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呂律と頭が回らない大将 10-3

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「しかし、だったらなんであんたらは俺たちを買ったんだ・・・」

「そうだよな、俺たちを買わない方が節約出来ると思うが・・・」


大将「なぜって・・・この世ルールがムカつくからさ。別にお前らは買わん方が、確かに資金は増える。だがそれで終わりだ、発展がない。ただ戦って国を荒らして終了。そんなんじゃ世界は変わらん。戦いが終わった後の事まで考えねえと。復興のための教育やインフラ整備、社会のルール整備。やることは盛りだくさんだ。ただ戦ってはい終了!後は頑張ってね~。あ、支援しようか?良いよ良いよ!力貸すよ!是非!協力するよ!より良い国にするために!なーんて言って、手下にされちゃうんだ。もっと言おう、傀儡(かいらい)国家だ。能力がねえから、仕方なく頼る。そうしたら終わりよ。

そうならんよう、いつ復興してもいいように教育するんだ、オメーらをな?俺らは・・・やることやったら、とっととこの国を出て別の所へ行く。そこでまた同じような事をする。弱者は弱者、ずっと肉にされて食われ続ける。弱肉強食ではあるが、そのルールがムカつく。せめてチャンスくらいは与えて欲しいなって思わん?」


「それはそうだけど・・・」

「でも・・・ただでさえ今まで難民キャンプで生きられたから・・・」

「それに・・・戦争が終わったところで、私たちに何が出来る・・・」


自嘲する聴衆


大将「だーから俺らがいるんだ。全部を理解しなくていい、ただお前たちに頑張って欲しいと、それからこの世界の今のあり方が気に食わんやつがいるって事だけは知ってくれ。俺らはお前らに国を支えて欲しいんじゃねえ、ただ生きる力をつけて欲しいんだ。このシリアという荒れた国が、少しでも自力で立ち上がったら、他の紛争国に希望を与える!勝手でスマンが、君たちにはその先駆けになって欲しいんだ。」


「え・・・でもなぜあなた方が・・・」

「どいつもこいつも助けると言いながら、結局助けなかった・・・数年前の新型コロナでよく分かったよ。結局どの国も自分が大事なのさ。」

「しょうがねえよ、余裕があるからこそ援助をする。余裕がなければ当然ああなるさ。まあ何とか生き延びたけどね。」

「国連も・・・あんま信用しなくなったよ・・・何が平和だ・・・あいつらだけ平和ならいいのかよ・・・」

「あなた方は・・・今までの方たちと違う・・・マリックさんや支援団体の皆さんが信用してる・・・私は今まで正義を信じてませんでしたが、あなた方は正義の味方だと思ってます。」

「・・・今まで信じられる人は少なかった。私たちを助けると言った国々も、もう信用してません・・・偽善です・・・結局みんな自己中です・・・でも、皆さんならもしかしたら信じてもいいのかも・・・」


大将「はぁ・・・いいか?俺らは正義じゃねえ、むしろ悪だ。だが、自らを平和の使者とほざく偽善者どもよりかはマシだ、そうだろう?」


「確かにそうだ、今までの話、正直まだ信じてない。でも、あんたらに対する噂の中で、良い噂だけを見れば・・・信じられるかもしれん・・・」

「家族一緒に居られれば十分だ・・・そのためなら何でもする・・・!」

「今までどの国の指導者も、直接私たちを見ようとしなかった。でもあなたは来た、司令官なのに・・・」

「でもなぜここまで助けようとするんだろう・・・」


大将「ほら、少なからず今の世界に不満があるだろ?今の世界がムカつくだろ?世界はお前らを見捨てて自分の事で手一杯。偽善は言うくせに進展なし。それに、戦争反対平和主義って言うクセに未だに紛争は多い。しかもこの世の紛争の大元って大体今の先進国じゃん?なのにいっちょ前に正義面してる。ムカつくだろ。だから俺らはここにいる。」


「・・・言われてみればそうかも・・・」

「でも、彼らは俺たちを救おうとしてたじゃないか。いくら原因だとしても・・・」

「支援は十分じゃなかったけど、でも助けようとしてくれてた。結局何も変わってないけど・・・」

「確かに先進国のせいってのはあるかも知れない。でもそれは昔の事で今は違う、かも・・・」


今の世界や情勢に対して、賛否両論だ。国連を擁護する者、しない者。各国を偽善者と言う者、仕方ないと諦める者。


大将「じゃあなんで紛争は無くならん。なんで紛争地に武器がずっと入り続けてるんだ。国連じゃあ紛争地への武器の輸出は禁止されてるハズだ。だが東西諸国の武器が入り続けてる。一体これはなぜだ?」


「「「・・・。」」」

黙り込む聴衆


大将「これはなぁ、代理戦争だ。大国同士の思惑渦巻く代理戦争だ。兵器ってのは儲かる。勿論ドンパチやってる側からすれば、支払いというものがある。金ではなく資源で払ってるんだ。たとえ儲からなくても戦いが終わった後も自分たちの影響力を残すために、武器を供与してる。戦争や紛争に正義なんてねえ、本当に平和を望んでるのは誰よりも前線で戦ってる兵士たち、それとお前たち難民だ。そうだろ?」


「・・・。」

「確かに・・・もう争いなんてこりごりだ・・・平和に暮らしたい。」

「それはみんな一緒ですよ・・・世界は絶対紛争を終わらせたいはずです・・・!」


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