反乱軍との戦い
アキトの報告を聞いて進軍の準備も万端になったスライダー将軍の進軍の号令が発せられる。
「行くぞ!サードベースまで一気に攻め込み反乱軍を壊滅させる!」
ワーッと沸き立つ兵士達、アキトはさっさと終わらせて上層部にお説教をしないとと頭を掻くのであった。
帝国軍の進軍が開始されて一同は帝国領の北部を進む。
夜通しの行軍を行い翌早朝、都市サードベースに到達し陣を展開する。
外から見ても堅牢そうな城壁に囲まれた都市にアキトは囲って兵糧攻めでもするのかと考えるがやる気に満ちている帝国軍に正面から行くのかと呆れる。
(どうみても硬い城門と高い城壁、真面目にやったら攻略は難航するぞ…)
懸念するアキトなど気にせず帝国軍は破城槌などの攻城兵器を用意し始める。
兵達の疲労もあってかすぐには攻略開始せず睨み合いの時間が流れる。
「反乱軍は籠城を決め込んでますね…」
「出てきても数では勝てない、ならば籠城戦は必定だろう」
ファウルとスライダーが話し合いをして攻め時を窺っていた。
「包囲して兵糧攻めにした方が安全そうだが…」
アキトも一応意見を出すが長期戦にするつもりは無いと断言される。
後は出陣の指示を待つだけとなった兵士達はソワソワした様子で整列する。兵器も整い昼過ぎになり進軍の号令がスライダー将軍から発せられ兵士達は一斉に動き出す。
反乱軍も待っていたと城壁から矢を放ち抵抗してくる。帝国軍はしっかり矢を盾で防ぎながら破城槌を城門まで運ぶ。一部は梯子を城壁に掛けて登ろうとする。そんな中世な攻城戦が始まりアキトはジッと出番を待つ。
(今の所ギフト持ちが出てこない限り手を出す必要は無さそうだな)
しかし確実にギフト持ちは居るとアキトは警戒を強める。しばらくの後、城門に破城槌が打ち込まれると大きな音が響き渡る。籠城で耐えると思われていた反乱軍であったが城門が打ち破られる前に開かれる。中からは反乱軍がワーッと飛び出してきて激しく兵士達がぶつかり合う。
ドカンと破裂音が響いてきて兵士達が声を上げる。
「気を付けろ!ギフト持ちだ!」
アキトはやっと来たかと前に出る。
ハンマーを担いだ大男が大暴れしていて帝国軍が苦戦していた。
「ハッハッハ!爆ぜろー!」
ハンマーを大地に叩きつけると帝国軍がいる足元が爆発し兵士達がふっ飛ばされる。
「俺が相手だ!」
「ムッ!帝国軍にも勇者が居たか!掛かってこい!」
ハンマー男は大地にハンマーを振り下ろしアキトの足元を爆破させようとしてくる。事前に見ていたアキトは飛んで避ける。
「避けるか!打ち落としてやる!ボンバー!」
ハンマーを振り回しアキトを打ち落とそうと狙ってくる。アキトは氷の壁を作り出してブロックする。パァンッと氷の壁が弾ける。
「ッチ!」
アキトは舌打ちしてバックステップし距離を取る。
「氷使いか、氷ごと爆ぜるがいい!」
「お断りだ!」
仕方ないとアキトは刀を羅刹に持ち替えて戦術を変える。洗練された動きでアキトは一気に敵との距離を詰める。
「馬鹿め、食らえ!」
アキト目掛けてハンマーが再度振り下ろされる。アキトは崩打を放ちハンマーを打ち返す。
「何ッ!?」
「氷だけじゃないんだよな…!」
隙が出来た大男の胴体に一撃入れてバッサリ斬り捨てる。
一人撃破し一息入れるアキトだったがすぐに次の将が現れる。
「っく、よくもスロボを!」
ハンマー男の仇討ちだとさらなるギフト持ちの細身の男が立ち塞がる。
「我が技を受けよ!シャオ!」
レイピアを振ると遠当てする様に遠距離に突きが飛ぶ。アキトは攻撃を予測し見切って躱すが近くの帝国兵達は攻撃をモロに受けて次々と倒されていく。
「馬鹿な!見切られた!?そんなハズはない!」
細剣使いは素早く突きを連打する。アキトは武器を切り替えて氷の壁でブロッキングする。ガリガリと削れる氷壁だが貫けず男は苦い顔をする。
「っく」
「今度はこっちの番だ。防いでみろ!」
アキトは氷柱を作り出して射出する。レイピアを振り回し斬撃波を飛ばす男。氷柱は相殺されて砕かれる。
「何者だ貴様!帝国軍ではないな?!」
「傭兵だ。通りすがりのな」
「傭兵だと?!っく、帝国軍に協力するなんて!」
確かにとアキトは内心思いつつも仕事は全うすると刀を構え直す。細剣使いも会話は無駄と悟り構えを取る。
「死ねっ!」
先に動いたのは細剣使い、素早い突きを放ちアキトの胴を狙う。狙いは正確だったがアキトは軌道を見切り最小限の動きで躱して懐から投げナイフを抜き取り投げつける。カウンターの投擲は肩に命中し男は苦悶の表情を浮かべる。
「ぐぅ!おのれ!卑怯な!」
「ま、勝つためなら手段は選ばないからな」
アキトは余裕の表情で利き手を封じた相手に武器を向ける。
「ん?降伏するかい?」
「っく、するものか!」
ただでは負けないと利き腕を庇いながら食らいついてくる敵にアッパレだとアキトは讃えつつ一撃を浴びせて撃破する。
将を二人討ち取り傭兵の仕事を全うしたアキトは一息つくのであった。




