表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(完結)ゲイ向けエロMODが導入された世界で陰キャがなんやかんやする話  作者: たろう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/5

3.成人の儀

調べていただけると分かると思いますが、こんな処置をする施設は日本にはありません。創作の中だけですのでご承知おきください。

翌日はムスコにアレをいれる処置日だった。


たしか、東南アジアだかアフリカだったか、あるいは南米だったかの部族では、成人の儀式として体のどこかにピアスをいれる文化があったなと思い出していた。


この世界では、日本にも成人の儀式にそれが取り入れられている?


恐ろしい……。でもエッチだからヨシ!


そうは思うけれど痛いのは嫌なので部屋を出る前にネットで調べてみたら、どうやら施術前には麻酔をしてくれるらしいと分かり俺はすっかり安堵して、軽い足取りで病院へと向かった。


もし仮に麻酔無しであったなら俺は処置室で情けなくもしょんべんを漏らしてしまっていただろう。良かった。俺の尊厳は守られた。


途中コンビニで金を下ろして予約した病院へ行き、受付を済ませる。綺麗な看護師さんが笑顔で問診票を渡してくれた。用紙に記入をしながらなんとなく周りを観察してみると、さすが形成外科病院なだけあって、受付のお姉さんも幾人かすれ違った看護師さんも、とんでもない美人ばかりだった。


これには俺の期待も膨らむ。美人が多いということはイケメンも多いと考えるのが道理!


そわそわきょろきょろしながら椅子に腰掛けると、思った通りイケメンが数人見えた。なるほど、この病院では、世にも珍しい男性看護師がそこそこいるようだ。


これには俺の期待も股間も膨らんでいく。どうか俺の処置の際には女ではなくイケメンが立ち会ってくれと願った。合法でノンケにあそこを隅々まで観察される機会など、おそらくこんなイカレた世界にあってさえそうそうないだろうしな。


しかし喜びもつかの間、残念なことに、さすがに病院内ということもあって、みな白衣を着ていた。


むべなるかな、だ。個人的にはちょっと残念な気がしたが、これは衛生上当たり前のことなのだと俺は自分を納得させ、頭を切り替えて別のことを考える。


先生はどんな人だろうかと新たな思考の淵に沈んでいく。そうだ、先生だ。これは重要なことだった。看護師はあくまでも補助に過ぎない。俺の体を隅から隅までこねくりまわしていじり倒すのは医者の仕事だ。どんな先生に見てもらえるのだろうか。風俗みたいにパネルがあって、先生を自分で選べるシステムだったりしないだろうか。するわけないよな。


あぁ、イケメンだったら最高なんだが……。若くて笑顔の素敵なイケメンか、それともベテランでいかついイケオジか、はたまた優しそうなロマンスグレーの紳士か。うーん、どれも捨てがたい。


多種多様なイケメンにムスコを触れられながら、あれこれと股間について聞かれる自分を想像した。興奮は高まる一方だ。童貞の妄想力を侮ってもらっては困る。夜な夜な想像だけで昇天できる俺なのだ。この程度朝飯前と言えるだろう。


そして同時に俺のムスコがもう少し立派だったならと嘆かずにはおれない。


しかし、俺の心とは裏腹に俺の利かん棒は早くも喜びの涙を流し始めている。困った奴だ。俺はさりげなくトイレへ駆け込んでキレイキレイして席へ戻った。


笑顔で渡された問診票の記入を終えて、呼ばれるまで俺は待合室で待つ間、客層もチェック。平日の午前中かつ予約制ということもあって、あまり人影は多くはなく、しかも女性ばかりだった。ここで下手な動きをして通報されては敵わないと考え、俺は大人しくできるだけ常識人に見えるよう振る舞った。


それから間もなくして、俺は予約した十一時きっかりに診察室内へと呼ばれた。


期待に俺の(自称)マグナムはびんびんである。


扉を開けると、中には白いカーテンがかかっていて、それを、若いイケメン看護師が開けて俺を中へと誘う。彼の白衣についているネームプレートを確認すると清滝聡一というらしい。男前な名前で、涼やかな彼にぴったりだった。


俺は内心で拍手喝さいを送った。来てる。来ているぞ、波が!


