ソフィーネ
「ありがとうございます」
エルフがお礼を言ってくる。さっきは敵の方を見ていたため、顔を見ていなかった。美しい人だ。
「魔物を横取りしたみたいですみませんね」
「いいえ、命を助けてくれただけでありがたいです」
「ならよかった。あなたも、ゴブリンキングの討伐に?」
「はい、そうですお金がないんですよ。昨日から大森林を抜け出してきて」
じゃあ、僕と同じで旅を始めたのだろうか。
「僕も旅を昨日始めたばかりなんですよ」
「そうなんですか?どこから来たんですか?」
「シェイテナブルです」
「シェイテナブル!?ここから一年ぐらいかかる距離ですよ?」
「あー、転移できたんですよ」
「じゃあ、魔力がすごいあるんですね!」
「違います、違います。師匠が送ってくれたんですよ」
「じゃあ、あなたの師匠はすごいんですね。申し遅れました。私の名前はソフィーネです。気軽にソフィーと呼んでください」
「僕はハルカ。ハルカ・カドミヤよろしく」
「珍しい名前ですね」
「異世界転生でこの世界に来たんだ」
「だからそんなに強いんですね!」
異世界転生のおかげで強いというわけだはないがそう言うことにしよう。
「そう言えば、ゴブリンキングの討伐報酬はどうしようか?」
「もちろん、全額あなたに譲ります。命を助けてもらったので当然です。むしろ、何かしてほしいことはありますか?」
「いや、ソフィーも、お金に困ってるんだよね?しかも、元は君が先に依頼を受けたから、半額じゃないかな?」
「いえいえそんな、」
「いいよ、いいよ。また明日お金を稼げばいいし」
「では、お言葉に甘えて」
「あと、敬語はやめてくれない?気軽にハルカって呼んでほしいな。あ、それがお礼ってことで」
「そんなことでいいんですか?分かりました。ハルカさん」
ソフィーは笑顔でそう答えた。やはり美しいな。
その後僕達はギルドに戻り、ゴブリンキングの討伐の報酬をもらう。この街のお金は、金貨だが、絵柄が違うと使えない。報酬は金貨二枚のため、二人で一枚ずつに分けた。
「これで十日は行けるなあ」
「ハルカさんはどこの宿屋で泊まるつもりですか?」
「まあ、一番安い宿屋だね」
「なら、この街で一番安い宿屋を案内します」
「ありがとう。あと、敬語は禁止ね」
「あ、ごめん。頑張るよ」
敬語だと話づらいからね
僕達は宿屋に行く。そこは内装は普通で、料理は美味しいらしい。
「いらっしゃい!二人部屋ですか?」
「いえ、一人部屋を二つお願いします」
宿屋の人は優しそうなおばちゃんだった。
一泊あたり、銀貨五枚だ。金貨一枚で二十泊できる。
「おや、エルフかい?珍しいね」
「そうなんですか?」
「私の宿屋では初めて来たよ。どうぞごゆっくり」
「ありがとうございます」
ソフィーがお礼を言う。
てっきり、差別されるのかと思った。一旦そんなことにならなくてよかった。
その後、自分の部屋に行き、荷物を置く。
夜ご飯は宿屋の人が作ってくれた。ご飯はとても美味しい。まるで母さんの味だ
こうして旅の1日目が終わった。あと約千日ほどあると考えると気が遠くなった。




