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神の下僕は世界を救いたい  作者: D沖信


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太古の生き物

大きな欠伸をして個室で目覚めたアキトはまだ眠そうな顔をして目を擦る。


「今日は俺の番か…また動物系なのかなぁ…?」


犬と猫という名のジャガーだったりと生き物の相手でちょっと疲れると頭を掻いて伸びをする。

今は面倒な事は忘れてさっさと着替えてラウンジで何か食べようと動き出すのだった。


ラウンジに入りコークと新作のカツカレーを頼みガツガツと食べすすめる。


「うん、美味い!」


黒鴉がやって来て子供っぽいとドン引きする。


「うわぁ、コーラにカレーって…浜松より子供っぽいわね」


「何ぃ?好きな物飲んで食って悪いってのかよ?」


「それが子供っぽいって言うのよ」


溜め息を吐かれてアキトは口を尖らせてそっちだって好きな物飲んでるだろと突っかかる。


「べ、別にコーヒーは…まぁいいわ、私も子供っぽい事しようかしら」


開き直る黒鴉は不機嫌そうに注文をしに行くのであった。

エリスも朝食を取りにやって来て翔も合流し挨拶を交わす。


「皆さんおはようございます。本日もよろしくお願いします」


いそいそと緑茶とミートソースパスタを持ってきてパクパクと食べ始める。

黒鴉は食べ合わせについて渋い顔をする。


「緑茶に…パスタ…?」


「お前はコーヒーにカルボナーラだったろ?」


「コーラにカレーのクセに…」


そんな三人を尻目にサンドイッチと水を持ってきた翔は不思議そうに眺められる。


「アンタも好きな物頼めばいいじゃない」


「朝からカレーは…ねぇ?他に好きな物…ラーメンはないし…適当にサンドイッチでいいかなって…」


適当で理性的な事を選ぶ翔に二人は目を丸くするのであった。


ーーーーー


アキトはエリスと共に研究棟へ移動し調査対象の研究室へ向かう。


「今日はどんな…生き物?」


「はい、今日は管理番号170、恐竜です」


「恐…竜…?それってダイナソー?」


エリスは頷きつつ研究室へと入る。

監視室からはジャングルのようになった研究室と複数の監視カメラからの映像が送られてきていた。


「…草食型だといいなぁー」


アキトは嫌な予感を感じつつ監視カメラの様子を覗(うかが)う。


「ラプトルです」


「ですよねー!一番面倒臭いやつじゃないですか!」


「レックスの方が良かったですか?」


デカくて強いティラノサウルスよりはマシではと言われてアキトは少し考えて難しい問題だと唸る。


「ラプトルは群れを成す肉食動物だからなぁ…ティラノとは厄介具合が違うな…」


エリスは笑って画面をトントンと指差す。

アキトが確認すると鳥のような毛の生えた恐竜がいた。


「へぇ、羽毛ありの恐竜なんだな。トカゲじゃないのか」


「…ええ、そうなります。何匹かいるのでご飯を運び入れるの気を付けてください」


「やっぱりご飯を運ぶのね…」


冷凍庫から牛一頭丸々取り出してガラガラと台車に乗せて研究室へ運び込む。

ジャングルの様相にアキトは溜め息を漏らして周囲を観察する。


(殺気に満ちてるな、俺まで狙われたら意味がないしさっさと仕事済ませよう)


ゴロゴロと奥へ進んでいって適当な所で牛を下ろして帰ろうとする。背を向けた瞬間殺気がゾワッとアキトを襲いアキトは冷静に刀に手を当てて殺気を返す。

ラプトル達は威嚇するように草むらの向こう側でシャーシャー鳴いていた。

殺気を放ちバチバチにぶつけ合いながらアキトは監視室へと戻る。


「襲われるかヒヤヒヤしましたよ…あんな奥まで行くなんて…」


「そんな奥まで行かなくて良かったのか、いやぁ鋭い殺気だったよ」


冗談めいて笑うアキト、エリスは気迫だけで何とかなるのかと苦笑いする。


「殺気を相殺…ですか、私には分からない話ですね…」


恐竜達の食事風景を観察し健康チェックを行う。


「すごい食べっぷりだな。牛がみるみる内になくなっちまった…」


「五匹もいますからね…皆ちゃんとご飯食べてて良かった良かった」


「五匹…五匹しか居ないのか」


絶滅危惧種でももう少し居るぞとアキトは苦笑いする。

調書を取り終えたエリスは一息ついてアキトに先に上がってもいいと伝えてアキトは仕事を終えるのであった。


ーーーーー


恐竜と対面したとアキトは笑って自慢話風に語る。

黒鴉は少し驚いた顔をして翔は若干羨ましがる。


「恐竜ぅ?そんなものまで居るのね…凄い施設」


「男のロマンじゃないですか」


アキトはモンスターとしての恐竜なら戦ったことあるしとサラッと語るがそれよりも世界の危機になり得そうなものではないとアキトは残念がる。


「危機がこの施設内にあるとは限らないでしょ?」


「まぁ、そうだが…黒鴉の関わるのがヤバそうだからさ」


「うっ…確かに…でも触れなきゃ大丈夫なものだし?」


危機のベクトルが違うと答える。


「翔のも…ヤバいっていうとヤバいのか?」


「え?そ、そうなのかな…?そうかも?そうだった…」


叡智を授けるトカゲのドゥーマーと単純な神様、確かにちょっと凄い感じだと翔は苦笑いする。


「実は笑い事じゃないかもしれないぞー?」


ちょっと脅かしを入れるアキトに黒鴉がやめなさいとツッコミを入れるのであった。

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