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神の下僕は世界を救いたい  作者: D沖信


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16/35

正しいこと

買い物を終えて、四人は宿に戻る。

アキトは同室の翔に先の戦いについて色々と言われる。


「お前、隊長格を倒したんだって…?」


「うっ、なんで知ってるんですか」


「兵士が見てたらしくてなレオンに報告が上がってたぞ」


アキトは特段気にしている様子もなく注意もしなかった。


「何も言わないんですか…?」


「まぁ仕方なく戦うことは悪くねぇよ。自分から突撃した訳じゃないんだろ?」


翔は少しホッとしたように胸をなで下ろす。

アキトはやれやれと言いたげに首を振って一言だけ注意する。


「注意しておくが反省して今後は上手く立ち回らないとダメだぞ」


「は、はい」


翔は緊張した面持ちに戻って返事をするのであった。


「あの…今後はどうするんですか?」


「どうするかねぇ…各地の帝国陣地を潰して動きを見るのも悪くないんだがな」


「動きを見る…?」


アキトの口振りから何かあるのかと翔は首を(かし)げる。


「俺の見立てだと外の奴が帝国に力を貸している…と思う」


少し歯切れの悪い言い方をするアキトに翔は微妙な反応を返す。


「力を貸すと何か問題が?」


「そいつの目的次第だがギルティって判定する可能性もあるからな」


「ギルティ…有罪ですか…」


アキトは深く説明はしなかったが悪しき者なら容赦出来ないなと語る。


「帝国が勝つことって悪い事なんですか?」


「いや、別に?どの程度の思惑が絡んでいるかが問題なんだ」


どちらが勝とうがどうでもいいと言い放つアキトに翔は面食らう。アキトは戦いよりも世界の危機について言及する。


「危機って言っても沢山あるから断定出来ない…が、秩序、均衡、平和、こういうのを乱すのを見逃す事は出来ない」


「難しいんですね…俺には判断できないです」


「勿論外的要因ばかりでなく原生の悪性腫瘍のようなものも見逃しちゃダメだぞ?帝国も争乱ばかり起こすようなら咎めなくちゃならない」


アキトの話す内容に納得するが理解するのは難しいと翔は唸る。


「やっぱりそれを判断するのって難しいですね…」


「なんか適当にやってたら見えてくるさ」


ヘラヘラ笑うアキトに翔は苦笑いで返すしか出来なかった。


翌朝、四人揃って食事をしながら次の目標について語り合う。まずアキトが提案する。


「次の目的だが…各地の帝国の陣地を攻撃に参加する」


「武力介入しないんじゃないの?」


「帝国側の目的がハッキリするまでは連合軍に加勢する」


アキトの迷いの無い口振りに黒鴉は呆気にとられる。黒姫は翔に意見を求める。


「俺、昨日アキトさんと話をしてたから帝国が悪なのかその中にいる何者かが悪なのかハッキリさせないとダメだって…」


翔の困った顔を見て黒鴉は意見を出して突いてくる。


「ハッキリさせる為に帝国を突き回すの?それが正しい事なのかしら」


黒鴉の意見も正しくて翔は板挟みのような感じになり唸ってしまう。

アキトは仕方なさそうに頭を掻いて意見を出す。


「このままこの地にいても話は進展しないだろう、次の都市へ行こうか。軍事都市ドミノへ行こう」


「アンタが決めるの?もう一つの…宗教都市は?」


「まあ…単純に近いからってのもあるが…今の実績引っ提げてなら軍事都市に入ることも可能だろう」


アキトが出した案に翔は頷き姉妹は顔を見合わせてやれやれと言いつつも納得する。


「情報もそれなりに握ってそうだしな」


「それが本命じゃないの?」


「ハハッそうだったな」


黒鴉はアキトをただの戦闘狂なんじゃないかと疑いつつ小さく頷くのだった。


「で、その事将軍達には説明したの?」


「あ…やっべ、してねぇ」


「もう!しっかりしてよね!」


アキトは食事を素早く済ませて酒場を出ていくのであった。


ーーーーー


訓練所にてレオンと会談をするアキト。


「アキト殿、どうかしましたか?」


レオンは戦後報告をし終えた後のようで敵から奪った陣に戻ろうとしているところだった。


「俺達今度は軍事都市ドミノを目指すことにしたんだが傭兵として入場する許可というか口添えが欲しいんだけど」


「なるほど、一筆必要なのですね。分かりました。少しお待ち下さい」


レオンは素早く手紙を一通(したた)める。判子も入れて封をした手紙をアキトに手渡す。


「それで気兼ねなく入国出来るでしょう。彼の地も帝国の脅威が迫っているはずです協力よろしくお願いします」


頭まで下げられてアキトは逆に申し訳なくなってしまう。


「モンスター退治なら任せてください」


「退治だけなのかい?」


「あくまでも…自分達には領分がありますので」


アキトは取り繕いながら答える。

レオンはにこやかに笑ってアキトを見送る。


「ではご武運を」


「ええ、お互いに」


アキトも穏和な態度で返し手紙を懐にしまって翔達の元へ戻るのであった。


「で、手紙を受け取ってきたわけね」


アキトの持つ手紙の封蝋の印を眺めて黒鴉はお洒落だと笑う。


「大事な手紙なんだからイジるなよ?」


「分かってるわよ。はい、返すわ」


まったくとアキトは懐に大事にしまい直す。


「善は急げ、移動開始ね」


黒鴉の無理矢理な号令に従い翔達は一同軍事都市ドミノへ向かうのであった。

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