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神の下僕は世界を救いたい  作者: D沖信


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首都へ向かう

物資輸送の仕事も終えたアキトは疲れた顔をしつつストレイト隊長と話し合いをする。


「首都の方の仕事も受けたいんだが一筆頼めますか?」


「首都ホーベムに行きたいのか?いいだろう。将校たちにくれぐれも粗相のないようにな」


用事があるのは将校よりも政治面の連中なんだがまだ接触するには早いと考えてアキトは小さく溜め息を漏らす。


「何か杞憂な事が?」


「いえ、こちらの都合の話なので…首都までは…」


アキトはチラッと地図を確認してルートを考え出す。


「馬車をソロで雇うといい」


「確かにその方が確実だな」


道中の山賊などは考慮しないなら馬車を使う方が道に迷わなくて済むとアキトは一筆貰って一度都市ソロまで戻る事にする。


悠々とソロまで戻り山賊から巻き上げた物資を雑貨屋に売っ払い資金を確保し馬車を雇いに厩舎を訪ねる。

丁度手の空いている馬車があってホーベムまで乗せていって貰うように御者と交渉する。

御者は情勢が不安定な事を心配するがもしもの時は自分がどうにかするとアキトは語り馬車を動かす事に成功する。


「旦那しっかり守ってくださいよ?」


「ああ任せておけ」


ソロを発(た)って数時間、何事もなく馬車は進んでいた。小さな集落を通り過ぎて山間部の細い石畳の街道に通り掛かる。

視線と殺気を感じ取りアキトは刀の柄に手を当てて敵の登場を待つが物資がほとんどないと傍から見てもわかる馬車の荷車で襲う価値は少なく山賊も手を出してこなかった。


「気配はしたが…来ないな」


「物資積んでませんからね」


しかし倒さねばいずれは商人が狙われるのであってそれはそれで後味が悪いとアキトは残念がるのであった。

流石に一日では到着せず次の村で休息を取る。


「旦那は何のためにホーベムまで?」


「何でって言われると…色々と文句言ってやりたい事があってな」


「そんな事のために色々と仕事してるんですか?旦那も苦労人ですね」


そんな事と言われるが自分の本業に支障を来たす事だから仕方なく注意をしなくてはならないと口にはしないが考えるのであった。


翌日、早朝から移動を再開してゴトゴトと石畳を叩きながら街道を進む。

警戒を続けるアキトはあちこちから感じる視線に溜め息が漏れる。


「っち、気配があちこちに…どんだけ賊がいるんだよ…」


「情勢が不安定ですからね…まともに職に就けずに賊になるものが続出しちゃってねぇ…」


「賊のレッドオーシャンだなんて最低だな」


襲ってこないことにはこちらも手は出せないと歯痒い思いをしながら馬車は進んでいく。御者は余裕な状況に鼻歌混じりに手綱を握る。


「でも襲われないから余裕ですな」


「金目の物乗せてないからな…襲う価値無し」


アキトのキッパリとした言葉に御者はから笑いするのであった。


更にしばらくして丘を登り城壁が見えてくる。


「見えてきましたぜ。ホーベムです」


「結局賊には襲われなかったな」


「あはは、そんなに貧乏に見えましたかね?」


アキトも貧乏仲間として扱われて苦笑いしてしまう。


「取り敢えず後ちょっと、よろしく頼むぞ」


ホーベムの門番に挨拶する御者、アキトも手紙を持ってきたと話して入城を許可される。

厩舎に到着しアキトは御者に金額を支払い別れる。


「まいど、帰りも乗ってきます?」


「賊討伐の仕事を多分受けるから多分すぐには帰らないと思う…」


「そ、そうですか。お気を付けて…」


仕事の内容に御者は険しい顔をして同情してくる。アキトは心配は不要だと笑って厩舎を出ていくのであった。


アキトはストレイトからの書簡を手に将軍の元へ向かう。


「最前線基地から遥々ご苦労、私が将軍のスライダーである」


スライダー将軍はアキトから書簡を受け取り目を通すと「やはりか」と溜め息混じりに内容を確認し終えて地図を取り出す。


「我々も頻発する賊への対処に追われていてな…反乱軍のゲリラ作戦の一環であると考えてはいた」


「ですよね、討伐手伝いますよ」


「ふむ、心強いな。ある程度拠点の検討は付いている。手伝ってくれ」


アキトは地図に印のついた地点が何か確認する。


「廃砦、洞窟、要塞だったりだ」


また面倒な場所だなと思いつつアキトは近場を幾つか回る事にする。


「ギフト持ちについては…?」


「不明だ、行くなら用心してくれ」


アキトは溜め息混じりに近場の廃砦へと向かう事にするのであった。


取り敢えずで動いたアキトは街道から少し外れた山沿いの廃砦にやってくる。

早速一人でやってきたアキトに対してワラワラと山賊が現れて寄ってくる。


「一人で来るべきじゃ無かったな!」


集まってくる賊をアキトはバッサリと切り捨てる。アキトの修羅に怖じ気付くが逃げ場のない山賊は破れかぶれで攻めてくる。

更に大将が奥からわざわざやって来てくれて大斧を持ち出してアキトと対面する。アキトは怪訝な顔をしながら質問する。


「あんたギフト持ちか?」


「あ?んな貴重なもん持ってねぇよ!」


貴重なものなのかとアキトは一瞬考え込みその隙を突いて攻撃を仕掛けてくる大将だったがサクッとカウンターで仕留められて廃砦の山賊は崩壊するのであった。

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