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神の下僕は世界を救いたい  作者: D沖信


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山道確保

ストレイトからの仕事の依頼で北の前線基地近くの山道に出現する山賊の調査と退治をアキトは行う事になる。


「根城は不明、ということは調査含めて…か」


愚痴りながら山道に入るアキト。旅人を装い石畳の敷かれた街道をのんびり周囲を観察しながら歩いていると正面から荒くれ者衣装の山賊三人が向かってくる。

山賊達はアキトと目が合うと武器を手に取り脅しを掛けてくる。


「ここを通りたければ金を出しな。無けりゃ金目の物を置いてきな」


「抵抗するなよ?痛い目見たいか?」


月並みな台詞にアキトはやれやれと思いつつポケットから金貨を三枚取り出す。


「全く…一人一枚だぞ?」


「ふ、ふざけてるのか!?テメェ!やっちまえ!」


山賊達は武器を振り上げてアキトを威嚇するが動じないアキトに痺れを切らして襲い掛かってくる。

アキトはひらりと攻撃を躱して刀を抜く。


(殺したら敵の拠点が分からなくなるな…痛めつけて追うか)


三人の内一人を生かして逃がせばなんとかなるだろうと予想を立ててアキトは軽くバッサリと切り捨てる。


「ヒィ!強え!」


「まだやるか?」


「くっ、クソが!」


アキトのニヤリとした顔を見て山賊は引け腰になって悪態を付きながら逃げ出すのであった。想定通りの展開にアキトはゆっくりと後をつけるのだった。


山賊が一つの洞窟に逃げ込むのを遠くから確認してアキトは潜入を試みることにする。


(分かりやすくて助かるね)


こっからが仕事だと気合を入れて潜入を開始する。

洞窟の中に入ると早速怒号が聞こえてくる。


「バカヤロー!返り討ちにあっただと?!逃げ帰ってくるんじゃねぇ!」


「で、でもアニキ、パパパっとやられちまったもんでつい…」


「なんでテメェは生かされたか考えたか?!後付けられてねぇだろうな?!」


アキトは察しのいい山賊の兄貴分に同情しながら身を隠して話を聞き続ける。


「そ、それは大丈夫ッスよ!」


「…信用ならねぇな。クソがお前のせいで仕事が増えたぜ」


兄貴分は他の山賊達に声をかけて入口の様子を探る事にしてじわじわとアキトの方へ歩み寄ってくる。

隠れる理由もなくなりアキトは仕方なく姿を見せると山賊達は悪態を付きながら武器を振りかざす。


「クソッ、やっぱりな!」


戦いが始まりアキト一人に対して山賊は囲んで叩こうとしてくる。それらをアキトはヒョイヒョイっと攻撃を避けてカウンターの一撃で山賊達を仕留めていく。


「やるじゃねえか、コイツならどうだ!」


兄貴分は雷の魔法攻撃を放ってアキトを攻撃する。

ビリビリとアキトを攻撃するがアキトは平然として威力の低さを指摘する。


「ちょっとピリッとする程度だな。防ぐまでもないな」


「な、何だとっ!?」


ならばと火弾を放ってくる。アキトに命中して玉は弾ける。やっぱりダメージは軽微でアキトはゆっくりと刀を構える。


「鍛錬不足だな」


を「おのれ!」


武器手にして属性付与して殴りかかってくる。


「おっと、危ねぇ」


物理攻撃は流石に危ないと避けてカウンターを放つ。

兄貴分は一撃は何とか耐えるが追撃までは耐えられず地に伏す。

アキトは洞窟の奥の隅々まで確認し生き残りが居ないかチェックしつつお宝の確認をする。


「金目の物は…そんなに無いな」


ちょっぴりだけな報酬にアキトは肩を落としつつ最深部へとやってくる。頭領が待ち構えていると思っていたアキトだったがそこにあったのは遺跡のような構造物で面食らう。


「ありゃ?なんだこりゃ」


石碑など歴史的価値のありそうなものはあるが金目の物はやっぱり無くてガッカリしてしまう。


「兄貴分が頭領だったのかな?取り敢えず報告に戻るか…」


ーーーーー


ストレイト隊長に山賊退治の報告を行うと大いに喜ばれる。


「近場の村との間だったもんでな、居なくなってくれて安心だ」


遺跡の話をするが戦時中で調査等は後回しだと言われてしまいそりゃそうだとアキトも頷いてしまう。


「さてと、実は君にはやってもらいたいことがもう一つあってね?」


「マジっすか…何を?」


ストレイトは地図を指さして近くの街へこの手紙を送り届けて欲しいと言われる。


「手紙ですか?」


「簡単な仕事だろう?それで手紙の依頼の品の物資の輸送までしてもらいたい」


手の空いている兵士が居ないからと言われてアキトは仕方ないなと仕事を承る。


近場の街までやってきたアキトは早速村長宅を訪れ手紙を差し出す。

村長は渋い顔をしつつ内容を確認し仕方なさそうに受け入れる。


「ふむ、仕方ない荷車を用意しよう。明日の朝また来てくれ」


荷車と聞いてアキトは嫌な予感を感じつつ話を進める。準備に一日掛かると言われてアキトは一泊する。


翌朝、嫌な予感は的中しアキト一人で矢束と食料と酒樽を積んだ荷車を引いて帰ることとなる。


「マジか…こりゃ重そうだぞ…」


重そうではなく重かった。アキトは溜め息を何度も付きながら山賊を討伐した山道を登るのであった。


「ってか酒樽は要らないだろ!酒盛りしてんじゃねぇよ!」


荷物の事情にツッコミを入れつつ半日掛けて前線基地まで運び込むのであった。

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