夜の大森林4
「もう大丈夫だよ」
「ん?」
そこにはヴィリアムがいた。
「さっきの雷。ハルカが起こしたんだよね?何かと思って来てみたら君がいたわけさ」
「さっきの聞こえてたんだ」
さっき人狼に撃った落雷をできるだけ強くして、音を大きくしたら誰かが様子を見に来てくるのか試した。
「それより、ハルカ。君の怪我のことだ。さっさと治療しよう。もしかしたらその腕を治してあげられるかもしれない」
「それはよかった」
ヴィリアムが来たことと腕が治せると知り、安心した。
「とりあえず、一旦自分で回復魔法をかけとい…」
「ウラァァ!」
人狼がヴィリアムを後ろから襲う。
「危ないじゃないか。今ハルカと話してるとこなんだけど」
剣で軽々と人狼の攻撃を受けていた。剣を抜く速さが尋常じゃない。見えなかった。
「殺す、殺す!」
「アンデット化した人狼か、珍しいね。ハルカ俺の戦闘で色々と学んでね」
風がヴィリアムの周りに寄ってくる。
「付与術・風」
持っている剣が風を纏う。魔力の塊だ。
「これはね、自分の体や剣を体に纏わせる魔法だよ。」
剣を振ると、ビュンッ!と音が鳴った。
すると、少し先までの木が真っ二つに割れていた。
「えげつな!」
「ウゥ、」
人狼はかろうじて頭を守っていた。
「お、やるね。じゃあ次は、竜巻」
周りからさらに風が来る。
「ハルカはここから逃げた方がいいよ」
「動けないんだけど、」
「転移できるでしょ?」
「そうだった」
地面に闇穴を作り、自分から落ちる。大体百メートルほど離れた。ヴィリアムの方が気になるため、身体強化で目を強化する。
次第に大きな竜巻が現れた。中心にはヴィリアムがいる。人狼は竜巻のなかで振り回されている。かわいそうだ。
「付与術・風」
今度は自分の体を強化したらしい。
「俺の動きについて来れるかな?」
ヴィリアムは竜巻に乗って、目で追えない速さで人狼の周りを回っている。見えないが、少しずつ剣で攻撃をしている。
「これで終わりだよ」
竜巻がヴィリアムの剣に収束する。
そして、撃つ。人狼は体ごと消えた。竜巻の風が僕の方にも来た。だが、遠いおかげで威力は少し吹き飛びそうになっただけだ。
どこの勇者も全員化け物だということがわかった。




