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神の下僕は世界を救いたい  作者: D沖信


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反乱者の王

二人の将を討ち取ったアキト、帝国兵は一気に都市になだれ込み反乱軍の首謀者を目指して突撃していく。アキトは勝負は付いたなと余裕を持って兵士達の突撃した城へと歩みを進める。


(流石にこれだけ戦力差が付いたら降伏するだろ)


そんな風に考えていたアキトの目の前に城の二階からふっ飛ばされた兵士がドサッと落ちてくる。


「…マジか」


徹底抗戦な上に兵士達を圧倒する能力を持っているギフト持ちの首謀者かとアキトはやれやれと考えつつ入城する。

激しい戦闘が繰り広げられる城内、巻き込まれないように注意しながらアキトは玉座を目指す。


「おのれ、ツシム王!降伏しろ」


「皇帝の犬どもめ!俺は最期まで戦うぞ!」


犬ども扱いにアキトは耳が痛いなと思いつつさっさと決着付けてくれと思う。しかしギフト持ちのツシム王は強かった。兵達を赤子の手をひねる如く剣一閃で吹き飛ばしてしまう。


(あらら…こりゃ数の利があっても埒(らち)が明かないな)


兵士達が一通り蹴散らされたのを見てアキトが仕方なくツシム王の前に姿を見せる。


「…帝国兵ではないな」


「傭兵だ」


「愚かな…帝国の愚行を知らぬのか」


愚行の話を聞いてみたいと思うアキトだったが向こうは武器を構えて悠長に会話する気は無さそうであった。


「やるしかないか…」


王は剣を横に一閃、アキトは一度見た技だと防御手段として氷の壁を作る。フィジカルのギフトパワーで氷の壁を破壊する一撃にアキトは冷や汗を垂らす。


「なんちゅうパワーだよ?!」


「破壊の権化(シーヴァ・カクアタン)!」


「名前まで付いてるのか…」


今まで見てきたギフト持ちとは一線を画すものだとアピールしてくる王にアキトは苦笑いしてしまう。


「行くぞ!傭兵!」


ブンブンと剣を振り回し斬撃波を飛ばしてくるのに合わせてアキトも斬撃波で相殺していく。


「反乱軍リーダーが一番の実力者ってなんなんだよ」


アキトの速度、ツシム王のパワーの押し合いはパワーの方が有利に進んでアキトは苦々しい顔をする。


「王が力を持っていては不服か?」


文句を受けて王は冷笑しながら聞き返してくる。


「なんかイメージと違う。もっとこう知性とかさー」


「何事も力あってこそよ!」


アキトは王は座して治世を行うものだろうと語るが軽く反論される。

ギフトの力が凄まじいのかまさにゴリ押ししてくる王にアキトは目を丸くする。


「押されてるのか?!嘘だろ!?」


「貴様も実力者だろうが我の方が上のようだな!」


「ッチ、単純なパワーならな!」


コッチには技があるとアキトは氷柱を飛ばし手数を増やす。


「その程度!ウオオオ!」


王は攻撃のスピードを増し雄叫びを上げて暴れ回る。アキトも回避する動作を交えて周囲の一般兵は上位者の二人の戦いに困惑する。


「う、動きが見えない!」


スピードだけでなくパワーも増さなきゃいけないとアキトは疲れるのは嫌なんだがと小言を呟きながら羅刹に持ち替えて斬撃波と崩打の組み合わせで攻める。

崩打に対応が遅れたツシム王は一撃受けて蹌踉(よろ)めく。


「くっ」


アキトは今だ!と投擲攻撃を放つ。

ザクッとツシム王の肩にナイフが刺さるが王は不敵に笑いナイフを引き抜き「フンっ!」と筋肉の膨張させる事で傷口を塞ぐ。


「おいおい、止血までしちゃったよ。恐るべしフィジカル…」


「今のは効いたぞ…」


ツシム王の怒りに満ちた声色に兵士達はゾッとして怖じ気付く。アキトは同じ手は通じないと険しい顔をして次の一手を考える。

斬撃波を飛ばす為に剣を振り回すツシム王、アキトはササッと躱しつつ隙を突くように斬撃波を返す。しかしツシム王の動きは洗練されていてアキトの攻撃は通らず直接剣戟する事は無いが当たれば一撃で決着が付くであろう戦いが繰り広げられ、拮抗した勝負は熱を帯びていく。

大袈裟な動きで攻撃を回避し続けるアキトを追い掛けるようにツシム王は剣を振るう。


「いつまで避け続けるつもりだ!真正面から来い!」


(パワーで張り合う訳にはいかねぇんだよな…)


アキトは挑発に乗らず暫く回避に専念する。しかしいつまでも拮抗し続ける訳にはいかないと攻め手を考える。


「二刀流…するか」


昔はよくやってたなと懐かしみつつ二刀流に構える。


「ムッ」


アキトの雰囲気の変化にツシム王は警戒しながら攻撃を再開する。アキトは二刀流なら出来る事として精霊同時召喚を行い左右に展開する。

召喚術にツシム王はどれを狙えばいいのか迷いながら左右を確認し本体のアキトを倒せば良いと特攻を行う。


「貴様を倒せばいいんだな!」


「判断が早いな、発想は間違ってないが手段が間違ってるぜ!」


完全に殺し間になっている空間に飛び込んだツシム王に左右から精霊による攻撃が襲い掛かる。氷柱と崩打、アキトが放っていた技が飛んできて対応を迫られてツシム王は迎撃を選択する。

その隙にアキトが二刀流に一気に切り込み一瞬の隙を突く。


「これで終わりだ!」


アキトの一撃、ツシム王はギリギリで攻撃を防ぐが投擲の傷口が開き力みが足りず押し負けて攻撃がヒットする。


「ぐあっ!」


死にはしなかったが膝を付くツシム王に帝国兵が今だと殺到し捕縛するのであった。

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