傭兵となる
宿に泊まったアキトは部屋に入りホッと一息つく。
(さて、入り込んだはいいもののどうやって上に近づくかな…)
ただの旅人が権力者に会って話をするなどとは簡単にいかない。何かしらの大事を成さねばならないと考える。
(うーん、何かデカい仕事するか大事件が起きるか…そうしなきゃ近づくにせよなんにせよ無理な話だな)
首を横に振って流石に何か起きるなんて都合良すぎるなと笑う。
(じゃあ起こすしか無いか)
アキトは早速何か出来ることが無いか探ってみる事にするのであった。
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街の現状把握として色々と調査がてらに仕事を請け負う事にしたアキト、相変わらず衛兵に睨まれて過ごしながら街の人々の困り事を聞いて回る。
収穫が無い中で痺れを切らした衛兵に呼び止められる。
「貴様長く滞在する気か?一泊したのなら次の街にさっさと行け」
「あ、ちょっと待って下さいよ」
「何を待てと言うのだ」
アキトは衛兵につまみ出されそうになって慌てて何か言い訳をしなければと適当な嘘をつこうとする。しかし衛兵はアキトの反論を待たずに脅しを掛けてくる。
「今は街は厳戒態勢、人を入れること自体が異例なのだ。言う事を聞かないのであれば牢獄に入ってもらうぞ?旅人」
「それって罪人になる…って事?何の罪で!?」
「罪など何でもいい、さっさと出ていけ」
ここで出ていったら二度と入れないだろうとアキトはなんとか滞在の許可を貰いたくて頭を何度も下げる。
「無理なものは無理だ!厳戒態勢だと言っただろう」
「…なんで厳戒態勢なんだ?解決出来ることなら手伝うぞ」
「貴様がか?笑えるな!内戦に口出し無用である」
戦争中で面倒事が差し迫っている事を示唆されてアキトはふむふむと頷き冷静に正論をかます。
「なら内に入った俺を邪険に扱わない方がよくないか?いつ敵勢力に付くか分からないだろ?」
「脅しか!?貴様、やはり牢獄に入りたいようだな!」
喧嘩っ早い衛兵にアキトはやれやれと溜め息をついて追い出されるよりはマシかと牢屋へ招待されるのであった。
ーーーーー
薄暗くジメジメした牢獄、そこに連れてこられて牢屋に入れられる。
「そこで大人しくしていろ!」
「全く、俺は何の罪に問われるんだい?」
アキトはヘラヘラとするが冗談の通じない衛兵に叱られる。
「黙ってろ!武器は預かっておくからな」
刀二本取り上げられて牢屋で大人しくしていること数十分、アキトの前に高官と思われる身なりの良い男が現れる。
「君が昨日から仕事探ししている旅人か」
「ええ、まぁ、はい」
ジッと睨まれ品定めするように見られてアキトは若干の困惑する。そんな中で高官はアキトに質問をする。
「君は強いのか?」
「え?はい、強いですよ?」
「遠慮とかないんだな」
アキトのキッパリと言い切る姿に高官は質問を続ける。
「戦争に参加出来ると言ったそうだな?」
「ああ、頼まれればやってもいい」
上から目線だが自信はあるとアキトは伝える。
高官はアキトを試すと言って牢屋から出して訓練場まで連れて行く。
木剣を渡されてフルプレートの騎士と一騎打ちをやらされる。
「おいおい、相手はフルアーマーかよ」
「なんだ?怖じ気付いたか?」
騎士から挑発されてアキトはヘラヘラと笑って問題無いと構えを取る。相手も木剣を構えて一戦始まる。
最初は軽く木剣をぶつけ合う、アキトが力勝ちして軽く押す形になって騎士は「ムッ」と驚きの声を漏らす。
「ほいほいっと」
「ぐぬ、ぬ」
余裕のあったはずの騎士が後ろにジリジリと下がっていき高官達は「おお」とアキトの実力に目を丸くする。
アキトは技を決める為にガツンと相手の武器を弾いて居合いの構えを取る。
「仕留める、ぜっ…」
「そこまで!」
アキトが絶空を放つ前に静止が入りアキトはやれやれと手を止める。
「合格か?」
「ああ、君は強い。それは認めよう。そこで提案だ」
高官はアキトを認めて傭兵として雇う事を提案してくる。
「傭兵か、悪くないな…」
まずは刀を返してもらいアキトはホッとする。
「では早速仕事を請け負って欲しい」
高官は早速傭兵としてのアキトに指示を出す。内容は単純で前線まで物資の輸送の護衛を依頼される。
(前線まで…か。ついでに前線で戦えって事かな)
アキトは力強く頷いて早速出発する事とする。街の入口に兵が荷車を用意していてそれの護衛をする事になるのであった。
口数の少ない兵士達をアキトは雑談して鼓舞することにする。
「前線の面々はどんな様子だろうな?」
「はぁ…前線は敵勢力とまだぶつかり合ってないようだから…ピリピリしてるだろうな」
アキトは戦いを前にしてやっぱり自分が出ないとならなそうだとニヤリとする。
暫く歩いていると物資を狙って山賊が襲い掛かってくる。
「ヒャッハー!荷物置いてけー!」
「ちょっと治安悪すぎじゃないか?やれやれ…」
アキトは仕事だと刀を抜いて山賊退治を始める。
オラオラとアキトは山賊をボッコボコにして被害ゼロで圧倒的な実力を見せつける。
「へへ、どんなもんだ」
こうしてアキト達は前線まで物資を送り届ける事に成功するのであった。




