決戦
「そして、最後にだ、私と本気で戦ってくれ」
「え?」
「本当にお願いだ。君の実力を見たい」
「わかりました。アーヤ師匠は本気を出すんですか?」
「流石にそれはない。ただ、簡単には勝てないと思うよ」
アーヤ師匠の戦いを見たいし、いいだろう
「わかりました。受けて立ちます」
「ありがとう、私は木刀を使う。君の武器はなんでもいいよ」
アーヤ師匠は闇鞄から木刀を取り出す。
僕も闇鞄からいつも使っている、ゴブリンキングの剣を取り出す。
「これでいいですか?」
「いいよ、全然」
アーヤ師匠が構える。いつもとは違う雰囲気だ。そもそも、昨日から元気がなさそうな感じがする。
「では、いくよ!」
アーヤ師匠はいきなり濃霧を使う。視界が遮られる。それはアーヤ師匠も同じだ。
吹き飛ばしで濃霧ごと吹き飛ばす。だが、思っていたよりも断然深いため、全く晴れなかった。
後ろから、攻撃がくる。火の玉だ。それを難なく闇穴で吸収する。どうやら場所がさっきの吹き飛ばしでバレた。
僕は少しだけ移動をする。ここなら分からないだろう。だが、引き続き攻撃がくる。
なぜだ、音もなく移動したつもりなのに、まさか、敵感知か。
以前始まりのダンジョンでアーヤ師匠が敵感知のスキルを話していた。
なら、隠れていては意味はない。アーヤ師匠を探すしかない。
僕は走り回り、アーヤ師匠を探す。探すため、身体強化で耳を強化する。足音が微かだが、聞こえる。
僕はアーヤ師匠のいる方をみる。すると、近くで落雷の音がする。
「うわぁ!」
耳を強化していたため、耳が痛い。音が聞こえづらい気がする。
僕は自分の耳に初級回復魔法を使う。使っていると、後ろから気配を感じる。僕は急いで走る。アーヤ師匠が付いてくる。転移を使う。
「はぁ、はぁ危なかった」
ワープしてきた闇穴が光る。
咄嗟に避ける。アーヤ師匠が僕の使った闇穴に対して魔法を放ったんだろう。本当に強い。全く僕の攻撃が通用しない。
僕は一度転移で空中に行き、空中歩行を使い、空中に留まる。10メートルほどが霧の高さだろう。
上空から見下ろして、どこから攻撃が来るのかを見る。
すると、地面が動き、僕に向かってくる。土壁だ。僕を叩き落とそうとしてくる。
吹き飛ばしで自分ごと吹き飛ばす。
まだ、攻撃が追ってくる。転移で一旦地上に戻る。
何かあるか、どうすればいいか考えろ。多分見つけたとしても転移で逃げられる。やっぱり、霧が晴れるのを待った方がいいのか。
後ろからまた攻撃が飛んでくる。僕は急いで、攻撃が飛んできた方向に行く。だが、見つからない。
また飛んでくる。今度は四方向からだ。
多分、自分の魔法を転移で、場所を移している。だから、場所がバレない。
僕は飛んできた四方向に全て火の玉を撃つ。
アーヤ師匠なら使った闇穴をそのまま使わせてもらう。3時の方向から、少し音がする。
「そこか!」
今まで使っていた魔法の中で最も速くする意識をする。できる限り速くした火の玉を撃つ。
すると、当たった音がした。
「やった!」
後ろからアーヤ師匠が現れ、木刀を振り上げる。
だが、その攻撃は不発に終わった。
「お見通しですよ」
僕はアーヤ師匠が攻撃をする前に火の玉をアーヤ師匠に撃った。
「ふっ、おめでとう。君の勝ちだ」




