぁ! スカンク男ちゃんの安全は私がちゃぁんと見ててあげるわ!」

 「それは頼もしいスカー。 日時と場所はどんな感じスカー?」


 「あと三時間後。 場所は記念碑の一つで、時間になったら周囲を威圧し、記念碑の破壊とその周囲の破壊をするわぁ」

 「記念碑と周囲の破壊スカー? 殴り壊すスカー?」


 「いいえ、総督閣下からお預かりしている転送装置を使ってぇ、量産型戦闘員ちゃん達を呼ぶのよぉ」

 「ああ、力尽きると何故か爆発するあの人達スカー」


 「そうなのぉ! 記念碑の破壊は私達で頑張ってぇ、周囲の破壊わぁ、量産型戦闘員ちゃん達に頑張って貰うのよぉん」

 「じゃあ、爆発するまで戦って貰うって事スカー。 ちょっと可哀想スカー」


 「大丈夫よぉん。 量産型戦闘員ちゃん達に自我はないし、言葉も一つしかしゃべれないでしょぉ? 犠牲になる事が量産型戦闘員ちゃん達のお仕事なのよぉん」

 「確かにロボットみたいな所あるスカー。 でも、整備を手伝って貰ったりしてる時、案外何を伝えたいのかとか分かるスカー。 本当に自我はないスカー?」


 「あの子達はねぇ、そう言う役割なのぉ。 自我があるとかないとかわぁ、関係ないの。 だから私達もぉ、決められた役割を(こな)すだけぇ。 スカンク男(・・・・・)、総督閣下に我等の活躍を手土産にし、我々の存在意義を示すのよ!」

 「急に大きな声出すスカー!? それで、どうやって現地に行くスカー?」


 「私の飛行能力を使うわよぉん! そう言う訳でぇ、一名様空の旅へご案内!」


 カラス女がスカンク男を足で掴み、ローブの下から出てきた黒い翼を使って空へと飛び立つ。

 飛び始めたばかりのスカンク男は怖がっていたのだが、一時間程してからは慣れ始める。


 そして、目的地に5分前に辿り着くと、既に警察が数人か待機していた。

 事前に破壊予告をしている為、現場にあてがわれたのだろう。

 自衛隊などは見られないので、怪人二人にとって危険などはない。

 警察官達が警戒しながら二人に近づき、尋問する。


 「破壊予告を日本政府に送ったのは君達だね。 怪人…… 本当に実在したのか」

 「それ以上わぁ、近づかないでねぇ? まだ5分前だからぁ、それまで何もするつもりないの。 どうせ今日はお金持って来てないんでしょぉ?」


 「ああ、持って来ていない」

 「それじゃあ、破壊活動をするけどぉ、邪魔すると死んじゃうからぁ、今日の所は離れて見守っておいた方が得策よぉ」


 そう告げたカラス女は、転送装置を起動させ、量産型戦闘員達を召喚した。

 量産型戦闘員は自らを鼓舞(こぶ)する様に、一斉(いっせい)に叫び始める!


 「「「サーイレーンス」」」「「「サーイレーーーンス」」」「「「サーイレーーーーンス」」」


 馬鹿でかい声でサイレンスと叫ぶ異様な光景に、周囲を通りかかった一般人達はこの場から離れる様に走り去っていく。

 そして、時間になり、カラス女は破壊命令を下し、自らもスカンク男と共にメインである記念碑を殴ったり蹴ったりして破壊していく。


 量産型戦闘員達も壁などに激しくぶつかり、力尽きた者達はその場で爆発して破壊活動を進めていた。


 警察は一般人の避難誘導をメインに行動しているので、怪人達に攻撃などしてくる気配はない。

 あっけなく記念碑の破壊、そして周囲の建物への破壊も成功した二人は最後の攻撃を仕掛ける。


 逆立ちしたスカンク男による必殺のオナラ攻撃を放つと、周囲一帯が強烈な刺激臭に包まれ、あまりの激臭に警察官は目も開けられずにその場で嗚咽(おえつ)する。

 殆どの警察が吐しゃ物を撒き散らし、中にはそのまま気絶し動かなくなる者もいた。


 そんな刺激臭漂う中、カラス女は「くっさ」の一言ですませていた。

 そして仕事を終えた二人は来た時と同様に、空へ飛びあがり帰っていく。


 秘密基地の場所がばれないように帰る為、方角を誤魔化す為に大回りをしながら帰路についた。

 

 洋館に辿り着いた二人はまず、消臭剤のプールへ入り、匂いを落とす。

 更に石鹸などを使って体の隅々まで洗い、流し終わってからもう一度体を洗う。

 それから乾燥した体を臭気測定器を使って計測して、臭気指数が40を下回までそれを繰り返す。


 「あらぁん? スカンク男ちゃぁん? どうしたのかしらぁ?」

 「量産型戦闘員さん達の事を考えるとスカンク、ちょっと悲しくなってしまったスカー」


 「スカンク男ちゃんは優しいのねぇ。 量産型戦闘員ちゃん達もスカンク男ちゃんが泣いてくれて、きっと報われているのだと思うわぁ。 誰もあの子達の事を気に留めはしないけどぉ、私達だけは爆発して死んでいくあの子達の為に泣いてあげて、冥福をお祈りしましょう」

 「分かったスカー。 これからも量産型戦闘員さん達は沢山犠牲になるスカー」


 「ええ、そうね。 今から総督閣下に報告しにいくから、その時に量産型戦闘員ちゃん達の慰霊碑を作ってもらう様に進言(しんげん)しておいてあげるわぁ」

 「それはいいスカー! そうすればきっと量産型戦闘員さん達の事覚えてくれる人も増えるスカー」


 カラス女は臭気指数を20まで下げ、秘密基地にいるうららに任務が無事終えた事を報告する。

 二人の活躍はニュースで報道されており、襲撃した周囲はあまりにも匂いが強く、しばらくの間は誰もよりつけないと報道されていた。


 そして、カラス女は量産型戦闘員の慰霊碑を建てて欲しいと伝えると、うららはそれを快諾(かいだく)する。


 「有難うございます総督閣下」

 「うん! 期待通りの働きをしてくれたからお礼を言うのはうららの方。 次の襲撃は一ヵ月後くらいにしようかなぁ? そうだ! 毎月第三水曜日は襲撃の日にしよう」


 「畏まりました」


 最初の襲撃が成功し、うららは次の手を考える。

 そして、破壊するための兵器を開発するなどを目標に、新たな怪人達の候補となる生物のリストアップを始めた。

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