そして、カーテン内へと一歩踏み込むと、中にはイケオジ先生が椅子に腰かけて俺に笑いかけてきた。


我が生涯に一片の悔い無し。勝ち確です。本当にありがとうございました。


俺はにやけそうになるのを必死にこらえながら、取り澄ました顔でよろしくお願いしますと挨拶をすると、勧められた椅子に腰かけた。


目の前に座るがっしりとしてひきしまった体躯を覆う白衣からちらりと覗く胸毛がカッコいいイケオジの名前は、中本孝太郎といった。


俺はイケメンに囲まれて少し緊張しながら、初めてピアスを開けることを正直に話すと、先生も看護師も驚いた様子を見せた。しかし、顔に出したのはその時だけで、彼らがその理由を特に追及してくることはなかった。


俺は白衣に隠れた二本の肉棒について思いを馳せる。


きっとイケオジのあそこはきっと、何がとは言わないがさぞかし立派なブツに違いないだろう。これは想像ではなく確信だった。俺の心の目ははっきりとその存在を掴んでいた。


そしてイケメン看護師のちんちんも美品と言えるブツに違いない。きっとパイパンで、毎日しっかり目に手入れをしているはずだ。


見えなければ見えないほどに妄想は加速する。目隠れ、お面等、顔を隠したエロ漫画が一定の需要を獲得しているのも道理と言うもの。パンチラしかないはずのエロ漫画とも呼べない商業連載作品が話題になるのもきっと同じ理由なのだ。


さらには、エロの伝道師、熟達の猛者ともなれば、AVのモザイクがあるほうがエロイと宣う人物さえこの世には存在している。見えないという事実が人を興奮させるというのは明白だった。


そうか。俺は今真理を悟った。悟ってしまった。あれほど邪魔だと思っていたモザイク処理も、今ならば楽しめるのかもしれない!


てか、世の男性陣がみなモロだしの状況で、AVのモザイク処理はどうなっているんだろうか。新たなノーベル賞級の疑問に俺は心を宇宙へと飛ばしかけた。


しかしその想像はこちらへと投げ掛けられた言葉で雲散霧消する。いつだって現実の方が大事なのだ。


「長谷川さん?大丈夫ですか?」

「問題ありません」


どうやら俺はしばらく放心していたらしい。二人が気づかわし気に俺を見ている。やめろよ、惚れてしまうじゃないか。


「それでは、長谷川さん。そこのベッドに横になってください。処置自体はすぐに終わるのですが、その前にきちんと確認しないといけませんので」


イケオジはそう言った。キタ……!


「はい。わかりました」


俺は冷静を装いイケメン看護師の介助を受けながらベッドに横になる。俺は言われるがままに靴下を脱ぎ去った。靴下脱ぐ必要ある?


それから、イケメンが俺の股間周りを拭いて綺麗にしてくれた。うほ、最高。


彼がゴム手袋をしてなお優美なその指で俺のそれを優しく持ち上げて、亀頭を消毒薬をしみ込ませた脱脂綿で清拭してくれる。自分でもそんな丁寧な扱いをしたことのない部位を、しっかり目に拭き取るその丁寧なご奉仕に、俺の心は弾み、ムスコはガチガチになった。イケメン看護師、もとい清滝くんの献身に涙がこぼれる。


さきっちょを摘んで竿をしっかりと消毒し、その付け根、キンタマまで拭き上げていく仕事ぶりは丁寧の一言だ。玉裏までしっかりと綺麗にしてくれて、丁寧に横たわらせてくれると彼の仕事は完了した。もっといじくりたおしてくれて構わないのにと俺は内心で思った。


彼が場所をあけると、椅子を動かしながら中本先生も近くに来る。


先生もまたゴム手をしたごつい指で繊細におれのチン棒を持ち上げ確認する。たまんねぇぜ……。くせになりそうだ。


「ふむ、特に見た目に問題はないね」

「はい」

「性病の類も無し、でいいね?これは重要なことだから正直に答えて欲しい。処置後に感染症にかかるリスクの原因となるんだ」

「性病は一度も罹ったことがありません!」


俺は確信を持って答えた。童貞なんだからあるわけがないのだ。


「元気がいいね」


俺の返事に先生は笑った。あぁ、笑顔がまぶしい。


それから、更に先生が俺の股間を確認する。ばきばきになっているそれを、息がかかるくらいの距離から見られるのは、どんなエッチなサービスなのか。これを追加料金無しで受けられるんですか?


わざとではないことは重々承知しているが、はっきりと息がかかるのを感じている。先生の生暖かい呼気が二度三度。く、イってしまうかもしれない。俺は焦った。内心で、先生に〇射を決める場面を想像してしまった。


そんな俺の馬鹿げた考えなど全く知らないであろうイケオジ先生は、俺のあそこを持ち上げて裏筋をよくよく観察し、撫でたり押したりを繰り返す。何度も何度も。くぅ……。


え、そんなところまで?と言いたくなる場所をしげしげと見ていると言う事実に、俺は帰った後の予定を即座に組んだ。


「問題ないですね。すぐに処置をしましょう」

「はい」

「清滝くん、もう一度アルコール消毒をお願い」

「わかりました」


そう言って、清滝くんがもう一度俺のあそこをキレイキレイしてくれた。俺の人生史上もっとも綺麗になった瞬間と呼んでも差し支えないだろう。


そしてそのまま穴あけとなった。下調べの通り、麻酔をしてもらったので痛みはなかった。麻酔をする際、注射器を持った先生がちょっとちくっとするよと、子供に話しかけるみたいに声掛けしてくれたのが良かった。また来たいと素直に思った。もう来ることはないだろうが。


