夜の大森林5
どこの勇者も全員化け物ということがわかった。
「あれを僕は越えようとしてるのか」
「そうなの?頑張ってね」
「うわぁ!」
ヴィリアムが後ろにいた。今の言葉をヴィリアムに聞かれてとても恥ずかしい。
「どうしたのかい?」
「急に後ろから現れるなよ!」
「ごめん、ごめん。とりあえず帰ろうか。その腕を治すのは里に帰ってからにしようか」
「わかった」
「あとこれ、君の腕だよね?」
僕の腕をヴィリアムが持っていた。
「うん。まあそうだけど、どうして?」
「切れた腕があったら治しやすくなるんだよ。本当は腕を治すには極級の回復魔法が必要だけど、これがあったら腕がなくなってからすぐなら超級の回復魔法で治せるんだよ」
「極級の回復魔法は使えないのか?」
「俺は回復魔法の専門じゃないからね。そういうのは聖女の専門さ」
「聖女がいるのか。その人に治してもらうってことか」
「いや、俺が治す」
「なんで?」
「聖女はもう居ない」
冷たくそう言った。
「そうなのか。ってすぐなら治せるって言ったけど早く治さなくていいのか!?」
「まあ、なんとかなるさ。多分」
小さい声で多分と言った。
「真面目にやれよ!僕の腕がかかってるんだ」
「冗談さ。切断されて二、三時間ぐらいなら治せる」
「やめてくれよ。心臓に悪い」
「ごめんよ。次から気をつけるね」
笑いながらそう言っていた。本当に反省しているのだろうか。
その後、里に戻り、ヴィリアムの家に泊まることになった。
「お邪魔しまーす」
「入って入って」
「さすが勇者の家。広いな」
「そうだろ?自慢の家さ。そんなことは良くて、腕治そうか」
「まあそうだろうね」
「腕はどんな状態?」
「初級の回復魔法で止血はしたよ」
「上出来だね。そこに座って」
家にあるソファーに座る。ふかふかだ。
「じゃあ治すね」
そこからは十分ほど超級の回復魔法を自分の腕に使われた。
「よし、出来た」
「おおー!」
ちゃんと繋がっている。
「あのー」
「ん?」
「うでが動かせないんですけど、、、」
「寝たら治るよ。とりあえず今日はもう遅いから寝な。明日は家で安静にしておくこと」
「わかった。色々ありがとう」
「当然のことさ。あと、部屋は俺の隣の部屋を使って」
「わかった。もう寝るよ。おやすみ」
「おやすみ」
ヴィリアムの部屋は2階にあるため、2階に上がる。
「ここが僕の部屋か」
何もない。あるのはベッドだけだ。そして、タンスの後のようなものがある。前に誰かが住んでいたのだろうか。
「ま、なんでもいいか。寝よ」
ベッドに気絶するように寝た。




