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神の下僕は世界を救いたい  作者: D沖信


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軍事都市ドミノ

馬車を乗り継いで中一日、軍事都市ドミノへ到着した一行は早速門番に手紙を渡して許可を貰い城塞内に堂々と入る。

翔は呆気に取られてつい当たり前な事を呟く。


「ガッシリとした城壁に守られててまさしく城塞って感じだ」


「軍事都市というだけはあるわね…さ、アキト次の手は考えてるんでしょうね?」


黒鴉は言い出しっぺのアキトを軽く睨む。アキトは任せておけと手紙を持ってそのまま中心部へ向かうのであった。


結局傭兵としてレオンを通して紹介してもらうのだった。


「ほお、商業都市にて帝国軍を打ち破った猛者か」


値踏みする様に将軍の一人が翔達を眺める。


「俺はタウロス。これから長い付き合いになるかもしれないからな挨拶はしておく」


タウロスはアキトと軽く握手して挨拶とする。


「帝国軍はモンスターを使役する…俺らはその露払いをする」


「なんだ、戦線で帝国兵とは戦わないのか…?」


「不測の事態でなければ対モンスターだけを視野に入れてる」


それは残念だとタウロスは答えて現時点での戦地を説明する。


「我々の目下の目標は帝国軍の用意した兵器アスケラの破壊だ」


「兵器…?どんなものなんだ?」


「正体は掴めていない…斥候部隊も壊滅させられるくらい恐ろしい物だとしか…」


そんな物が都市近くまで迫ってきているのかと翔達は戦々恐々とするがアキトは腕組して考える。


「一つ確認するがそのアスケラとやら、オーバーテクノロジーじゃないか?」


「その通りだ。兵団を軽く壊滅させる程の兵器、そんなモノ我々の知る技術では成し得ない」


「…モンスターだけじゃなくそんなモノまで出てくるとは、いいじゃねぇか」


アキトはニヤニヤしだして翔達は心配する。


「アキトさん…?」


「人相手じゃないなら破壊しても構わないんだよな?」


嫌な予感が的中したと翔達はあちゃーと頭を押さえる。黒鴉はバトルジャンキーめとアキトを軽く罵るのだった。

アスケラ攻略は明日とタウロスは傭兵のアキト達に任を与える。


「腕に自信があるようだな、帝国の部隊は我々がやるとして兵器アスケラの破壊を君達にお願いしたい」


「モンスターもいるんだろ?大変だぞ、今日はしっかり休まないとな」


アキトは不安そうな翔達を置いて大笑いするのであった。


ーーーーー


解散してからというもの翔達は重苦しい雰囲気に包まれていた。


「兵団が壊滅する程の兵器…勝てるんでしょうか…」


「そうよね、ちょっと安請け合いし過ぎよね」


姉妹がアキトの背中を忌々しそうに見つめる。

その横で翔は黙って難しい顔をしていた。


「アンタも何か言ったらどう?」


「兵器とかスケールが違うっていうのか…実感湧かないっていうか…」


「それは…そうね、アスケラだっけ?どんなものなのかしら手の平サイズとかだったら脅威よね…デカくてもそれはそれで嫌だけど…」


そんな話をしているとアキトが振り返ってニヤケ顔を見せてくる。


「デカいのは浪漫あるだろ」


「浪漫とか言ってる場合じゃないでしょう?ヤバい兵器なのよ?!」


「向こうが秩序の外の力を使うならこっちも解禁していいんだぜ?」


アキトのその言葉に黒鴉は成る程とポンと手を打つ。


「バハムート完全解放していいわけね?」


「ま、そういう事だ。俺もちょっと神の権能使おうかなぁー」


結局はバトルジャンキーな気質のアキトに呆れる翔と黒姫なのであった。


酒場で食事を取りながら早速作戦会議を行う。


「モンスターと兵器、両方相手取る必要があるが兵器は俺がやろう」


アキトが一人でやると言い出して黒鴉は口を尖らせる。


「アンタ一人で何でもやる気じゃないでしょうね?仲間も大切に使いなさいよ」


黒姫も姉に(おおむ)ね同意する。


「そうですよ、一人で頑張る必要ないですよ」


アキトは頬を掻いて兵器に対して考えを口にする。


「敵の規模見てから決めるべきだな…取り敢えず巨大兵器の場合は皆で破壊しよう」


翔はゴクリと生唾を飲み込み緊張した面持ちになる。


「兵器…どのくらいの大きさでしょうね…」


「そりゃ敵兵も輸送する手間があるだろうし車輪とかついてて戦車とかそれぐらいじゃないか?」


それなりのデカさではあるが想像出来るレベルだとアキトは笑いながら答える。


「その大きさだと一つとは限りませんよね…」


「かもな、ま。気楽に行こうぜ。今から気張っても仕方なねぇよ」


アキトは不安がる面々を鼓舞して奮い立たせようとする。

黒鴉がぽっと思いついた事を呟く。


「案外兵器は兵器でも生物兵器だったりして」


「モンスターを使役するんだ、ありえないこともないな」


「自分で言って嫌になるわね…」


とにかく敵の正体は明日のお楽しみだとアキトは腹一杯になるまで食べて満足気な顔をするのであった。


戦いが明日に控えている事もあり観光なんてする気にもならず一行はそのまま宿を取って早めの就寝を取る事にする。

いつも通り男性女性で別れて部屋を借りアキトと同室の翔はずっと悩んでいる様子でアキトが心配する。


「お前がそんな調子だと黒姫が心配するぞ?」


「モンスター以上の存在って考えると…怖くなって…」


「ビビるなよ、俺達は強い、それは事実だ」


アキトに背中を叩かれて翔は溜め息を漏らしてしまうのであった。

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