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猫耳はバレちゃいけない  作者: あしゅ太郎


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にゃんとも騒がしいヒーローたち!?(3)

「ぐっ、まだ……魔獣が減らない……!」


秦が剣を振るいながら息を荒げる。対する畑中は、魔法使いスタイルで後方支援をしているが、何度も魔獣に囲まれ足をとられ始めていた。


「く……くそっ、深月くん、君のバグ取りが甘いのでは!? この難易度は設計ミスだ!」


その瞬間、上空から光が差し込み、神々しい旋律とともに、2人のプレイヤーキャラがフィールドに降臨した。


「設計者が直々に参上。バグ取りついでに助太刀してやるよ」


長杖を構えたローブ姿の深月がにやりと笑いながら着地する。


「こらミツ、勝手に乱入してええんかいな」


続いて、なぜかホーリービースト風に豹耳と尻尾を揺らした白沢が、ゆるく剣を構えて現れる。


「大知さんまで!?」


「まあまあ、NPCとして見守るだけじゃ退屈やったしな」


ゲームバランスもへったくれもない、破格ステータスの2人が参戦したことで、フィールドの敵は一気に制圧されていく。


だがその最中、来人の背後にひときわ巨大な魔獣が出現した。


「来人、後ろ――!」


秦の叫びと同時に魔獣の爪が振り下ろされる――そのとき。


「もう、守られてるだけの猫姫は卒業だ!」


来人の姿が、ふわりと変化する。猫耳のついた王国衣装の上から、戦士風の軽装備が装着され、手には剣と盾が現れる。


「この世界、ヒロインだからってずっと守られてるの、なんか悔しいだろ」


震えながらも剣を握る来人の瞳は、確かに覚悟を宿していた。


「いいぞ、来人……!」


「……っ、可愛い……いや、勇ましい……くぅ、どっちも刺さる……!」


畑中は胸を押さえて悶えながらも、ふらりと来人の背後に回り込むと、耳元にそっと囁いた。


「やはり僕がこの子を娶るべきでは? 可憐で、まっすぐで……それでいてこの根性……!」


「ちょ、何囁いてんの! 近いし!!」


「うるさい! 離れろ!」


秦が間に割って入ると、畑中と睨み合いになる。


「君に来人くんを任せて、本当に大丈夫なのかい?」


「今さら言うまでもない。俺があいつを守るって決めたんだ。ずっと前に」


秦の力強い言葉に、来人ははっと顔を上げた。


その表情を見て、畑中はふっと笑う。少し、寂しそうに。


「……本当に良い表情をするようになったな、来人くん」


「司、さん……」


「悔しいけど、君には勝てない気がするよ。僕は昔の“可愛い後輩”のままでいてほしかったのかもしれない。でも――」


畑中は、少し目を伏せて、そっと言葉を結ぶ。


「そうじゃない君が、いちばん美しい」


ゲーム終了のアナウンスが流れる。最後に全員で力を合わせてラスボスを倒した瞬間、眩しい光が視界を包み、仮想世界がゆっくりとフェードアウトしていった――。



---


ラボ内・ヘッドギアを外した直後


「……ふう、なかなかに濃密な体験だった」


畑中がゴーグルを外し、髪を直しながらぽつりと漏らす。


「しっかり反応データも取れたし、収穫ありだな」


「ほな、バグも見えたし直しときやー。来人、うまく動けてたやん」


「べ、別に……あれぐらい誰でも……!」


耳をぴくぴく動かして照れる来人の姿に、秦と畑中は同時に目を細める。


「……やっぱり、可愛い」


「……だな」


目が合った2人は、一拍置いて、ぷいと顔を背けた。


「ふたりともややこしいなぁ……!」


深月は笑いながら、ラボのモニターを切った。

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