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猫耳はバレちゃいけない  作者: あしゅ太郎


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27/53

2人のミツと、1人のパニック(5)

夜も更けたころ。

来人は、ようやく秦の待つ部屋に帰ってきた。


玄関を開けた瞬間、秦が速攻で飛んできて、来人をぎゅっと抱きしめる。


「お、おい……秦?」


「……無事でよかった」


低く、少し震えた声だった。

秦の腕は、来人の背中にしっかりと回されていて、まるで絶対に離したくないとでも言うようだった。


来人は、きゅっと胸が熱くなるのを感じた。


「別に、何もされてねーし……」


言い訳みたいにぼそぼそと呟くと、秦は来人の髪に顔を埋めながら、ぼそりと呟いた。


「深月……マジでぶん殴ってやろうかと思った」


「ええっ……!?」


「おまえをアイツに預けるとか、正気じゃねえだろ……」


秦は本気で怒っているらしく、来人の背中をぎゅっと力強く撫でた。

でも、怒りの裏に、心配と寂しさがにじんでいるのが、来人にはわかった。


「……ごめん。心配させた」


素直に謝ると、秦は顔を上げて来人をじっと見た。


その瞳に浮かぶ、安堵と、怒りと、独占欲と――

全部が、来人を胸いっぱいにさせた。


「……今日は、絶対、離さねぇからな」


低い声で宣言すると、秦は来人の手を引き、ベッドへと連れて行った。


ベッドに座らせた来人の膝に、自分の身体を重ねる。


「な、なぁ……?」


「おまえが悪い」


耳元で、甘く拗ねた声。

来人の首筋に、そっとキスが落ちる。


「一晩も……俺をひとりにしやがって……」


ぶつぶつと文句を言いながらも、

秦の手はやさしく来人の髪を梳き、背中を撫で、何度も何度も抱きしめる。


「……甘やかされてるの、俺の方じゃね?」


苦笑混じりに呟くと、秦はほんの少しだけ離れて、来人を睨んだ。


「違う。おまえが甘えろ」


「は?」


「俺に。今すぐ。……バカ」


顔を真っ赤にしながら、なおも真剣に言う秦に、

来人はとうとう堪えきれず、吹き出してしまった。


「あはは……わかったわかった」


そのまま、来人は自分から秦の首に腕を回し、そっと額を預けた。


「ただいま、秦」


「……おかえり、来人」


二人きりの夜は、

ぬくもりと、甘い匂いと、重なる鼓動で満たされていった――。

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