勧誘
川上が光の勇者であると言うことが世の中に今日初めて公表された。てっきりもう、光の勇者が異世界から召喚されたということは公表されていたのかと思っていた。
表彰式が終わった。闘技場から外に出ると、たくさんの人がいた。きっと光の勇者目的だろう。さっきの試合や、表彰式はテレビのような魔道具で一部始終放送されていたらしい。そのせいで、僕まで色々なことが聞かれた。どんなふうに強くなったのか、どれぐらい光の勇者が強かったのかなどなど、肝心の光の勇者はというと、城に帰って行ったらしい。僕の師匠のことを話すのはまた今度になりそうだ。
僕は疲れたため、アーヤ師匠達と家に帰る。
「いやー疲れましたね。色々聞かれた疲れました。一回自分の部屋で寝てきますよ」
「ちょっとまってハルカ、光の勇者ってあなたと同じ異世界から来たの?」
「うんそうだけど…」
「じゃあ、光の勇者と仲がいいの?」
「まあね、」
あっちの方から僕にしゃべりかけてくるのだから、客観的に見たら多分仲がいいのだろう。僕は今まで拒否してきたけど
「それがどうして?」
「私、光の勇者と戦ってみたいもの!」
わーお、さすがルージュさん。まあ、そう言うと思っていたけど。
「いやあ、できるかな?あっちは忙しそうだけど…」
「確かにそうね…」
ルージュが少しへこんだ。
「まあ、いつかは対戦できるかもね」
「そうよね!」
機嫌が治った。
「ではこれで…」
僕は自分の部屋に戻ろうとする。
「あと、光の勇者は、どんな人だったの?」
うわあ、質問が続いてるじゃん
「ええと、それはですね…」
それからずっと質問攻めだった。
「ハルカ君、お客さんが来てるよ」
アーヤ師匠が僕を手招きして呼ぶ。
「どうしたんですか?」
「いいから、来て」
「分かりました」
お客さん?誰だろう?
僕は玄関にいく。そこには、光の勇者の川上と、王女がいた。
「よお、またあったな。ハルカ」
「え、川上と、王女様?」
驚いた。まさか王女が来るなんて
僕は、王女を客室に行かせる。川上は、いらないらしく、勝手についてきたようだ。僕に会いたいらしい。川上は、せっかくだしというわけで、ルージュと中庭で模擬戦をしている。アーヤ師匠はその付き添いだ
「要件はなんでしょうか?」
僕は王女様に要件を聞く。今現在、二人でこの客室にいることになる。
「実はですね、あなたを勧誘しにきました」
は?意味がわからない。
「勧誘?どういうことですか?」
「あなたがこちらの想定よりも強かったので、この国の光の勇者のパーティに入らないですかという意味です。」
「光の勇者のパーティ?」
「つまり、あなたはあなたと同じクラスの人達と同じパーティに入らないですかということです」
つまり、元は僕を追い出したが、思っていたより強かったから、こちらに戻れというわけか。そっちがさきに追放したくせに。
「ですが、僕は前に一回あなたに追放されたのですよ?」
「その件は許しましょう」
は?この王女何様だ?
「いや、いいですよ。今の環境で十分に満足できていますし」
いまのままで十分だ。むしろ、王女のところには行きたくないし、アーヤ師匠に顔向けができない。
「もし入ってくれるのならば、最高の待遇をお約束しますよ」
「いえ、結構です」
丁重に断った。王女は黙る。二人だけの空間で地獄の空気だ。早くこの時間が終わってほしい。
「ならいいです。さよなら、話を聞いてくださり、ありがとうございました」
僕は一応玄関の方まで送る。玄関を出ると、騎士がおり、睨まれた。怖い。
「あと一つ光の勇者にできるだけ早く帰ってくださいと伝えてください」
「分かりました」
王女は、馬車に乗り、城まで帰る。川上とルージュの方へ行く。
ルージュの方はというと、川上が押されて、ピンチになっている。
「えいやっ」
ルージュが川上の持っている木刀を飛ばす。
「やったー。ありがとう光の勇者楽しかったわ」
「いえ、こちらこそありがとうございました」
ルージュが模擬戦を勝った。そりゃそうだ。ルージュの剣術はめちゃくちゃ強いのだから。
「あ、ハルカ。王女様との話はどうだった?」
「いや、世間話だったよ」
「ならよかった」
川上も起き上がってこっちに来る。
「話が終わったならやろうぜ模擬戦をやろうぜハルカ」
「結構です」
僕は今日で二回目の丁重なお断りをした。川上は、もう一戦ルージュとしたあと、城に帰っていった。やっぱり二戦目もルージュが勝った。




