エルフの里6
翌日。僕はレンが用意してくれた家に泊まった。この里には宿がなく、泊まる場所を貸してくれた。
「おはよう」
家の外から声が聞こえる。レンだ。昨日言っていたように様子を見に来たようだ。僕も外に出る
「おはよう」
「昨日はちゃんと寝れたか?」
「まあね。昨日レンが泊まる場所を貸してくれなければ、里長に土下座してソフィーの家に泊まるところだったよ。ありがとう」
「いいさ、それに前に間違えで檻に閉じ込めたのはごめんな。これでチャラというわけではないがな」
「それはレンが悪くないからいいよ」
間違えられて檻に入ったのは、僕もレンも誰も悪くない。ただ、運が悪かった。それだけだ。
「許してくれてありがとな。それで、俺は今からソフィーネ様の元に行くんだが、一緒に来ないか?」
「なんでレンがソフィーのところに行くんだ?」
「実はな、昨日。ソフィーネ様が俺に弓を教えて欲しいと頼まれてな、今日から教えることになった」
「あ、昨日言ってたやりたいことってそれか」
「あと、ヴィリアムに風魔法を教えてもらおうとしていたな」
本当にヴィリアムはなんなのだ?
「ヴィリアムって一体何なの?」
「そうか、言ってなかったか。ヴィリアムは風の勇者だ。」
「そうなのか」
薄々ヴィリアムはただものではないと思っていたが、風の勇者だったのか。あまり驚きはしない。
「意外と驚かないものなのか」
「今までいろんな驚くことが起きていて、慣れたんだよ」
「どんな人生送って来たんだ?」
一応、異世界転移でこの世界に来たことと、今までこの世界でして来たことを話した。
「すごい経験だな。まさかとは思ったが、闇の勇者の弟子だったか。ま、そりゃあ闇穴を使いこなしてたんだもんな」
「まあね。でも、今まで楽しかったよ」
「俺はずっと弓の稽古ぐらいしかやってなかったからハルカみたいな経験はほとんどないな」
「でも、あの弓捌きものすごい鍛錬を積んだんだろ?」
「それぐらいしかやってなかったからな。まだまだ実力が足りないさ。これでも一つの隊の隊長をやっているが、まるでヴィリアムに追いつかない。それに、ハルカにも負けている。情けないよ」
だが、あの時ヴィリアムが言ってたように殺すような攻撃は禁止されていた。もし、殺すような攻撃を使われていたら、負けていたのは僕かもしれない。
「何かを言えるような立場じゃないけど、ヴィリアムに勝てるように一緒に強くなろうよ。取り敢えず、ソフィーの弓の稽古よろしくな。」
「任された」
僕達は握手をし、別れた。やりたいことができた。




