16/20
第16話 義妹の花嫁行列
王都へ戻ると、街はミレイアの祝宴一色だった。
白金の馬車、花びらを撒く侍女、道沿いに並ぶ招待客。ミレイアは未亡人の宝飾を喉元で光らせ、私を見つけるなり優雅に微笑んだ。
「姉さま、来てくださったのね。やっぱり約束を守る人って便利だわ」
「その首飾り、誰のものか知ってる?」
私が問うと、彼女の笑みが一瞬だけ揺れた。フェリクスがすぐ間へ入る。
「祝いの日に無粋だ」
「では、祝いの場で正しましょう」
私は監査府と王宮誓約局の立会通知を掲げた。ざわめきが広がる。祝宴会場へ入る前に、持参金宝飾と婚礼印の確認が行われると知らされ、ミレイアの指先が震えた。
「姉さま、まさか本気で」
「本気です。あなたが遊びで奪ったその印で、冬を越せなかった人がいる」
花嫁行列は、そこで初めて止まった。




