闇魔法
僕は剣の試合の後アーヤ師匠と一緒にいつも通り魔術の練習をしに平原へ行った。
「今から、まだ習ってない砂丘魔法をしようか。まだなんの魔法を習っていないかわかるか?」
「ええと、電気と、光と、闇ですか?」
「正解だ。」
どれも今から習うのか、全部強そうだから楽しみだな。
「まずは電気魔法の 電撃」
今までは、〜〜の精霊よ我が手の中にやどれが全部だったから、電気の精霊よ我が手の中にやどれ 電撃 じゃないか?
もしかすると、電気の精霊じゃなくて雷の精霊なのでは?
「雷の精霊よ我が手の中にやどれ 電撃 ではないですか?」
アーヤ師匠は驚いた顔を見せる。
「正解だ。なんでわかった?」
「だって、もし、電気の精霊よ我が手の中にやどれだったら簡単すぎるし、電気の精霊ってなんかおかしいじゃないですか。」
「なるほど、その発想はなかった。もしかして、先に魔法の本を見たかい?」
「見てませんよ。だって絶対に見るなって言われたんですから。」
「ならいい。取り敢えず、電撃を撃ってみようか。」
「はい。」
僕はそう言い、詠唱を始める。
「雷の精霊よ我が手の中にやどれ 電撃 」
電撃を撃つと、一瞬だけだが、手の中が光り、細い電撃が手から狙った場所に出た。流石は雷。
「速かったですね。一瞬でしたけど、見えましたよ。この技ならルージュにも当てられるのでは?」
「いや、本気を出したルージュには初級魔法程度しかでは当たらないし、当たったとしても擦り傷すらできないよ。」
ルージュすげー。こんな早い魔法も避けられるのかよ。
「あと、この魔法は、できるだけ使わないでね。」
「なんでですか?」
「この魔法は、速いけど、細いからね、当てるのが難しいんだよ、ま、君には関係ないか。一番の問題点は、魔力消費がとても大きいことだね。君の魔力じゃ、2、3発が限界だよ。でも、当てたら、大抵の相手は、痺れてしばらくは動けないよ。」
つまり、奥の手ってわけか。
「じゃあ、オークには効くんですか?」
「効くとおもうよ。もしかして、君、オークにリベンジしたいのかい?」
「はい、そうです、負けたままでは終わりたくないので。」
「いいとおもうけど、1人では狩ろうとするなよ?またあんなことになるからな。」
「わかってますよ。」
今度、剣術が上達したら、ルージュと一緒に倒しに行こ。もちろんルージュは僕が死にそうになった時だけ戦うことになるとおもうけど。
「次は、光魔法の 閃光 この魔法は、魔物に対しては、目を抑えてもがくほどの強さがあるよ。でも、人間に対しては、眩しいだけだから注意してね。まあ、そもそも光魔法のほぼ全部が魔物を殺す為だけに作られたからね。」
じゃあ、光の勇者の川上は、魔物を倒すにの特化しているのか。
「じゃあ詠唱してみよう。詠唱は、いつも通りだよ。」
「やってみます。」
「光の精霊よ我が手の中にやどれ 閃光 」
そうして、たまたま目の前に来たスライムに対して撃った。僕の手の中が光った。ただ眩しかっただけだ。
「あの、これほんとに魔物に効くんですか?」
「まあ、スライムは目がないしね、ゴブリンに対してなら、効くかとおもうよ。」
こんな懐中電灯ぐらいの光で、魔物に効くのかと、疑問に思った。
「さあ、次は、闇魔法だ。」
アーヤ師匠は嬉しそうにそう言った。自分の得意な魔法だからだろうか?まあ僕も自分の得意な魔法を使えるから気持ちはわかるけど。
「すみません。アーヤ師匠。」
「なんだい?ハルカ君。」
「僕は、闇魔法が得意らしいですけど、得意だったら何があるんですか?」
「それはね、燃費と強さが約1.5倍くらい良くなるんだよ」
それはすごい。ゲームでも攻撃力が1.5倍になるバフは結構強いし、燃費も良くなるとか、最高じゃん。
「それはすごいですね。アーヤ師匠の得意な魔法はなんですか?」
「私は確か、闇以外が得意だよ。」
なんでアーヤ師匠は闇の勇者なんだよ。闇以外でも絶対に勇者になれるって。
「なんでアーヤ師匠は闇の勇者になったんですか?」
「闇以外勇者は全員いたからね。」
この人しゃあなしで勇者になったのか、理由がおかし過ぎる。
「私の話は、終わりとして、闇魔法の 闇穴 を教えよう。」
闇穴か、ブラックホールと似ているな、てことは、穴に魔物を落とすのかな?
「ブラックホールはあるんですか?」
「あるよ、闇の極級魔法だよ、敵を強制的に闇穴に引き摺り込む魔法で、闇穴の千倍ぐらい範囲が広くなるよ、君の魔力だけじゃ一生撃てっこないよ。」
さらっと酷いこと言ったな、自分の弟子に対して。この時僕は何があっても撃つところをアーヤ師匠にみせると思った。
「だから、そろそろ撃とうよ。ハルカ君は、話を逸らしすぎだよ。」
「すみません、まだ異世界に来てから3日目なんですよ。気になるのも当然じゃないですか。」
「確かに、じゃなくて、さっさと撃ってよ。」
「はい。」
そろそろ嫌な予感がしたのでやめた。
「いきます。闇の精霊よ我が手の中にやどれ 闇穴」
そう言うと目の前に闇の穴ができてきた。名前通りだ。そして、徐々に広がる。
え、待ってこっちまできてるくね?
こちらまで広がってきた。
「うわぁぁぁぁ」
間一髪で闇穴の中に落ちることはなかった。にしても下級魔法でからってデカすぎだろ、ブラックホールの大きさはどうなるんだよ。
「なんでそんなに焦っていたんだ?」
「だって闇穴に落ちそうになりそうだったじゃないですか。」
「使ってら人は本人の意思がない限り、落ちないよ。」
「落ちそうだからって叫んで走ったことはルージュに言わないでくださいよ?」
「えぇどうしようかなぁ?」
「ほんとにやめてくださいよ。」
僕はその後、今習った下級魔法を全部練習なしで習得した。アーヤ師匠は少し不機嫌になった。やっぱり弟子に負けるのは悔しいか。
「いやーでもアーヤ師匠は、僕よりも何倍も魔力を持っていてすごいですね。僕なんかもう魔力がつきそうですよ。」
そう言うとアーヤ師匠は機嫌をなおした。やはりちょろい。でも僕の魔力、6回魔法撃つだけで切れるってどんだけ少ないんだろう。せめて中級魔術は打ちたいな。
そんなことを考えながらアーヤ師匠と一緒に家に帰った。今日からの夜ご飯は、オークの肉だった。まさかアーヤ師匠ってオークの肉料理しか料理できない?
僕は明日の夜ご飯がまたオークの肉料理になるか不安だった。




