アベンジを誓って
『これ大丈夫ですか?…はい、はい、分かりました』
何やらマイク入れたまま何やら話し合いをしているようで話に決着がついたようで問題なしと決まったようだった。
『皆さんの健闘を讃えてあげましょう!』
一斉に武器を空に浮かぶ円盤に向ける武士達。
「落とせ」
一斉に弓矢を放ち円盤を攻撃したが矢はバリアに阻まれて命中しなかった。
『落ち着いてくださいね。ゲームは終わりです皆さんの勝ち』
挑発しているのかと武士達はまた弓を構える。アキトも奴らを逃がす訳にはいかないと武器を構える。
「アキトさん!?」
翔はアキトの姿勢に驚き戸惑う。
「異世界に迷惑掛けてくれる連中を逃がす訳にはいかないな」
『これは面倒事になりそうですね…お相手してられませんね』
UFOは戦うことをやめて高速で飛び去ってしまうのであった。
「クソッ逃げられたぞ!追え!」
武士達は無茶な事を言うが国土を守る為に今以上に地方を固める必要があるなと理解するのであった。
アキトは敵に逃げられた事に舌打ちしつつ侵略的な異世界の脅威をしっかりと認識し苦々しい顔をするのであった。
ーーーーー
騒動の後片付けを水原と平良両家を中心に治める。
翔達は先に武家屋敷に戻り今後の話をする。
「さて、どうします?異世界の敵ですけど」
「元から叩かないとどうせ次の世界に移動している…俺達に出来ることはもうないかもな」
アキトがぼんやりとした様子で外を眺めて溜め息をつく。黒鴉は敵について心当たりあるのかとアキトに迫る。
「何か思い当たる事でも?」
「いや、知らねぇな。知ってたら少しはお喋りしてるよ」
「確かに、アンタならそうするか…」
メンバーに重苦しい空気が流れて翔が最初に口を開く。
「取り敢えず神鳴に現状確認しよう。色々と調査もさせてたし…」
「ハリスの件な…やれやれ、やらなきゃいけない事が増えててんてこ舞いだよ」
アキトは指を鳴らして旅行鞄を呼び出して神鳴と通信しようとする。すると神鳴は鞄から飛び出してきてハリスは手品かと目を疑う。
「神鳴、調査してた次の世界は…」
「そっちの優男の世界ね?調査済みよ。まったく異世界渡りの技術を何処で得たのかしらね…アキト、咎めに行って頂戴」
「ああ、わかった。それで次の救世の旅なんだが…」
神鳴は翔を見て「まだ無理そうね」と呟く。
「無理そうって何だよ?」
黒鴉は翔を指差し未熟なのだとゲラゲラ笑う。翔は不服そうにするがアキトと比べたらまだまだだと少し気を落とし玉藻前に励まされる。
黒鴉は神鳴に確認のつもりで少し威圧的に質問をする。
「取り敢えず皆帰るとして、ハリスと今回の敵の扱い、どうするのよ?」
「どうするって…そっちの優男はどうしたいのよ?」
ハリスは「えっ」と驚きつつ元の世界に戻りたいか確認されて考え込んでしまう。
「自分は…その、未練があるかと言われるとそれはあるけれど…戻った所で居場所はない…」
「そう、無理に案内をさせるつもりはないわ」
ハリスは複雑な表情をして俯くのだった。
取り敢えず方針は決まったとして帰り支度を始める事にする翔達。
ハリスに四ノ宮を託して去ることになるのは心苦しいがとアキトは苦笑いしながら話し侍を辞める意向を告げに行くのだった。
頼永、頼嗣共にその意向を聞いて残念そうにする。
「随分と働いて貰ったからな…今回の騒動も世話になってしまったな」
「本当に都を置いて旅に出てしまうのか?」
アキトは深々と頭を下げて抜ける迷惑を謝罪する。頼永は笑って出奔する事を許す。頼嗣は仕事の心配をする。
「ですが父上、仕事が…」
「一応ハリスが残りますので…」
アキトが説明するとハリスには今までアキトがやってきた仕事は荷が重いだろうと頼永はゲラゲラ笑うのであった。
「ともかくだ。穴埋めは考えねばな」
アキトはもう一度礼をして屋敷を後にする。
他にも挨拶したい人はいるが後処理で忙しそうだし今回は黙って消えるかと一瞬だけ都の中心を見てから武家屋敷に戻る。
「おい、東雲!」
ぶっきらぼうに呼び止められてアキトは振り返ると為義がニヤニヤした顔をして立っていた。
「お前さんはどうするつもりだ?あの空飛ぶのを追い掛けるのか?」
「アレとのケリもつける。が先にやることがある。この世界ともおさらばさ」
「…俺は世界がどうとか分からねえがガツンと俺達の分も噛まして来てくれよ?」
自分達ではどうにもならないと分かっているからこそアキトに後を頼むように頭を下げてくる。
「…わかってるさ。他の世界に迷惑掛けるようなヤカラは必ず成敗する」
「へっ、カッコいいことだけは言いやがる。死ぬなよ?」
為義は去っていきアキトは約束しちゃったと頬を掻いて武家屋敷に戻るのであった。
挨拶回りも終わり翔達が元の世界に帰る事になりハリスは軽く一礼して後は任せてくれと話す。
「全く、お前の世界を叱りに行くんだ。宜しくお願いします。だろ?」
「は、はい。宜しくお願いしますぅ…」
こうして平安な世界から一同は帰還するのであった。




