カウス・アウストラリス
進軍を開始する連合軍、北の山脈にある帝国の首都を目指す。道中の帝国軍の拠点を兵力の力で楽々と制圧して行く。
勢いに任せて進む連合軍を帝国軍は止めようとしないで本土決戦に持ち込む様相であった。
「帝国からの抵抗が無いな…罠を何処かで用意しているのか…?」
レオンは不審な動きを予期して警戒していたがタウロスはイケイケで破竹の勢いに乗れと大笑いしていた。
「ハッハッハ、兵力に恐れをなしたか!この調子でガンガン行くぞ!」
そんな将軍達を見て翔達はいつ兵器が出てくるのかとレオンと同じ様に不安に感じる。
「カウス・アウストラリスだっけ、最後…とは限らないんだよな…」
「そうね、増産してるかもしれないわね…」
「だよなぁ…サジタリウスを急造したくらいだしな…だけど何ていうか、難しいな」
嫌な予感は感じ取るのだがその不安をいまいち言葉に出来ない翔であった。
「やれやれ、もう帝国領に入っている。いつでも戦う準備を整える必要があるぞ?」
不安がる三人を見てアキトが翔達に覚悟を決めさせる。そんな中で黒姫が嫌なことを呟く。
「そ、そうですよね…射手座の星の数も私達覚えてないですし…」
「…神鳴に聞いてみるか?」
「そ、そこまでして知りたい訳じゃないので…」
アキトは信頼出来る情報源を探らせるかと尋ねるが黒姫は苦笑いして不要だと答えるのだった。黒鴉がツッコミを入れる。
「そこは聞いときなさいよ!」
「星座に属する星の数なんて…幾つあるのか分かります?」
「…わ、私が知ってる訳…ないでしょ」
四人揃って分からないと微妙な顔になるのでアキトは旅行鞄を呼び出す。
「ちょっと射手座について調べてくれ…」
結局神鳴を使い調べる事になるが良くない答えが返ってくる。
『属するなら100はありそう…名前のない星もたくさんあるみたい。まだ調べる?』
「…見なかったことにしよう。な?」
諦めの極致に似たアキトの言葉に三人はダメだろとツッコミを入れる。
「そんなにあるなんて大変なことじゃないですか!」
「名前が無ければ大丈夫だろ…」
「そ、そうでしょうか…?」
黒姫が首を傾げる。
「その名前付きは後幾つあるのよ…?」
「すまん、それは分からない…」
「それじゃダメじゃない!」
兎に角兵器の次はたくさんある可能性があるということだけ分かってげんなりする一行であった。
ーーーーー
進軍すること二日、帝国領の中腹に差し掛かったところで事件が起こる。
前進していた連合軍の前線にビームが降り注ぎ一気に兵士達が殺傷される。
「来たか…!最後の一基だ!」
後方に待機していた翔達が緊張感を持って武器を持つ。
混乱する兵達を押しのけて前線に出た翔達の頭上に栄螺の貝殻を逆さにしたような兵器が浮いた。
トゲトゲ部位からビームが放たれてアキトが氷の壁で防ぐ。
「ちぃ、空中の敵か…面倒くさいな」
「よっしゃ!また私の出番ね!」
黒鴉がノリノリで剣を構えるが今回は反撃があると翔に注意される。
「今回はビームがあるんだ!無理な接近は危険だ!」
「やらなきゃやられるのよ!覚悟決めなさい!」
「ええ…」
結構な無茶振りをする黒鴉に引き気味に翔は仕方なさそうに頷いて黒鴉の呼び出した精霊に四人は乗り込む。
「アキト、バリア展開!特攻よ!」
「はいはい、速攻で終わらせるぞ!」
氷の障壁を展開しつつ白鯨で兵器へ特攻する。ゼロ距離まで突撃をかまして体当たりすると四人で一斉に精霊を呼び出す。
「焰鬼!雷怨!」
「氷雨!羅刹!」
翔とアキトが両手に刀を持って精霊を呼び出し自身を含めて圧倒的手数で攻め立てる。
「私も片手剣だったら…」
「姉さんはそのままバハムートを!私達が頑張りますから!デス!」
妹にいい所を持っていかれた気がしてムスッとしつつバハムートを制御する。
合計三人と精霊五体で兵器を豪快にボッコボコにする。しかし固いのか中々に兵器もタフだった。
「おい、落ちねぇぞコイツ!」
アキトが呆れたように叫ぶ。兎に角攻撃あるのみと黒鴉が指示する。
「うおおお、ぶっ壊れろ!」
翔の渾身の一撃と焰鬼のワンパンが炸裂して兵器が大きく揺らぐ。
「揺らいでる!皆!今ですよ!」
黒姫の声に鼓舞されて全員で一斉に攻撃し墜落させる事に成功する。
「やった!落ちたわ!」
落ちたものの消滅していなくてまだ健在なのかビームを射出させて兵士達を攻撃し始める。
「まだ生きてるぞ!」
「しぶといわね!これでもくらえ!」
黒鴉は再度バハムートを水流を撃ちながら突進させて兵器カウス・アウストラリスを完全破壊させる。
「やったわ!」
「連合軍の被害は…結構出てるな…」
喜ぶ黒鴉だったが翔の一言で現実に引き戻される。
「進軍に影響出るかしら…」
三将軍は話し合いをして負傷兵をレオンが担当し治療させる事にする。
「兵器は無事破壊されたのなら大丈夫さ、彼らの治療には自分が当たろう」
こうして想定外の負傷兵が発生したことで軍を分けて進軍する事になり分かれた連合軍は帝国の本拠地へと向けて進軍を再開するのだった。




