新たな亀裂
朝、いつも目覚める時間よりも早く警報が鳴り響き目が覚める三人。すぐに着替えて外へ出て顔を見合わせる。
黒鴉がやれやれと首を振る。
「またヤバいヤツが脱走したのかしら?」
「取り敢えずラウンジに行くぞ」
アキトの先導でラウンジまで向かい出撃に向けて待機する。
すぐに加賀美がやって来て三人を見て呼び出しを掛けられる。
「外で亀裂が発生した。エリス君が下で待機している。合流してくれ」
三人はモンスター相手かと腕が鳴ると良い返事をして階下へ向かう。
一階のロビーにてエリスと合流し装甲車両に乗り込み車内にて作戦伝達を受ける。
「亀裂の発生から既に数分経過してます。周囲に発生したモンスターの討伐をお願いします」
「よし、やってやる!」
翔は気合が入った顔をして声を上げる。アキトも鈍った身体を動かせると不敵に笑い黒鴉も鼻を鳴らして任せておきなさいと微笑む。
車両が現場に到着し三人は散開、他のエージェントはエリスを護衛しながら亀裂へ向かう。
街に出没したモンスターをそれぞれ退治していく。
内陸の街に不釣り合いなサハギンが数匹パタパタ歩き回っているのを見つけた翔は焰鬼を抜いて一匹一匹丁寧に一刀両断する。
「まだまだ居るだろうな…警戒して探さないと」
警戒しながら路地の中を覗き込んで敵を探して回る。そんな中で上空から羽ばたく音が聞こえてきて回避行動を取る。
「グリフォン…ってやつか?」
獅子の身体に鷹の翼と頭をしたモンスターに翔は真っ直ぐ見つめながら刀を構える。
グリフォンは翔の一撃をバックステップで躱し鋭い爪でカウンターをしてくる。
「うわっ、…とと」
翔も攻撃を躱しビルのコンクリート壁に爪が突き刺さる。攻撃のチャンスが生まれて首を狙って一撃入れる。
甲高い鳴き声を上げてグリフォンは倒れモンスターは霞になって消える。しかし鋭い爪跡は残り当たっていたら重傷だったなと翔は額の汗を拭う。
アキトの目の前にはリザードマンの群れが出来ていて道路沿いの建物を荒らそうとしていた。
素早く冷徹に切り込み先陣を切る。リザードマン達は敵が来たとアキト目掛けて喚き散らして攻撃を開始する。
「へっ、束になっても雑魚は雑魚だ!」
斬撃波を放ち近付いてくるリザードマンを斬り刻んでいく。
余裕な表情でリザードマンを一掃したアキト、敵を圧倒した後残心をしていた所に大地を揺るがしてコンクリートを破って大砂虫、ランドワームが出現し大口を開けて突進してきた。
「あーあー、大穴開けてくれちゃって…」
お仕置きだと氷雨の氷を刀に纏って刀身を長くしランドワームを華麗に一刀両断して霞になって消えていく敵を見て一息入れるのだった。
黒鴉も巨大なアリ型のモンスターの群れと対峙して剣を掲げていた。
「全部押し流す!覚悟ぉ!」
バハムートを呼び出して水流カッターを放ちアリを一掃していく。
周囲はビシャビシャになって黒鴉は大満足の表情をする。
「どんなもんよ!」
悦に浸る黒鴉、油断しているわけではないのだが隙を狙ってビルの上から追加で出現した大蜘蛛に反応が遅れる。
「?!」
蜘蛛の糸が飛んできて黒鴉は咄嗟に回避しようとする。しかし足に引っ付いて足を引っ張り転びそうになる。
「っち、こんなもの!」
水流カッターで糸を切断して何とか脱出する。
「やってくれたわね!消し飛べぇ!」
そのまま水流カッターを蜘蛛に向けて放ちバラバラにしてしまう。
「はぁ、アイツらに見られてたら笑われるわね…サイアク」
少しだけ反省しつつ他にも敵の残りが居ないか見て回るのであった。
エリスの部隊が亀裂を閉じることが完了し三人も周囲確認を終えて合流する。
「状況終了、皆さんお疲れ様でした」
「すっかり戦場みたいになっちまって…この後はどうするんだ?」
「これらは全て地震のせいです。そういう事にします」
結構無茶が過ぎるんじゃないかと翔達は苦笑いするがそういうカバーストーリーを作ることになるのであった。
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仕事を終えてラウンジまで戻ってきた三人の前に加賀美が現れる。
「お疲れ様だ。無事で何よりだ」
「ふふん、あの程度の敵慣れっこよ」
黒鴉が鼻を高くして得意気に言うがアキトがゲラゲラ笑って戦地にて黒鴉の靴に蜘蛛の糸が絡んでいた事を指摘する。
「後れを取ったな?靴が汚れてたぞ」
翔はそこまで観察して無かったと驚く。
「え?そうだったのか?大丈夫か?」
「なによ?靴の汚れくらいで!」
ムキになって突っかかる黒鴉、喧嘩は良くないと翔が仲裁しようとして加賀美に笑われる。
「仲がいいようで何より」
「ふん!そこまで仲良く無いわよ!」
黒鴉だけは不機嫌そうに言い換えしてコーヒーを飲みにズカズカと足音立てて去っていく。
「はぁ、やれやれだ」
アキトも溜め息をついて朝食を取りに行く。
加賀美は残った翔に微笑みかけて頑張れと応援してくる。
「仲間の仲を取り持つのも大変だね…同情するよ」
「いやぁ…あはは…」
翔は加賀美に一礼して自分も朝食を食べようとカウンターへ向かうのであった。