それから処置自体はものの十分程度で済んだ。血もそんなにでなかった。さすがに穴あけ用の器具を見たときにはさすがに俺の利かん棒もしなしなになっていたが、そのおかげで処置はスムーズに進んだ。


時計を見ると、四十分程度で終わったようだった。術後に見せてもらった自分のあそこの先に、しっかりとリングピアスが輝いていて、その事実に不思議な感動すら覚えていた。


このごついのがまたかっこよくてエロイんだ。


ここにきてやっと俺はこの世界に受け入れられたような清々しささえ感じていた。


エッチな体になったという事実は正直嬉しかったけれど、一つ問題があった。それは、数日はムスコをいじってはいけないと医者から釘を刺されたことだ。勃起させるのもあまり良くないらしい。


つい、本当に?明日もダメなんです?どうやって休日を過ごしたらいいんですか!と叫んでしまった。


俺はことここに至ってこのエロイ世界でオナニーのみならずチンポ自体の勃起を禁止されたという事実に愕然とした。これは拷問ではないのか?基本的人権にオナニーは含まれませんか?


昨日一昨日と数えきれないくらいシコらされているのだ。もう今の俺にはオナニー以外に人生の楽しみなどあってないようなものだ。


外を歩けばドスケベノンケが全裸で歩き回り、テレビをつければイケメン俳優やアイドルがいけない部分を惜しげもなくさらして画面に映っている。


それなのに、自分自身のそれに触って気持ち良くなってはいけないなんて!気が狂いそうとはこのことだった。


二人の困惑顔を背に俺は病院を出てとぼとぼと力なく家へと向かった。おれは軽くなった財布と重くなった股間と一緒に帰った。


俺は仙人が人里離れた山奥に籠るのにも似た心境で家へと帰ると、いらぬ視覚的刺激を受けそれが股間に到達して勃起し、あまつさえせんずりをこきたくならないよう、土日はただひたすらに寝て過ごした。


何も見てはいけない。何もしてはいけないと自らに言い聞かせ続けた。


パソコンでゲームをしようとも思ったが、良くも悪くも、いやこの場合は悪くもだ、俺がよくやるゲームには概ねドスケベMODが入っているので、そんなものを見ては股間をいじらずにはおれないだろうという確信から、俺はゲームもすることができなかった。


虚無な休日を俺は過ごした。


そうして、やっと月曜日になり、俺はうっきうきで会社へと出社していった。一刻も早くこの通過儀礼を済ませた証拠を同僚や上司に見せねばならぬと思った。この感情は使命にも似た重さを持って俺の中に存在している。逮捕されるという憂慮から解放された俺は完全にハイになっていた。


嬉し楽しい通勤電車イベントを難なくクリアして、会社へ到着した。念のために出かける前にシャワーを浴びながら一発抜いてきてよかったと思った。でなければ俺は今日無事にここまでたどり着けなかったかもしれない。車内で粗相をかましてしまっていたかもしれない。俺は痴漢で捕まるという最悪の事態を未然に防ぐことに成功していた。


IQ二百はあるだろう俺が席についてしばらくすると、いつものように隣の席の先輩が出社してきた。


俺は興奮から、萩原先輩に声をかける。


「おはようございます!」

「おお、はよ。朝から元気だな」


俺は気づいて欲しくて、わざと太腿をかっぴらいてアッピルする。


しかし先輩は俺のこの行動に全く関心を示さない。


「ど、どうすか……?」


堪えきれずつい尋ねてしまった。先輩は首を傾げる。


「何が?」

「その、へへ、先週との違いに気づきませんか?」


そうヒントを提示する。


そうしてやっと先輩が俺のピアスに気付いた。


「ああ、長谷川。今日はきちんとした格好してきたんだな」

「そ、そうす。これで俺も大人の仲間入りっすね」

「何言ってんだ?」


困惑気味な声が耳に届いた。


「へ、へへ……。へへへ。……何でもないっす」


当然の反応に、気色悪い笑い声が口から漏れた。


俺と先輩の間に微妙な空気が漂ったまま仕事が始まる。


みんなから俺は大人の印について話題を振られるだろうと妄想していたが、現実はそんなことはなくて、誰からも何も言われないまま、月曜日は過ぎていった。


本日のお薬は間に合っています

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