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第23話 それぞれの道へ

 誠は猿男とチンパンジー博士の手に抱えられ、ストレッチャーへと乗せられ、手術台へと運ばれる。

 うららも見守っている中、猿男が口を開いた。


「心拍数も脈拍も随分と落ち着いているね。 けど、体の方はボロボロだ。

 外見は正常に見えても、中身は音呼(いんこ)君よりも酷い……。

 このままでは、あまり長くは持たないだろうね」

「ええー?あまり長くは持たない? それじゃあ、うらら困っちゃう!

 折角交換して来たんだから、可能な限り正常な体にして!」


「畏まりました総督。 改造の方はどう致しましょうか?」

「うーん……せっかく手に入れたんだし、貴重な素材はそのまま生かしたいよね?

 ベースはそのまま、後は本人の希望通りにしてあげて!」


「仰せのままに」


 うららはご機嫌な様子でラボから出ていく。

 誠の瞳は、そんな彼女の背に冷たい視線を送りつけたいた。


「さて、総督閣下はご命令通り、君の体を治療する。

 改造の方だけど、君から何か希望はあるかな?」

「そうっすねー。 常に変身しているタイプのダークヒーローって感じがいいっす。

 それと、変身を解いたらパッと見で、ありとあらゆる苦痛を与えられた感じにして欲しいっす。 あと、痛くしないで欲しいっすね!」


「わかった。 それが君の希望と言うのであれば、可能な限りやってあげよう。

 全身麻酔を投与する、少し手がピリピリと痺れるような感覚があるかもしれないけど、怖がらなくて大丈夫。 必ず君の要望を叶えてあげよう」

「全身麻酔は初めてっすね、ああ、腕がピリッと……」


「よし、彼が眠りに着いた、急いで手術を始めるとしよう」


 誠の改造手術が始まる。

 丁度その頃、瑠璃目(るりめ)(はく)とが、基地にあるマネージャールームで、亜里(あり)から、ヒーロー側の施設での出来事を全て聞き、二人の間に重い空気が流れていた。


「よかった……茶菓(さか)ちゃんは、無事だったんですね」

「ええ、これから総督がどんな命令を下すのかは分からないけど……。

 それに、たぶん私は処分されるわね」


「処分…… どうしてですか?」

「総督に、茶菓(さか)の生死について、デタラメを言っていたのがバレてしまったから……。

 今は他の事に興味が向いているみたいだけど、きっと私は無事ではすまない」


「そう…… ですか。 みんなバラバラになって、マネージャーまで居なくなったら私、どうしていいのか……」

茶菓(さか)音呼(いんこ)ちゃんも、それぞれの道へと進んだわ。

 瑠璃目(るりめ)(はく)。 あなたは、あなたの道を進みなさい。

 私は、いつでもあなた達の味方をしてあげるから」


「私の道……。 もう一度、三人で一緒に…… ううん、マネージャーも一緒!

 四人で、また同じ時間を過ごしたい!

 美津姫(みつひめ)うらら……。 あの女さえいなければ……」

「妙な事は考えない事ね。 でも…… 活路は自ら開ければならない……か」


「マネージャー?」

「私があなた達を守ってあげる! 宛ては、ないわけじゃない……」


「分かりました。 マネージャー、これからどうするんですか?」

「総督…… いえ、美津姫(みつひめ)うららにべったりな音呼(いんこ)ちゃんの事は、一時的にこっち側に置いて行く事になるけど、必ずこちら側へ引き入れると約束するわ。 そして、私達は組織を離反する」


「きっと、私達は美津姫(みつひめ)うららの元では幸せになれない。

 私はマネージャーについて行きます!」


 組織の離反を決めた二人は、その後庵途(あんと)の元を訪れ、男性アイドルの駝鳥野(だちょうの)鳳五郎(ほうごろう)院堂(いんどう)孔雀(くじゃく)も引き連れ、基地の外へと向かうのであった。


 しかし、基地の屋上から、その様子を眺める怪人が一人いた。

 (かんむり)熊鷹(くまたか)

 彼の鋭い眼光が、基地から抜け出す彼女達の後を追っていた。

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