夜の大森林2
アンデット達が一斉に襲いかかってきた。
単体なら余裕だが、何匹もいれば話は別だ。攻撃は早いってわけではないが、身体強化で、ハイゴブリンより少し遅い程度だ。
とりあえず、閃光を撃つ。真っ暗闇から、一瞬だけ当たりが明るくなった。撃った僕も、少し眩しいと思った。
アンデット達は顔を抑えて苦しんでいた。光魔法は魔物に対して圧倒的な強さを誇るのだ。しかも、相手はアンデット。多分、魔物よりも攻撃が効きやすい。
顔を抑えている隙に、剣で一匹ずつ倒していく。普通の魔物なら死ぬ程度の攻撃を顔に当てても、死なない場合があり、耐久性があることがわかる。
「ウガァ!」
どうやら、閃光を耐えたやつがいたようだ。
「ほいっと」
避けて、顔を切る。二度目の閃光を撃つが、今度は大半のアンデットが顔を隠していた。
「流石に対策されるか」
また一斉に襲いかかって来た。
「一度はこんな技を使うか」
前にルージュが見せてくれた回し斬りを真似してみる。ちゃんと効いたようで、頭に当たらなかったアンデットは吹き飛んだ。
「いいねこの技」
今度は自分から襲いかかる。閃光を撃って、顔を隠しているうちに攻撃をしたり、遠距離から火炎で、何体かを一気に倒したりする。そのうちに殲滅できた。
「疲れたー。何十体もいたから、魔力を大量に使ったな大体半分くらいか?」
ゲームみたいに残りの魔力量を教えて欲しいものだ。
二十分ほど休憩して、魔力を回復させた後に動く。休憩したと言っても、敵が隠密で襲いかかってくるのが怖くて、敵感知をずっと使っていたため、さっき戦ったよりも疲れた気がした。だが、全く敵がこなかった。僕の努力を返して欲しい。
適当に歩き回っていると、また、アンデット達が何十匹も現れる。
「なんで1、2匹ぐらいで来ないで、一斉に来るのかな?」
普段は最大8匹までなので、殲滅は簡単だが、何十匹も一斉に来られると、非常に面倒だ。
「はぁ、はぁ、はぁ、やっと倒し切った」
今度は剣だけで倒し切ったため、魔力の消費はあまりない。休憩はなしで転移魔法陣探しを続ける。
数十分後、また奴らが現れた。
「またかよぉー!ふざけんな!」
こんだけ声を出してキレたのは久々というか初めてだ。
「はぁ、やっと倒し切った。なんでこうも一斉にくるだよ、誰かが僕に嫌がらせしてるしか思えないな」
暗いため、木の枝にたまに当たる。鬱陶しい。暗い中でも周りが見えるようになりたい。
そんなことを思っていると、辺りが見えるようになってくる。
「あれ?周りが見える!」
暗視のスキルとかをゲットしたのだろうか。まあいい、これで少しはマシになる。
数十分後
「は?」
敵感知が強く反応している。今まで見たことないレベルだ。これは流石に逃げるべきだ。
迫ってくる。異常な速さだ。
心臓がうるさい。怖い。
姿が見える。人体の胴体の骨と犬の頭の骨がついたような見た目だ。
「殺す!」
遠くからでも聞こえる声をだして来た。
「まさか、あの時の」
僕はこいつと会ったことがある。そう。前にエルフの里に行くときに遭遇した人狼だ。
「殺す、殺す、殺す」
転移で逃げようとするが、思い通りに体が動かない。あの人狼のスキルだろうか。
逃げられないなら、戦うしかない。
剣を構える
人狼は前と戦った時よりも断然速い。今まで戦った魔物の中で多分一番速い。
身体強化で限りなく自分を強化する。上限は150倍ほどと、100倍より、1.5倍しか前と変わらないが、筋トレのおかげで、前よりも比べられない程に強くなる。
人狼が爪で攻撃をしてくる。攻撃を受け流す。骨だけで筋肉はないのに、力の強さも前よりも強くなっている。
「また会ったな」
「殺す!」
「それしか言えないのかよ」
アンデット化で頭がおかしくなったのだろうか。
こっちも剣を振り、攻撃をするが、爪で塞がれる。後ろに下がって、火炎で、攻撃する。
ボンっと音はした。胴体に当たった。骨が少し黒くなっているが、あまり効いてない様子だ。
「なら、これで」
耳だけ強化を止め、落雷を落とす。ドン!と大きい音が出る。当たったようで、骨がバラバラになる。威力を強めたおかげだ。
「いまだ!」
体勢が崩れているうちに、顔を攻撃しようとするが、その前に、一つ一つの骨が頭に向かって動き出し、体が元に戻ってしまった。
「体がバラバラになってこの治りの速さ。顔を直接剣で切るしかないな」
閃光で、怯ませようとするが、全く効かない。
「ウガァ!」
人狼が激しく何度も攻撃を繰り出す。身体強化をしても尚、守るしかできない。
一発攻撃が当たる。が、傷は一つもない。
「よかった、聖なる盾を使ってて。当たってたらと思うとゾッとするな」
だが、この魔法にはクールタイムがある。次はない。クールタイムが終わるのは大体、十分。実質、この戦いでは使えないのと同じだ。
「さて、どうするかな」




