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神の下僕は世界を救いたい  作者: D沖信


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宗教都市マリーナ

ナム・アルサディエルが倒され撤退をする帝国軍。

追撃を行う連合軍を見て足を止める翔達。


「ハァ…何とか勝ったのかな…?」


「翔君!姉さん!無事ですか?!」


黒姫が遅れてやって来て合流する。

黒鴉は髪をファサッとさせて余裕の表情を見せる。


「フフン、あの程度なら余裕よ余裕」


「アキトさんは?」


「知らないわよ、勝手に追撃始めちゃうんだもの」


アキトが居なくて黒姫は心配するがすぐにそのアキトが戻ってくる。


「やれやれ、大将首は逃しちまった…」


「何勝手に特攻してんのよ!」


黒鴉が叱りつける。アキトは頬を掻いて申し訳無いと微妙な顔をして謝る。

翔は黒鴉を(なだ)めて場を治める。


「まあまあ、無事だったんだしここは穏便に…」


「っち、甘いのよアンタは…規律だとか秩序だとか言っておいてこの男は嬉々として大将首取りに走ってるのよ?」


「それは…そうだけどさ、敵も非道な力使ってるなら…」


翔のフォローは弱く黒鴉は不機嫌そうな顔していたがアキトが核心を突く。


「トドメ取られたからってそうムキになるなよ」


「誰がッ!調子に乗るなー!」


黒鴉の渾身のアッパーがアキトを襲うのであった。


戦後処理を行うタウロスは翔達と合流して情報を共有する。


「帝国軍は総員撤退、暫くは攻めては来れないだろう」


「となると、目指すは別の戦場だな」


「そうだな、宗教都市のマリーナに向かってくれたまえ、手紙は書いておこう」


タウロスに感謝し手紙を受け取った翌日、翔達は軍事都市ドミノから宗教都市マリーナへと向けて出発するのであった。


ーーーーー


馬車に揺られて一日、荘厳な佇まいの教会が遠くに見える街並みが見えてくる。

黒鴉はうっとりとするように中二病心を擽られるデザインに溜め息をつく。


「地球では見れないちょっと尖ってるデザイン…無駄に付いてる張りと柱…はぁ、いいわね」


「姉さん、うっとりしてる場合ではないです。ちゃんとお仕事しないと」


「はっ!そうだったわ。アキト、手紙をさっさと渡しなさい」


アキトに手紙を要求するがその役目は俺がやると懐をしっかりガードするのであった。


教会が有する騎士達がいる駐屯所を訪れる。

騎士達は翔達を怪しむがアキトが手紙を差し出すと隊長がやって来る。

ガシャンガシャンと鎧を鳴らして大柄の兜もしっかり被った騎士が現れる。


「団長のヴァルゴだ。タウロスからの手紙拝見させてもらう」


手紙を確認してふむふむと頷き兵器についてしっかり確認する。


「なるほど君達は相当の実力者のようだな」


ヴァルゴはヘルメットを外し素顔を見せる。その素性は大柄の女騎士であり驚く翔達。


「驚いたな、女騎士だったか」


「教会の有する騎士団の団長が女で悪いか?」


「いや、そんな事は思ってもいない」


アキトはセンシティブな内容を言われてしまい難しい顔をする。小馬鹿にするように黒鴉に脇を突かれてアキトは黙ってしまうのだった。

翔が(うやうや)しく例をしてアキトの非礼を詫びつつ今後の作戦について話す。


「うちの保護者ヅラが失礼しました。ところで近くに帝国軍は…?」


割と凹むアキトを置いておいてヴァルゴは壁に掛けてある地図を指差す。


「ここら一帯の地図だ。敵は河の近くの平原に展開している」


「もう帝国軍が迫っているのか…」


「タウロスの報告にある兵器についてはまだ確認は出来ていないが…」


兵器出現の可能性はあるとヴァルゴは語る。

モンスター退治も兵器対策もお任せあれと翔が大見得切って黒鴉からチョップされる。


「調子に乗らない。常勝無敗の将って訳じゃないんだから」


「…はい」


「で、その戦場は緊急性があるのかしら?」


すぐに戦場へ行く必要は無いとヴァルゴが説明し近くに部隊を展開中だと話し翔達の増援はまだ不要で必要になったら酒場で呼び付けると言って解散するのであった。


酒場に戻った一行は今後の活動について話し合う。

元気を取り戻したアキトが三人の訓練はまだ必要だとして外でモンスター退治を提案する。


「実力に自信が無いようだからもっとモンスター倒して鍛えて来い」


「モンスター退治で自信が付くかしら?」


それはお前達次第だとアキトは腕組みする。

翔はモンスターと戦うことに前向きになり黒姫も続いて黒鴉は渋々承諾する。

三人が依頼を受けて街の外へ出るのを見送ってアキトは悠々と街の散策を始める。


(さーてと、スパイス探しするかー)


暢気に商店通りに向かうアキトなのであった。


街の外でモンスター退治をする翔達は見慣れた敵を軽々と狩っていた。


「スライム、ゴブリン、コボルト…街の近くは敵も大したことないんだな」


「ダンジョンが発生していたらそこに行くんだけどね」


翔と黒鴉はそんな事を話し合って楽々作業をこなしていく。


「二人ともモンスター退治はお手の物なんですから自信があってもいいんじゃないですか?」


黒姫の言葉に二人は顔を見合わせて実戦となると自信が無くなると気弱な事を言うのであった。


「翔君も姉さんも強いのに実戦にはちょっと慎重なんですよね…」


「当たり前でしょ!身命を賭してる話には慎重になるわよ!」


翔もウンウンと頷くのであった。

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