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神の下僕は世界を救いたい  作者: D沖信


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新たな兵器

「もー!何勝手な事してるのよ!」


勝手に出陣して大暴れしたアキトに対して黒鴉はブチギレる。しかしアキトは申し訳無いとは微塵も思ってなくて開き直ったような態度で「問題無い」と答える。


「どこがよ!?力存分に振るったんじゃないの?」


「あ?四割くらいの力だから問題無いって」


「どこに四割の力で一軍を退ける奴がいるのよ!?」


ここにいるとアキトは自分を指差す。

調子に乗るなと黒鴉からツッコミを入れられてアキトは腹にパンチを受けてうぐっと(うずくま)る。

そんなアキトを見て翔は反面教師にしないとなとジト目になる。


「俺はあんな感じにならないように注意しないとな…」


「アキトさんは特殊だと思いたいですね…いえ、多分特殊な成長方法をしてるんだと思います」


アキトのいい加減、テキトーな性格の面も相まって翔からは違う人生経験の成長結果なはずだと黒姫は確信するのであった。


何はともあれ帝国軍の一団を平野から撤退させる事に成功したレオン率いる連合軍は更に前進、翔達も進軍に加わり略奪され滅んだ村を通過する。


「ヒドいですね…民家もボロボロです…」


「ここまでやる必要ないはずよね…」


姉妹は惨状に同情する。アキトは冷静に村を焼き払った理由を冷静に分析する。


「略奪か徴収かって違いもあるが敵地となると反撃をされる事もある。滅ぼしたほうが効率が良いんだろうな」


「戦争って苛烈(かれつ)なんですね…」


「どこの世界でも戦争で一番被害を被るのはこういう村々だって事だな」


世知辛いものだなと翔達は苦々しく思いつつ進軍を続けるのだった。


一行は森に入ると先行していた斥候が敵軍がこの先の廃村に陣を張っていると伝えてきてレオンは森の中で陣を展開する事にして兵士達は斧を使い森を拓いて陣を作成する。

翔達はかつて自分達が作った開拓村を思い出しつつ作業を手伝う。


「さっさとやるわよ!押し流せ!」


黒鴉がウォーターカッターで周囲の木々を薙ぎ払って一気に土地を確保する。しかし地面はぐちゃぐちゃになって翔が仕方ないと焰鬼の炎を使い乾燥させていく。


「ったく、勢いだけじゃないか」


「うっさい!アンタがフォローすればいいでしょ!」


「はいはい、仕方ないな」


阿吽の呼吸で作業するのを見て「仲が良いんだな」とレオンが笑っていると姉妹両方から睨みつけられて「何故…」と困惑するのであった。

アキトは状況を確認して新しい兵器が使われないのかと警戒しながらレオンに斥候する内容を相談する。


「敵は廃村に陣取っているんだったな…新たな兵器が駆り出されている可能性があるからな斥候には注意深く確認して欲しい」


「心得た。警戒は大に、斥候には兵器の有無を探らせるとしよう」


レオンは斥候に指示を出して出発させる。


「兵器が出たらまた君達を頼る事になりそうだ」


「ああ、任せておけ」


アキトは親指立ててニヤリと笑ってみせるのだった。

翔達はその間もせっせと陣地を形成していく。黒鴉は魔力を使い切って疲れたと切り株に腰を下ろす。


「やれやれよ、これだけ拓けたらもういいでしょ」


「木こりの仕事殆どやっちゃったな…」


翔達のおかげで早めに兵士達がテント設営などの仕事を始める。


「兵士達も作業が早くなって助かるって、翔君達のおかげですね」


「浜松が?黒姫、ほとんど私の活躍でしょー!」


「ハイハイ、姉さんのおかげですねー」


扱いがテキトーだと黒鴉は妹をグリグリと虐めるのであった。


斥候は森から素早く移動し敵陣に近付き静かに敵陣に入った斥候達は早速諜報活動を開始する。

帝国軍の将兵が会話している内容をどんな内容でも記録する。


「何とか新たな兵器が各地の戦地に運び込まれてるみたいだな…」


「例のミリディエムは六基だけだろう?」


「ミリディエム改めてサジタリウスだそうだ。『アルバルダ』『アルナスル』『アルカブ』『カウス・メディア』『カウス・アウストラリス』だそうだ」


兵士達は斥候がいるなどと思いもせずコンプライアンス無視でガンガン会話をする。


「で、俺達の所にも増援として当然来るんだよな!?」


「アルバルダが派兵されるらしい」


「へぇ、どんなんだろうな!」


これは持ち帰る必要がある重要な情報だと斥候の一人は情報をメモして急ぎ持ち帰るのであった。


急ぎ戻ってきた一人の斥候から兵器が新たに作られたことを知らされる翔達は顔を見合わせる。


「サジタリウス…やはり射手座になぞらえてきたか」


「増えた事よりも各地の戦地に導入されたという事が気掛かりだ…」


レオンの言葉にアキトは頷いて必要なら出番だなと高速移動できる自分達が各地へ向かう必要があると胸を張る。勝手に決めるなと黒鴉は突っかかる。


「俺達以外に他に出来るやつがいるか?」


「それは…ちょっとは現地民を信頼したら?」


「それも一考だが放って置けないのが俺の(さが)ってやつでな」


アキトはそう言っているがバトルジャンキーの本性を隠し通しきれていなくて黒姫から指摘される事になる。


「アキトさんは強敵との戦いが好きな面ありますよね…」


ジト目を向けられるアキトだがまずは次の戦闘だと話を逸らして翔達を煙に巻くのであった。

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