北へ赴く
アキトが山賊退治を終えてファウルへ色々と得た情報を共有する。
「反乱軍が山賊に協力を?…なるほどな、そこかしこで賊が湧いているのはそういうカラクリがあったか」
「まぁ各地で起きているなら予想つくかな」
アキトは納得して今後も賊の処理をするのかと尋ねるとファウルは首を横に振る。
「今はいい、近場の賊の根城の位置も把握する必要あるしな…」
現状山賊達への対処は難しいと言われてアキトは仕方なさそうに次の仕事を求める。
ファウルはアキトのやる気の高さに感銘を受けるが取り敢えず今は大丈夫と答えられる。
「前線基地から反乱軍の動きを監視しているが動きは特に無い。そうだな報告書をソロの街まで持ち帰ってくれ」
ソロの街、アキトが訪れていた街の名前らしい。アキトは簡単な仕事だと報告書を受け取り持ち帰る事にするのであった。
数刻掛けてソロの街に戻ってきたアキトは報告書を上官へ届ける。
「ご苦労、近辺の賊の処理もしたらしいな。悪くない戦果だ」
内容を確認した上官はアキトを称賛し次の仕事を寄越してくる。
「旅人としての素質を見込んで他の前線基地へ行ってほしい。そこでストレイト隊長の元へ報告書を届けてくれ。そこでも小規模な賊騒ぎが起こっているはずだ」
「それを退治すればいいんだな?」
「ああ、ギフト持ちがいるかもしれない。気をつけてくれ」
書簡を渡され付近の地図を指し示してそこへ行くように指令が出される。アキトは頷いて指示に従い街で食料等の準備をしてから北部の前線基地へとソロの街を出発するのであった。
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街を出て街道を北上する。川沿いに街道を進んでいると商隊と出会う。
「旅人かな?何か買ってくかい?」
アキトは食べ物は持っているが何か情報貰えるかもしれないと雑談する為に商品を眺める。
「干し芋なんてどうだい?北部の物だから美味いぞ」
「一個貰おうか、北部から来たのか?賊は大丈夫だったのか?」
「今回は遭遇しなかったな。北部もおっかなくなっちまってなぁ…逃げるようにコッチに来た訳だが」
どうやら山賊は多そうだとアキトは情報に感謝しながら干し芋を早速食べる。
「北部に行くのかい?気をつけな?山賊は旅人にだって容赦ねぇからな」
「ありがとう。心配ないさ、俺強いから」
アキトはそう微笑んで商隊と別れて更に北へと進む。暫く進んでいると疲弊した様子の男が草葉の陰に身を隠しているのを見つける。
「お、おいアンタ…」
「俺がどうかしたか?」
「助けてくれ、俺は賊に襲われてキャラバンからはぐれちまって…」
困り事のようでアキトは冷たくあしらう事も出来たが賊と聞いて眉をひそめる。
「近くに合流地点があるんだが護衛をお願いできるか?報酬は出すよ」
「困った時はお互い様だな。仕方ないな」
アキトは男を心配して仕方なく護衛を請け負うことにする。男は立ち上がり感謝してアキトを先導するように駆け足に近くの丘まで進んでいく。アキトも周囲警戒しながらそれを追う。
「もっとコソコソした方がよくないか?見つかるぞ?」
「キャラバンが心配だ、急いでくれ」
ワガママだなとアキトは思いつつ男を追い続ける。
丘の上に到着すると男はアキトに待つように伝える。
「報酬を取ってくる。待っててくれ」
「…ああ」
アキトは嫌な気配に怪訝な顔をして男を見送る。すぐにヒュンと矢が飛んできてアキトは身体を逸らして回避する。
「…狡い罠だな」
どうやら男は賊の仲間だったようでアキトを誘い込む為に一芝居打ったそうであった。
「騙して悪いがこれも商売だ」
「旅人一人相手にそこまでするか?普通」
アキトは呆れつつも刀を抜く。山賊達はアキトを既に囲んでいて逃げ場は無いぞと迫ってくるがアキトは逃げる気も降伏する気も無いと戦う意思を示す。
「馬鹿な奴め!」
弓による一斉射撃アキトは氷の壁を作り防御する。
「コイツ!ギフト持ちか!」
「ギフト?ただの精霊術だぜ?」
氷雨を呼び出して周囲に冷気を振り撒く。
「怯むな、やっちまえ!」
男の指示に武器を手にしてアキトを叩き潰しに掛かる賊達にアキトは的確にカウンターを打ち込み撃破していく。
「つ、つええ!」
カウンターで仕留めきれなかった賊達はアキトに恐れ慄き引け腰になる。
「賊退治も仕事の内に入ってるんだ。逃がしゃしねぇぞ」
アキトは素早く氷柱を放ち次々と山賊を仕留めていく。
最後にはアキトを誘い込んだ男だけが残される。
「ひ、ひぃ!」
「相手が悪かったな」
男が命乞いするよりも先に斬撃波を浴びせて倒してしまう。
「送り届けたら報酬って言ってたな…ま、今回は勉強代として…いや、ちょっと漁ってくか」
山賊キャンプを漁ってから目的地へ向かう事にするアキトであった。
アキトは北上を続けて前線基地までやってきてストレイト隊長と面会する。
「それじゃあ書状渡しましたからね?」
「感謝する。では早速拝見…ふむ、近辺の賊退治を優先か…」
アキトは嫌な予感を覚えつつ次の仕事の話をする。
「うむ、では早速その賊退治をしてもらおうかな」
ですよねとアキトは諦めた顔をして受け入れるのであった。




