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第34話 終末のメガホン

 海底に移ったルイナスの基地で、美津姫(みつひめ)うららは新たな怪人達を生み出していた。

 それは、怪人アプリのレベルアップによって、新たに与えられた戦略兵器用の怪人をつくる能力で生み出された。


 怪人熊男、チンパンジー男達、そして、怪人スズメバチの群れ。

 戦略兵器用の怪人は常駐しているわけではなく、うららが呼び出す事で召喚される。


「さぁーて! 本格的な活動! はじめちゃうよおー!」

「本格的な活動? 総督の想像する未来! 早く見て見たいっす!」


 音呼(いんこ)が笑顔で手を叩く中、誠は無言のまま一緒に手を叩いていた。


 うららは扇子(おうぎ)(わし)を連れ、潜水艦から海の上へと浮上する。

 そこから、二人で飛行し、街の上空で開発したメガホンを使い、宣戦布告を始める。


『こんにちわー! 秘密結社ルイナスの首領うららだよー! 

 これから本格的な活動をするから、とりあえず今から、街を三つ滅ぼすね!

 さあ、行きなさい我が僕共! 街を滅ぼさなきゃ帰ってきちゃだめだよー!』


 うららは大仏ほどある大きさの熊男、そして、3メートルクラスのチンパンジー男達、最後に1メートルクラスのスズメバチの群れを解き放った。

 怪人達は縦横無尽に暴れ回り、それぞれの向かった先にある街から悲鳴が上がった。


 うららはまるで賞賛でも浴びているかの如く、満面の笑みを浮かべ両腕を広げた。


『みんな悲鳴をありがとー! うららの事、ずっとずっと思い続けてね!』


 上空から見下ろす街が、巨大な熊男の一撃で、そしてスズメバチの毒針で、瞬く間に阿鼻叫喚の地獄へと塗り替えられていく。

 うららが浴びているのは喝采ではなく、数えきれない命が消えゆく断末魔。


 その様子をモニター越しに眺めていた、海底基地にいる音呼(いんこ)が一言呟く。


「これが、総督のロックンロール(恋愛感情)。 いや、これは…… アイアンウィル、確固たる執念かー!」

「始まりやがったっすね。 これこそまさに、うららちゃんっすね……」


 世界の終末は彼女の手の中にある。

 運命は世界崩壊への坂道を転がり始めていた。

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