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神の下僕は世界を救いたい  作者: D沖信


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三軍合流

アルナスルとの戦いが終わり連合軍の被害は軽微、これなら予定通り進軍が可能だとヴァルゴは号令を掛けて進軍開始する。

魔力の消耗している翔達は丁度良く前線から離れる事が出来るのであった。


「丁度いい、ゆっくり行こう」


アキトは笑って疲れ切っている翔達を励ます。


「増殖する敵はもう戦いたくないわね…」


「同感…」


兵器への愚痴を呟く黒鴉の言葉に翔も続く。

軍の後方で雑談をする余裕を持っている四人は兵器について話し合う。


「えっとそういえば兵器は残る一基ですよね?」


短期間で各地に配属された兵器を破壊した事で追加された兵器も破壊し尽くし残りも一基になっていた。


「あれ?そうだっけ?」


「はい、確かあと『カウス・アウストラリス』ですね」


気にしてなかったと翔達は頬を掻く。黒姫は気にしていないのはマズイですよと注意する。アキトが顎を触りながらならばと分析にもならない分析を語る。


「なら最後の一基は最終防衛ラインに置かれるだろうな」


「あら、じゃあ暫くは暇が続きそうね」


楽観視する黒鴉に対して妹は難しい顔をする。


「そんな楽観視出来ませんよ?すぐに新しい兵器を追加してきた相手です…また増援があるかもしれませんよ?」


「ありえるな。ま、出て来ても破壊すればいいだけさ」


別の視点で楽観的な事を言うアキトであった。


ーーーーー


進軍は続きとある帝国軍の拠点に差し掛かる。

堅牢な城壁に囲まれた都市で連合軍は制圧に苦戦をしていた。


「うーん、手こずってるな」


アキトが軍の後方から戦況を眺めていた。指揮官として後方に座していたピスケスが軍師のように語る。


「この地を接収出来れば補給も楽になるんですが…守りが堅いですね」


「兵器は持ち出されていない、この規模の包囲戦で負けるようじゃ帝国軍本部なんて抑えれないぞ?」


「そうですね、しかし予定ではタウロスの軍が合流する予定なのですが…」


友軍との合流が予定されていたが到着が遅れているとピスケスは苦々しい顔をする。

何かあったのなら動かなくてはと翔が焦った様子を見せるがアキトは心配いらないと冷静に語る。


「今の戦況なら時間は掛かるが落とす事も可能だ。どっちの増援が先に到着するか…だな」


「帝国軍の方が優勢じゃないですか!」


その時はその時で俺が動くとアキトは笑うのだった。


果たして友軍が先に駆け付けたのは連合軍でタウロスの軍が遅れて参戦してくる。ヴァルゴがタウロスの愛称で呼ぶ。


「遅かったな『紅の猛牛』」


「帝国軍の残存部隊がゲリラ戦法を仕掛けてきてな…進軍に時間がかかった」


翔達の努力による兵器破壊後も若干の苦戦を強いられていたと言い訳を語るタウロスだったがその増援の効果もあり帝国領の拠点を見事制圧してみせるのであった。

投降した兵士達を捕虜にし拠点を手に入れた連合軍は大いに勢い付く。


「後はレオンの軍団だな、そことも合流し本格的に帝国領を制圧せねば」


タウロスの真剣な表情にヴァルゴは地図を見せて合流予定地点を指差す。


「レオン殿が合流する予定地点はここから更に西に向かったポイントだ」


「帝国の本拠地は北だが遠回りして行くのか?」


地理を理解したアキトが尋ねる。


「そうだ、力を合わせることが勝利への鍵だからな」


「三軍が合流し本拠地を目指す、各拠点を潰すならそれが一番か」


「そういう事だ。合流を優先するぞ」


ヴァルゴの案が一番だと各々理解し行軍を開始するのであった。


ーーーーー


西方へ移動する連合軍、帝国領内ということもあってゲリラ戦術の警戒をしつつ合流ポイントへ到達する。既にレオンの軍は到着していて陣を張っていた。


「『蒼き獅子』…すでに到着していたか」


「ヴァルゴ殿その呼び方は恥ずかしいので…」


称号呼びには慣れていないレオンは頬を掻いてはにかむ。


「男はこういうものが好きだと聞いたが…違うのか」


「違…わない、けれど慣れないと言いますか…ヴァルゴ殿も『白き戦乙女(ヴァルキリー)』と呼ばれても反応に困るでしょう?」


「?カッコいいではないか」


感性が違うんだなとレオンは難しい顔をするのだった。

軍の再編成を終えたタウロスが合流し連合軍の三将軍が揃う。


「ようやく役者が揃ったな」


タウロスはガハハと笑ってレオンの肩を叩く。


「我々がここに立てているのは協力してくれた傭兵達のおかげさ」


「そうだな、この俺もかなり助けられてしまった」


翔達の話をする将軍達、そして話はそのまま兵器の話に移る。


「敵軍の保有する兵器の残りは後何基ある?」


レオンとタウロスが順々に倒した兵器名を語りヴァルゴが纏める。


「そうか、これまでの情報を纏めると残り一基らしいな」


「ならばその最後の兵器は守りの要にするに違いない。破竹の勢いで攻略をしていこうではないか!」


タウロスが(いき)り立つ。慎重派なレオンは突撃は愚行だと注意する。


「ふっ、猛牛と言われる俺だが周りが見えなくなるほど愚かではない」


「侵攻ルートは予定通りで良いな?兵器が見つかり次第傭兵達の出番だ」


話は纏まり再編した軍団を手筈通り進めることになるのであった。

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