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神の下僕は世界を救いたい  作者: D沖信


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可能性

兵器は退けたが帝国軍は相変わらず平野を陣取っていて連合軍は二の足を踏む事になる。

レオンはどのように突破するべきかとアキトと相談していた。


「士気は下がったかも知れないが敵の数は甚大、こちらもいつまで耐えられるか…」


「敵が固執してくれている間ほかの区域は手薄と考えることも出来る。どう見るか…」


「ハハッ、まるで我々が負ける前提だな」


アキトは真剣に考えて話す。


「常勝無敗なんてのは幻想だ。強い将は戦場を選ばないなんてのも幻想。勝つ事より今はどれだけ時間を稼いで生き残る事を考えるべきだな」


「随分とお利口(クレバー)な思考だ。将校の考え方ではないな」


「冒険者だからな。『勝ち方』の見方の問題だ」


勝ち方と言われてレオンはフムと考え込む。


「勝ち方か…私も『お利口さん』の考え方をするべきか」


アキトはほうと感心したようにレオンの顔を覗く。


「なに、簡単な事だ。このまま防衛戦を続ける。敵の補給線のほうが長いからな。先に向こうが音を上げるはずさ」


至ってシンプルな答えにアキトは笑ってしまう。


「敵がほかの山道を強行軍をしてくるかも知れないぞ」


「その時はその時だ、一応山中には兵を展開していて敵の動きは探っている」


抜かりは無いと語るレオンにアキトはならばヨシと敵を迎え討つ戦術に異を唱える事はしなかった。


しかしその報告を聞いて黒鴉は怪訝な顔をする。


「まだ後一基兵器が残されているのに悠長な事を言うのね」


「そうだな、ミリディエムは残り一基ある…が、最後の一基を使うと思うか?」


「あら?ミリディエム、南斗六星を模してるだけで次の星座モチーフの兵器を持ち出さないとは限らないわよ?」


黒鴉は恐ろしい事を口にして翔達も戦々恐々とする。特に黒姫が険しい顔をする。


「南斗六星はいて座と同じ位置です…もしもいて座の星々も兵器の名を冠するなら…えーっと合計は増えます」


「凄く面倒くさいな…具体的には?」


「ええっと…すみませんそこまでは詳しくないのですが…」


黒姫が指折り数える。


「十…二?あと六基は増えます」


倍になると言われて翔とアキトは頭を抱えてしまい黒鴉はやっぱりと言いたげな顔をする。


「可能性はあるわ、悠長な事言ってられないわね早く製作者を叩かないと」


翔が頭を抱えつつ案を出そうとする。


「それはそうだけど…コッチから攻めるのは愚策じゃないか?」


「そうね…難しいわね…平野でコッチが死ぬ気で戦っても勝ち目は薄いわね」


結局攻め手は思いつかないし敵が自ら疲弊してくれることを祈るしかないと悟る。アキトは仲間内でも答えが出ないと分かっていて作戦は継続すると結論を出す。


「取り敢えず暫くは今日と同じ殺し間戦法で敵を確実に削る戦略を取るとしよう」


「まぁそれしか無いわよね…」


仕方なく黒鴉は受け入れざる得ないと答えるのであった。


そうこうしている内に帝国軍にも動きが見える。

斥候からの報せで帝国軍が巨大な兵器を陣容に運び入れたとの報告が入る。

レオンは険しい顔をしてアキト達を呼び付ける。


「帝国軍が巨大兵器を持ち出す動きが見られた。兵器名は『プリマ・トゥ・アルサディエル』話に聞くミリディエムの最後の一基らしい」


「やはり持ち出したか…巨大兵器、平野からこちらを攻撃する気か…」


アキトの言葉に対して翔は何故と問う。


「巨大兵器が山道を通れるか?平野からこちらを狙撃するなり何なりするのが定石だろう」


「狙撃…最初のアスケラみたいに?」


「可能性はなくはない…爆撃だけなら他の奴みたいに投石機みたいな奴や自走式爆弾もありえる」


アキトの予測に対して全員が難しい顔をする。黒姫が異を唱えて意見を出す。


「兵器に名前を付けるのに同じ仕様にするでしょうか…?」


「作り手が拘っているなら無いだろうな…」


しかし、どの道相手側の出方を窺わなければ敵の攻撃方法も分からないと後手に回っている事を苦々しい顔でアキトは伝えてくる。それに対して翔が意見を出す。


「安直だけど夜襲でもして先制攻撃で兵器だけを狙うってのは…?」


「それが出来れば苦労は無いだろうな…いや、待てよ」


アキトは一人でブツブツと考え始めて何やら策を練りはじめる。


「幾つかの条件がいるが当てはまるなら…兵器の狙い、敵の油断、こちらの手勢の士気…」


「あらま、いつになく真剣に考えてるわ」


黒鴉が呆れる中アキトはチャンスに賭ける気はあるかと仲間達に問う。


「命賭ける程の勝ち目はあるかしら?」


「ルールの中で戦うのなら勝率は半々といった所だ」


世界を守るルールの中という絶対的な縛りを入れて高い勝率であるとアキトは語る。敵の出方次第ではリミッターも外していいという語り口に黒鴉は鼻を鳴らす。


「精霊、覚醒者の身体能力、どっちも使っていいなら負ける気しないわね、少なくとも帝国軍には」


兵器は別と黒鴉は答えて翔と妹を見る。


「アンタ達は?」


「俺は問題無い。黒姫は…ナイフだろ?」


黒姫は自分だって戦えますと奮起する。アキトはニヤリと笑い明日の朝に攻め込むと大見得を切るのだった。


「決まりだな。明朝帝国軍に攻め込むぞ」

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