選んだ未来に、君がいるなら(2)
部屋の灯りは落とされ、窓辺の街灯が揺らめく影をカーテンに映している。
秦が帰宅してしばらくすると、静かな部屋に温かな空気が漂っていた。
「……おかえり、涼一」
寝室の扉の隙間から、低く囁く声が聞こえる。
そこには、部屋着のシャツ姿で立つ来人がいた。
少し照れたように微笑んで、ゆっくりと歩み寄ってくる。
「今日は……なんだか、顔が赤いな」
秦がそう声をかけると、来人は小さく頷いて腕を絡めた。
「……会いたかったから。すぐに、こうしてぎゅってしたくて」
耳元で囁く声は甘く、素直な気持ちが滲んでいた。
秦は少し驚いたあと、優しくその身体を抱きしめ返す。
「……落ち着けって」
「やだ。今夜は、離したくない」
その言葉に、秦は苦笑しつつも抱きしめる腕に力をこめる。
ふと見上げると、来人の頭の上に猫耳がぴょこんと現れていた。
「……出てるぞ」
「……隠すの、もういいや。涼一には見られても平気だから」
そう言って、来人は顔を埋めるように秦の胸に寄り添った。
耳を撫でると、安心したように小さく笑う。
「涼一といると、落ち着くんだ。ずっと、そばにいたい」
その素直な言葉に、秦の胸が温かく満たされていく。
二人はそのままベッドに腰を下ろし、互いに寄り添い合った。
「……ほんとに、可愛いな」
秦の言葉に、来人は照れながらも小さく笑う。
夜の静けさの中、二人はただ寄り添い、互いの温もりを感じながらゆっくりと時を過ごしていった。




