協力関係を
尋問は続き翔はエクソシストを名乗る女性は異世界というものを受け入れつつも三人の今後の扱いに頭を悩ませる。
「困りましたね、貴方がたはとてもお強いようですし…」
「えっと…どういう意味…」
不穏な空気感に翔は険しい顔をする。
「アキトという方の提案した貴方がたを雇う話について少し考えていました」
「アキトさんが?あの人なら言い出しそうな話だけど…」
どうやら売り込みを既にしているらしく翔も何か言うべきか考えていると女性は笑って深刻な事にはならないと答える。
「問題ありません。こちらとしても戦力になっていただけるなら受け入れましょう」
「本当ですか?良かった…」
行く当ても稼ぐ手段も無くて困っている三人にとっては渡りに船の話に翔は再度ホッとするのであった。
「それではお互い自己紹介といきましょう。私はエクソシストの三堂エリス、エクソシストというのはモンスターゲート…あの亀裂を塞ぐ者たちです」
「浜松翔です。えっと異世界の戦士って事で一つ…」
ぎこちない感じで自分の説明をする翔にエリスはクスッと笑う。
「面白い人ですね。戦士ですか、他にもいらっしゃるのですか?」
「俺の世界でもモンスターの出現してた時期があって覚醒者っていう力に目覚めた人が複数いまして…」
「なる程、異世界でもモンスターが…お互い大変ですね」
エリスはインカムで通信を受け取り軽く頷いて雑談も程々に尋問を終わらせる。
「貴方がたを私達は受け入れます。ただ武器などは不用意に振り回さないで下さいね?」
冗談めいて席を立つエリスに連れられて尋問室を出るのであった。
ーーーーー
アキトと黒鴉が先に解放されてカフェテリアにて待っていた。エリスに連れられて翔もそこへ合流する。
「御三方の意見が一致して我々に協力する事を承知して頂けましたのでこれからは仲間として宜しくお願いしますね」
アキトが真っ先に軽口で反応する。
「ま、拒否する理由は無いからな」
「そうね、私達は救世の旅をする者として困り事にはちゃんと対応するつもりよ?」
黒鴉は鼻を鳴らして得意げな顔をする。
エリスは直接活躍をこの目で見ていたと頼もしく思うと三人の協力を快く思うと伝えてきて三人に個別の部屋を用意していると話す。
「生活はこちらの建物でお願いします。必要とあれば出撃命令が出ます」
「パトロールとかしなくていいのか?」
「いざという時に動けないと困りますので暫くは待機でお願いします」
待機と言われてアキトは「そうか」と少し残念そうに呟いてお茶を飲み干す。黒鴉はクスクス笑ってコーヒーを嗜む。
「いいじゃない、待機中は無料で寝食できるんだから。私はここのコーヒー気に入ったわ」
翔はジト目になりつつ軽いツッコミを入れる。
「コーヒーかよ!」
「悪くないわよ?頼む?」
「俺は紅茶派」
黒鴉は素っ気なく「あっそう」と流すのだった。
エリスはどこかと無線で話していた。
「はい、問題はありません。友好的な…はい、分かっています」
アキトはチラッと視線を向けて顎を掻く。翔は何かあるのかとアキトの意味ありげな態度を疑問に思い話しかける。
「どうかしましたか?気になることでも?」
「いや、何でもない」
黒鴉もどう考えても何かあるでしょと翔と一緒になってアキトを詰める。
「俺の思い過ごしって奴だ。気にするな」
黒鴉はまた「あっそう」と流し翔も追及をやめるのであった。
一服終わった所でエリスに案内されてホテルの個室に一人一人案内され解散する。
アキトは一人になって無言で早速部屋の物色を始める。
(エリスとかいう奴があの感じだと多分監視されてるだろうな…カメラとマイク探してみるか)
まず小さな冷蔵庫を空けて飲み物が入ってるのを見てほくそ笑む。
「酒は飲まないんだよな…個人的にはコークが好みなんだよな」
わざとらしく口に出して他の物を物色する。
ベッド、エンドテーブル、観葉植物とチラチラ確認する。
(やはり小型だがカメラがあるな…マイクは…)
コンセントをチラ見してここか?と考える。
(まあいいか、下手に刺激するより大人しく様子見しよう)
アキトはベッドに横になって時間が過ぎるのを待つのであった。
翔は部屋に入ってすぐにベッドに大の字になる。
「安心できるって最高だな。話の通じる人達で良かった…」
そんな事を口にして今は休もうとする。
(アキトさんは何か警戒してたけど…何だったんだろうな…自分も見習わないといけないんだろうけど人を簡単に疑うなんて出来ないからなぁ)
モヤモヤした思いを心に抱えながらも見習わないといけないと自分に言い聞かせるのであった。
黒鴉は部屋に入ると溜め息をついてベッドに腰掛ける。
(アキトの反応的には用心しろって事よね?…友好的過ぎるのは怪しめ…か)
翔よりは警戒した様子で部屋を見渡す。
(もしかして監視とかされてる感じ?!最悪!)
勘の良さは優れていてテレビのドッキリ等の規格で鍛えられた洞察力が働き観葉植物と絵画などに仕込まれたカメラを目敏く見切る。
(ホント最悪ね…)




