武術大会2
僕は、闘技場に入る。たくさんの観戦者と、対戦相手が見える。緊張する。
「まずは、あの闇の勇者の弟子。カドミヤ ハルカ」
僕のことを紹介している。僕は一応、周りに手を振る。
「対して、ギルドの冒険者になってからたった一ヶ月でDランクになった、アイク・レオニス」
アイクも、周りに手を振る。イケメンで、人気もあるらしい。周りから、女子のキャーって声が聞こえる。
「よろしく。ハルカ君」
「こちらこそ」
僕達は同時に構える。
「レディ、ゴー」
僕は、アイクに近づいて、闘技場でもらった木刀で、叩く。
「グハァ」
アイクが吹き飛んだ。
あれ、先制で攻撃しようとしたら、そのまま倒れちゃった。おかげで、闘技場が静まって、アイクも驚いた顔で気絶している。
「し、勝者。カドミヤ ハルカ」
少しした後、周りから歓声が聞こえる。
まあ、Dランクなら、ハイゴブリンレベルだもんな。しかも、まだ冒険者になってから一ヶ月だもんな。しょうがない。
僕は待合室で次の番まで待つ。参加者は、観戦できないらしい。だから、次の相手が誰で、どんな強さなのかわからない。対戦者がわかるのは、闘技場に入る時だけだ。
「どうだった?ハルカ君」
アーヤ師匠が話しかけてくる。
「意外と弱くて、拍子抜けですよ」
「そうなのか、まあ強い人もいると思うよ」
「確かにそうですけど、このまま余裕で優勝したいですね」
「いや、君が戦うべき人がいると思うよ」
「誰ですか?ま、まさかルージュ?!」
「そんなわけないじゃないか。ルージュは、冒険者にな
ってから、四年ぐらい経ってるよ」
ルージュ、十一歳のときに冒険者になっていたのかよ。
「まあ、楽しみにしておきますよ。それより、ルージュは?」
「ルージュは、どんな強い人がいるのか見てみたいと言っていたから、観客席にいると思うよ」
「そうなんですか、大体何試合で、決勝なんですか?」
「たぶん、6試合したら、決勝だね。まあ、勝つごとに、待ち時間が減るから、体力の温存はしておくんだね」
「わかりました」
三時間後、
「カドミヤ ハルカ様、次はあなたの番です」
やっと呼ばれた。暇すぎて、魔法の特訓をしてたよ。
そのあと、すぐに、試合が終わった。圧勝だった。
何試合かしたあとで気づいたことだが、さっきのアイクってやつだけが、Dランクだった。そんなに強かったのか。観戦者にとって僕はダークホースだろう。
7試合目、決勝戦。
「カドミヤ ハルカ様、次はあなたの番です」
「はぁい」
今日、待合室で合計六時間ぐらい、座りっぱなしだった。もう、お尻が痛い。
僕は、闘技場に入る。僕の名前を呼ぶものも居れば、対戦相手らしき名前を呼ぶ人もいる。
対戦相手を見ると、僕と同じ、黒髪の少年がいる。黒髪の少年が僕を見て、驚いた顔をしている。
「無詠唱使いであり、まだまだ使える魔法がわからない。しかも、剣術も使える万能型の天才。闇の勇者の弟子、カドミヤ ハルカ」
お、決勝戦になったおかげで紹介が丁寧になってる。天才ってよばれるのは、気分が良い。
「対して、今までの対戦で、攻撃一つも受けずに、相手を圧勝した。剣術の天才。カワカミ ヒロト」
は?え?アーヤ師匠が言ってた、戦うべき相手って光の勇者の川上?!




