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神の下僕は世界を救いたい  作者: D沖信


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破竹の勢い

帝国軍が用意した兵器を全て破壊した連合軍は勢いに乗って拠点となる砦等を次々に占領していく。

レオンは不在だが将軍二人と破竹の勢いの連合軍を帝国軍は留めることが出来なかった。


「勢いに乗り攻めよ!北上するのだ!」


ヴァルゴの指揮に連合軍は帝国軍を蹴散らしてまた一つの砦を制圧し小休憩を挟む。

翔達も行軍の疲れを癒すように砦内に入り休憩する。


「追加の兵器は出てこないな…」


アキトの呟きに一同頷いて不安を吐露する。


「まさか進軍妨害だけの為に最後の兵器を使うわけも無いだろうし…」


「そうですね、やはりまだ奥の手が用意されていると考えるのが一番でしょう」


翔と黒姫の話を聞いて黒鴉は名前の無い兵器が出てくるのではと危惧する。


「兵器に名前がついているものっていう考えだったけど神鳴が調べた通り名前の無い星々の兵器が作られている可能性があるのよね」


「そうですね…まさか百近くもあるだなんて…」


「星座の近くにある細々とした星を入れたらそれぐらいには…いやもっとあってもおかしくないかしら」


兎に角今は勢いに任せて行ける所まで攻め落としてしまおうという脳筋な意見が連合軍の中に渦巻いていてアキトは危惧していた。


「破竹の勢いもいいが警戒はして欲しいものだ」


そんな愚痴を吐く。黒鴉は一応のフォローを入れておく。


「勢い任せの戦術も一つの戦略だから仕方ないわ。それに今はそれが効果的なんですもの」


「そういうものか、まぁ戦う俺達が気構えしておく事だけでも大事か。でも俺は慎重派なレオンとの方が行動しやすいな」


「敵の領地で守備的な戦い方は愚策よ?やりやすさってのは分かるけど」


そんな雑談をしているとタウロスがやって来てこれからについて話をしようと誘ってくる。


「レオンがいない今君達の意見も聞いておきたい。俺とヴァルゴだとイケイケな話にしかならないからな」


丁度いいとアキトは腰を上げて話をしに行くのであった。


「ちょっと!一人で行くの?」


「四人で行っても仕方ないだろ?お前らの意見は聞いたからな」


それはそうだと翔は頷いて休憩を続ける事にするのだった。


ヴァルゴのいる天幕に入ると待っていたぞとアキトは歓迎される。

地図が開かれていて現在地を示してもうすぐ帝国軍の本拠地だと伝えられる。


「我々は勢いに乗ってここまで来たが帝国領の中心地が近付いた今少しは冷静になるべきと思ってな、レオンの代わりに君を呼んだ」


「代わりになれるかは分からないが任せてくれ…そうだな、まっすぐ行くよりかは周囲の砦を制圧してから向かう方が俺は良いと思うな」


「成る程、砦を、勢いのある今だからこそ…だな」


侵攻ルートに目印を立てていく。それを見てタウロスが腕組して意見を口にする。


「遅れてレオンが通るであろうルートを加味して…我々が使える時間は数日ほど、行けるか?」


「行ける、伝令を用意しよう。レオンとは敵の本土決戦での合流になるであろう事も付け加えるとしよう」


そう言うとヴァルゴは書を(したた)め始める。

作戦は決まったとタウロスはアキトの肩を叩き「宜しく頼む」と有事の際に備えてくれと待機を進言するのであった。


ーーーーー


そうして始まる進軍。連合軍は北上を辞めて東へと進路を変更する。

帝国の首都周辺に点在している砦の占領を優先し帝国軍の補給を断つ事にする。

連合軍はその後たった二日で砦を五つ占領する戦果を上げて確実に帝国軍の繋がりを断つ事に成功していく。


「首都の包囲は着実に進んでいる。しかし反撃が来ない…不気味ではある」


ここに来てヴァルゴも帝国軍の動きが奇妙だと気付く。だが止まることは出来ないとタウロスが残りの砦も押さえる事が先決であると作戦の完遂を促す。


「補給路が間延びして細い俺達に引き返す択はない。攻めあるのみ!」


「そうだな。残り二つを押さえて本土決戦だ!」


連合軍に指令が行き渡り遂に帝国首都までもう少しだと鼓舞される。

士気が高い連合軍はその勢いに乗って更に一日の間に二つの拠点を制圧し山間部に築かれた要塞の様な帝国首都を前にし陣を築くことになる。


ここまで兵器の追加投入は無かったが確実に何かが待っていると翔達は気合いを入れる。


「砦や村を制圧し兵糧の徴収して来たがこっからは補給線の細い戦いだ…どの道短期決戦になるだろうな」


アキトが有識者振って語る。


「短期決戦上等!…って言っても兵士達の戦いには介入しないから兵器が出たら戦うだけなんだけど」


「そうだよな、籠城戦になって崩せなかったらコッチが米不足で苦しむだけだからな…」


「一番恐ろしいのが飢餓だなんて…そんなものに怯えるのなんて冗談じゃないわよ…」


必ず勝って貰わないと困ると黒鴉は連合軍に喝を入れてやりたい気分になる。

勢いに任せてやって来た連合軍は浮き足立っていたが上手くヴァルゴとタウロスが制御して三将軍で軍を三つに分けて帝国首都の包囲を開始する。


「先鋒を務めるは戦の華!俺に任せておけ!」


タウロスが先鋒を、ヴァルゴが次鋒、レオンとピスケスの軍が後詰めを行う事になるのだった。

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