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神の下僕は世界を救いたい  作者: D沖信


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大田山四天王

都近辺に出現する妖魔退治をしていた翔達は静かな日々を謳歌していた。


「あれから宮中は穏やかなもんだ」


護衛を続けて宮中の様子を窺っていたアキトは仲間達にそう報告する。


「煩くされてもかなわんからなー、静かなのが一番やで」


「何も無いことが不気味なくらいね」


黒鴉の言葉に一同は少し緊張する。世界の危機は確実に迫っているというのに静かな事は逆に不穏でもある。


「蘆谷の連中もまだ捕まっとらんのやろ?嫌な感じや」


武士の平良氏が追い掛けている蘆谷の動向も気になるが、すぐに四ノ宮氏から新たな依頼が届いて四人は一旦仕事に集中する事にする。

頼永から新たに出現した鬼の退治を依頼される。


「曇天童子と名乗る鬼が部下を引き連れて都近辺に出現している。武士達は出払っている今、侍が動く時ぞ」


四人は早速出発し鬼が根城にしている廃砦を目指すのであった。


ーーーーー


翔が道中気になって鬼について口にする。


「どんな鬼何だろうか…部下もいるそうだけどさ」


「曇天童子ねぇ…中途半端な感じよね」


曇りの名前を冠しているなんて中途半端なイメージだと黒鴉がボソッと呟き全員がちょっと嘲笑してしまう。


「雲、霧とか?まぁちゃんと警戒しないとな」


真面目に考えていたアキトの注意を受けて笑うのをやめて移動を再開する。

四人が廃砦に近付くと早速一体の焦げ茶色の肌をした鬼が金棒を担いで現れる。


「人間が曇天様の根城に何の用だ…」


「都からあんたらを退治しに来た」


「侍如きが調子に乗るなよ!」


鬼が吼えると更に三体の鬼が現れる。


「銀童子!」


「大熊童子!」


「赤龍童子!」


最後に焦げ茶の鬼が名乗る。


「そして俺が茶虎童子!」


「「「「四人揃って大田山四天王!」」」」


四体は声を揃えて名乗るのを見て黒鴉が丁度いいと笑う。


「四対四、一人一体よ」


「フン!人間風情が調子に乗りおって!女子供とて容赦せん!覚悟しろ!」


翔達の立ち位置に合わせて鬼達も適当に並び戦いが開始される。


翔の目の前に立つのは銀童子、斬馬刀を構える銀童子に翔は冷や汗を垂らす。


「デケェ得物だな…」


「後悔した所でもう遅い!死ぬがいい!侍!」


隙だらけの大振りの攻撃を翔はサッと回避する。


「ムッ!ちょこまかと…!」


「そっちが遅いんだよ」


翔は刀を抜いて構えを取る。


「くらえぃ!」


また大振りの横振りを翔は冷静に飛んで回避しカウンターの一撃を入れ腕に切り込むが銀童子は硬化して一撃を耐える。


「硬っ!」


「フハハハ!刀如き我が肉体を斬るに値せん!」


(硬質化の手法にもよるが…仕方ない。やるか…!)


翔は焰鬼の炎を刀に纏わせて斬り込む。熱を帯びた一撃は余裕を持っていた銀童子を溶断し首を易々と斬り飛ばす。


「…ヌン!?馬鹿な?!」


予想外の一撃に落ちた首は暫く動いて翔を睨みつけるのだった。


黒鴉は大熊童子と向かい合って互いに両刃の剣を手にして武器をぶつけ合う。


「女ァ!死に晒せ!」


「野蛮ね、吼えるばかりなんて対して強くないんじゃない?」


互角の打ち合いに鬼は多少の驚きを見せるが楽しくなってきたと大笑いする。


「クハハ!悪くないぞ女!」


興味なさそうに「ありがとう」と返しつつ魔法で文字通り冷水を被せて大熊童子を驚かせ隙を作り出す。


「なんだっ?!水…?」


「隙あり!」


「なんのー!」


首筋ギリギリで剣を受け止める弾き返す。膂力は互角、黒鴉は次々と打ち込んでは水弾を敵の顔面にぶち当てて有利を取っていく。


「ぬ、ぬおお!」


防戦一方となってガンガン押し込まれる大熊童子は黒鴉の一撃を遂にモロに直撃し袈裟斬りを受けてガックリと膝を付く。


「女如きに負けるのか…?!」


「如きなんて(あなど)るからよ!」


黒鴉は鬼の首をズバッとハネてしまうのだった。


玉藻前と赤龍童子の戦いは火を扱う者同士の戦いとなる。


「小娘が相手か、少々残念だ…」


「舐めとると痛い目見るで?!」


火球がぶつかり合い爆発を起こす。見くびっていた赤龍童子は相手が妖術使いだと気付くと口角を上げる。


「フッフッフ、面白いじゃあないか!陰陽師か?」


「あ?!一緒にすんな!」


玉藻前は耳と尻尾をさらけ出して鬼は目を丸くする。


「妖魔がなぜ人の味方をする?」


「妖魔ちゃうわ!神様との契約や!」


「神だと?…面白い!」


魔法の撃ち合いは激化していき爆煙が二人を包み込む。


「そこや!」


煙の中で気配を察知した玉藻前の一撃が赤龍童子に命中する。


「でややー!」


命中確認と同時に火球の連打をして圧倒的手数でボコボコにし爆散させてしまうのだった。


残されたアキトと茶虎童子の戦い、アキトは目視で敵の実力を測って鼻で笑う。


「何がおかしい!?」


「四天王っつっても大したことないな…って思ってな?」


「舐めやがって!死に晒せ!」


金棒を振り回す鬼にアキトは冷静にヒョイヒョイと回避する。渾身の一撃を軽々と回避された事に驚き思わず声が漏れる。


「なにィ!」


「この程度で驚くなよ…ホラよ!」


アキトは手早く投擲物で鬼の手足を封じ込める。


「…ぐっ!!」


「大将のところまで案内してもらおうかな」


他は仕留めちまってるしとアキトは頭を掻いて茶虎童子のみ生かして曇天童子の所まで案内して貰おうとするのであった。

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