ミルウェイ大橋の戦い
カウス・メディアの破壊に成功した翔達は大手を振って連合軍陣地に戻ってくる。
ヴァルゴに戦果報告を行うアキト、依頼してすぐに破壊した事に驚かれる。
「もう倒したのか!相変わらず仕事が早いな」
今回はアキト一人で大暴れしたので翔達は苦笑いする。一方アキトは満足気な顔をしていた。
「まあまあ楽しめたぜ」
「楽しめた…?」
怪訝な顔をするヴァルゴ、流石にバトルジャンキーが過ぎるとツッコミをするように黒鴉が「お馬鹿」とアキトの背中を軽く叩く。
「えーっとまぁそう…魔法の勉強になったって意味で…」
「そうか、勉強熱心なんだな君は」
勘違いで済んで良かったとホッとする翔達であった。
兵器が無くなり進攻可能となったヴァルゴは今後の作戦を話す。
「ピスケスの増援を待ってから進攻を再開する。ミルウェイ大橋を越えて帝国軍に総攻撃を仕掛ける」
総攻撃と聞いて翔達は難しい顔をする。
「兵士との戦いは参戦しないから自分達は待つだけですよね?」
「ああ、そうだな。モンスターとの戦いか次の兵器が出てくるなら出番だが…」
それを聞いてヴァルゴは少し残念そうにする。
「君達がいれば百人力なのだがな…」
「対人戦はご法度っていうか…」
「ふむ、戒律か何かがあるのだな。仕方あるまい」
前線にモンスターが出てくる可能性があるので近くまでは行くと翔がフォローを入れる。
黒鴉は勝手に決めるなと不服そうにするがモンスターを相手にするのはやぶさかではないと頷く。
「ではピスケス合流まで陣地内で好きに待機してくれ」
お言葉に甘えてと翔達は駐屯地で自由行動をとるのであった。
ーーーーー
二日後、魔法兵の増援を引き連れたピスケスが到着する。
「ええ!?兵器はもう倒したのかい?!…ああ、彼等が来ていたのか」
ピスケスは目標が変わったことに驚くがアキトの姿を見て納得する。
「それじゃあ大橋の向こうの帝国軍を?」
「ああ、準備を整え次第攻撃を開始する。準備をしてくれ」
ヴァルゴの作戦を受けてピスケスは問題無いと答えて早速戦闘の準備を行うのであった。
兵士達が慌ただしく動き翔達も招集を受ける。
ヴァルゴが準備を整え並んだ兵士達を統括し出陣の前の演説をしていた。
「我々の進軍を阻止していた兵器は破壊された!今こそ帝国軍を討ち果たす時!者共!私の指揮のもと戦う時が来た!」
兵士達は拳を掲げて士気も高そうで文句無しといった所であった。兵士達は意気揚々と出陣し翔達も後に続く。
ミルウェイ大橋、カウス・メディアが陣取っていた橋を越えようとした所モンスターの集団が陣取っていて翔達が前に出る。
「今度はモンスターで封鎖か、ここは任せてください」
「出番ね!一気にぶっ飛ばすわよ!」
翔と黒鴉が真っ先に飛び出してやれやれとアキトと黒姫が後に続く。
モンスターの相手なら気兼ね無く出来ると力を振るう四人はその実力の高さから無双し続ける。
そんな四人の前に一つ目の巨人型モンスターのサイクロプスが現れる。
「大物だな。翔、一人でやれ」
アキトが無茶振りに近い事を言い出すが翔は文句を言わずに刀を構えて精霊の焰鬼を使い挟撃する。
「喰らえ!」
威勢のいい掛け声と共に会心の一撃を放ち足を攻撃し姿勢を崩させて顔面に焰鬼の拳を叩き込み地に伏せさせて首を切り落としたった数秒で撃破する。
「どんなもんよ!」
「ふん、私だったら頭にウォーターカッターで一撃で終わりだったわね」
何故か張り合ってくる黒鴉に翔は苦笑いしてはいはいと聞き流す。
モンスター達のボスを倒した翔達の前には帝国軍の一団が見えて連合軍と交代するのであった。
「よし!帝国軍の一団と決戦だ!」
ヴァルゴ率いる連合軍が一斉に駆け出し帝国軍にぶつかっていく。それを見てアキトは威勢の良さについつい笑ってしまう。
「いやぁスゲェな…連合軍の戦乙女は…」
「戦乙女ねぇ…ガッチリ鎧も兜も着込ん出てそんなイメージ無いわね」
「名前だよ名前、乙女座だろ?ヴァルゴって」
ああそっちと黒鴉は呆れたような顔して笑う。
そんな雑談をしている内に開戦の火蓋は切って落とされる。
魔法兵部隊も参加した事で遠距離攻撃の手段も豊富になって連合軍は一気に攻め立てる裏で翔達は遠巻きから眺めて戦局を見守る。
帝国軍も練度が高く士気の高かった連合軍とのぶつかり合いに臆することなく拮抗した戦いを繰り広げ、それを見てアキトが冷静に分析する。
「兵器が破壊されモンスターも蹴散らされたってのにここの帝国軍は乱れが少ない。練度が高いな」
「じゃあ連合軍は危険なのでは…?」
黒姫が心配するがそんな心配をものともせず連合軍は奮戦、少しずつ押し込み橋を制圧していく。
「押し始めましたね」
「廃村の時みたいに罠じゃないことを祈る」
翔は若干のトラウマになっている釣り野伏を警戒する。
「あのときと違ってちゃんと退き口がある。まぁ大丈夫だろう」
橋そのものが退き口になっているとアキトが説明して背後は取られることはないと安心させる。
連合軍も無理な突撃はせずにジリジリと帝国軍を追い詰めていくのだった。




