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神の下僕は世界を救いたい  作者: D沖信


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曇天童子

アキトにボコボコにされた茶虎童子に廃砦の案内をさせて先に進む一行の前に妖魔の群れが現れて翔達は戦闘を行う。


「お強いですねー旦那ぁ」


茶虎童子がゴマすりするように媚びたセリフを吐く。


「当たり前だ。あんたらの頭を取りに来たんだからな」


アキトの言葉に借りてきた猫のように大人しくしている茶虎童子。翔がふと情報を聞き出そうと曇天童子について質問する。


「大将の曇天童子ってどんな鬼なんだ?」


「た、大将の情報は売れねぇ…」


「義理堅いんだな」


どちらかというと恐怖の表情を見せている茶虎童子であった。


ーーーーー


廃砦に入るとどんちゃん騒ぎをする音が聞こえてきて茶虎童子はぷるぷると震えながら意を決したように先導をやめて走る。


「ど、曇天様!敵襲です!」


体躯は2メートル程の筋骨隆々とした着物を半脱ぎで着こなす灰色の鬼が杯に注がれた酒をガブガブ飲んでいた。


「あ?!テメェらが対処する内容だろうが!」


楽しく酒を飲んでいた所を邪魔されて曇天童子は乱暴に杯を投げ捨てて立ち上がる。

踊りを踊っていた鬼、音楽を奏でていた鬼、はべらされていた鬼女がピタッと止まって曇天童子の次の一挙手一投足を窺っていた。


「茶虎ぁ、どういう事だぁ?」


「ぜ、全滅です…」


「まだお前が生きてるじゃねぇか」


脅すような勢いに茶虎童子は過呼吸になる。その奥から翔達がやって来てアキトが優しめに茶虎童子を押し退ける。


「お前が曇天童子か?名前通り鉛色してるな」


アキトが前に出ていきなり挑発するように指を指す。


「チィ、ふざけた野郎共だ…舐めてるな?」


宴会は中止だと曇天童子は会場にいた鬼達に合図を送る。いそいそと鬼達は奥へと逃げていき曇天童子は四人まとめて掛かってこいとポーズを取る。


「いいのか?俺達強いぞ?」


「関係無え…纏めて(みなごろし)にしてやらァ!」


四人は武器を手にして展開する。曇天童子は刀剣等と鼻で笑って拳を振りかざし一番弱そうな玉藻前に突進する。


「直球勝負かい!」


玉藻前は狐火で牽制しながら回避行動を取る。


「ンなもん効くかよぉ!オルァ!」


当たる狐火を完全に無視してノーダメージで突っ込む。仕方なく刀での攻撃を仕掛ける玉藻前、その刃は曇天童子の皮膚すら通らずにポッキリ折れて逆に捕捉され前蹴りを放ち壁に叩きつける。


「かはっ!」


玉藻前は畳に突っ伏しダウンしてしまう。


「次は女ァ!テメェだ!」


黒鴉が予告されて曇天童子は床を蹴る。


「ふざけんじゃないわよ!真っ二つにしてやる!」


挑発をされたように黒鴉は怒りながら前に出て剣を振る。


「そんなのが効くと思うなッ!」


曇天童子は拳を合わせてその刃を弾き返し黒鴉が驚く間もなくもう一発の拳が黒鴉の鳩尾(みぞおち)に放たれて黒鴉は苦悶の表情を浮かべながら吹っ飛びダウンする。


「玉藻!黒鴉!」


「次はオメェだ!」


「くっ!」


翔が狙われ翔はどっしりと構える。


「行くぞオラァ!」


曇天童子はしっかり予告ホームランをしてから走り出し拳の乱打を浴びせようとする。


「ウラウラウラァ!」


翔は刀身に炎を纏わせ刀身を煌々と光らせ一刀を放つ。


「くらえっ!」


翔の溶断の一撃が曇天童子の片腕を斬り飛ばす。

やるじゃないかと言わんばかりに曇天童子はニヤリと笑いつつ切り飛ばされた腕をズルリと生やして翔をギョッとさせる。


「褒めてやるぜ?少しはやるじゃねえか!」


生やした腕で素早く翔の腕を掴み背負い投げするように背後に叩き付ける。


「うわっ!」


「だが甘ぇ!」


もう一度背負い投げ、翔はまた畳に叩き付けられ焰鬼が手から離れて畳を転がる。


「っぐ、がっ!…雷怨!」


キーホルダーのままの雷怨を握りしめてバチぃと電撃を放って翔は何とか曇天童子の掴みから解放され畳を転がる。


「隠し芸か…?まあいい、暫くは立てねぇだろうからな…最後にお前だ」


アキトはやれやれと転がっている焰鬼を拾い上げて逆に掛かってこいと挑発をする。


「仲間がやられたってのに微動だにしねぇのか?」


「まだまだ教育が足りないなと反省するよ…」


「反省は…地獄でするんだなッ!」


曇天童子が床を蹴り拳を構えてアキトに襲い掛かる。

アキトは静かに曇天童子の拳の動きを見てサッサッと回避してトンと足払いする。


「?!」


軽い足払いで姿勢が崩れて曇天童子はハッとしてすぐに姿勢を持ち直す。


「テメェ!」


遊ばれていると気付いて逆上する曇天童子、怒髪天を衝く勢いで拳を放つ。アキトは焰鬼を軽く振ってその拳を斬り落とす。鉄の如く固くしているはずの腕を軽く斬り落とされて曇天童子は目を丸くする。


「馬鹿なっ!刃如き…!」


アキトは無言で居合い抜きするように腰の位置に焰鬼を持っていきスパスパと曇天童子の手、足、身体に切り傷を付けていく。傷は浅いがその速さに適応出来ず曇天童子はなすがままになる。

アキトの攻撃は速度を上げて刃が次第に熱を帯びる。


灼火繚乱(しゃっかりょうらん)!」


曇天童子はそのままバラバラにされ残された頭が噛み付こうとアキトに迫った所で頭も真っ二つにされる。


「地獄で反省するのはお前だったな」


ダサい決め台詞も決めてアキトはニヤリとするのであった。

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