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猫耳はバレちゃいけない  作者: あしゅ太郎


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15/53

――そして、うさぎ男が爆誕した。(5)

白沢が深月のベッドに潜り込んでからというもの、

「同じ部屋で寝る」のがすっかり日常になっていた。


最初は躊躇していた白沢も、夜になると当たり前みたいに隣にやってくる。


「また来たのかよ」


「……しゃーないやろ、うさぎは寂しがり屋やねんから」


「言い訳すんなって」


そんなやりとりをしながら、結局、布団を半分こして寝る毎日。


深月は眠ったふりをしながら、隣の白沢がもぞもぞ動くたびに心臓が跳ねた。

白沢は、たぶん無意識なんだろう。

寝ぼけながら、深月の腕をぎゅっと掴んだりする。


(……意識するなって方が無理だろ)


目を閉じたまま、深月は小さくため息を吐いた。


---


そして、ある朝。


「おはよう……って、うわ!」


洗面所で寝癖を直していた深月は、鏡越しにぴょこんと耳を立てた白沢と目が合った。


「耳出てるぞ」


「はあああっ!? マジかっ!」


白沢は慌てて耳を押さえ、バタバタとタオルを被った。


「最近、油断しすぎだろ」


「う、うるさいわ……! だってここ、安心するし……」


白沢は小声でぼそっと呟いた。


(……安心、ね)


その言葉に、深月は一瞬だけ息を詰めた。


---


夜。

ふたりでソファに並んでテレビを見ていたとき。

不意に、白沢がぼそりと漏らした。


「なぁ、ミツ」


「ん?」


「……ここ、なんか居心地ええな」


「だろ。俺が完璧にセッティングしてるからな」


「ちゃうわ、お前がおるからや」


白沢は普段よりずっと、柔らかい顔をしていた。


(……やばいな)


最初はただのイタズラだった。


なのに今は、こいつが可愛くて仕方ない。


無意識のうちに、深月は白沢の手の甲にそっと指先を触れさせた。


白沢は一瞬びくっとしたが、拒絶することはなかった。


ふたりの間に、じんわりと熱が広がっていく。


だけど。


「……寝る!」


白沢は勢いよく立ち上がり、ばたばたと寝室(深月のベッド)へ逃げていった。


耳を真っ赤にしながら。


「……ほんと、バカだな」


深月は苦笑しながら呟いた。

けれど心の中は、どうしようもなく温かかった。

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