攻略開始
前線基地まで一日半掛けて戻ってきたアキトはストレイト隊長に書状を渡す。
「おお、遂に進軍の指示が出たか!」
「後は南方のファウル隊長にも届けないとな」
アキトはもう一つの前線基地にも書状を届ける必要があると北部で伝える事を伝えたらすぐに南方へ移動するのであった。
「ご苦労、我々も動く時が来たようだな」
「よし、進軍には俺も付き従おう」
作戦室で早速作戦立案が始まりアキトも作戦概要を確認する。
「我々が目指すのは南方の街スチールだ。ここを攻略した後は北部へ合流。魔法都市ナイゲームの制圧に加わる」
数十人の兵士達の士気が上がっていき武器を掲げて掛け声を上げる。人数は少ないがアキトは自分が居ればなんとかなるだろうと早速出発する事になる。
ワーッと一気に進軍、一日でスチールに到達し部隊が整えられて街の制圧が開始されるが街から反乱軍の部隊が出撃してきて街の外にて決戦が行われる。
反乱軍の隊長はギフト持ちで一騎当千の実力があると噂されていた。
「ファウル隊長!敵はシュート隊長、ギフト持ちです」
話は聞かせてもらったとアキトが前に出る。
「なるほどギフト持ちか、任せとけ」
「傭兵の君がか?」
「山賊退治ばかりで退屈だったんだ」
アキトは敵の隊長との一騎打ちに挑む。
「やあやあ我こそは一騎当千の傭兵、アキトである!腕に自信のある者は掛かってこい」
大見得を切るアキトに反乱軍はざわつくが狙い通りシュートが前に出てくる。
「傭兵風情が調子に乗るなよ!」
シュートは四股を踏むように大地を踏みしめると軽い地鳴りがして双方の兵が「おお…」と驚嘆し二人の一騎打ちに注目する。
「行くぞ!」
シュートは剣を掲げて振り下ろす。大地にヒビがはいり瓦礫がアキト目掛けて飛ぶ。アキトは羅刹の力で瓦礫を打ち落とす。
「ムッ…貴様もギフト持ちか」
「まぁそんな所だ。不思議な旅人とでも呼んでくれ」
いつも使う旅行鞄の能力をギフト名として申告するとシュートもギフト名を語る。
「大地讃頌、それが俺のギフト名だ」
シュートが右足で大地を蹴り上げると大地が隆起してアキトを貫こうとする。それを躱して隆起した大地を羅刹パワーを込めた裏拳で破壊する。
「面白い能力だ。見え見えだけどな」
「これならばどうだ!」
パンッと手を合わせたシュートの動きに合わせて大地がアキトを挟むように浮き上がり押しつぶしに掛かる。
アキトは羅刹を呼び出して左右の壁を羅刹と分担しぶん殴り破壊する。
「アチョー、ふぅ、今のは驚いたな…次は俺が…」
「まだだ!ハッ!」
シュートは剣を振るってアキトの反撃を許さず瓦礫飛ばしをしてくる。
「ッチ、崩打!」
パンッパンッと拳の遠当てしてまた瓦礫を打ち落とす。
スッと居合いの構えを取るアキト、シュートも次の一手を放とうとドッシリと構えて大地を震わせる。
「潰れるがいい!」
「絶空!」
アキトを包み込むように周囲の土が盛り上げる。アキトはそれを一同に吹き飛ばしシュートに向かってその瓦礫が飛ぶ。
ダンッとシュートは素早く地を踏み壁を作り出して瓦礫をブロックする。
「フン、効かぬわ!」
強気な態度のシュートに対してアキトはやれやれと首を振りつつ斬撃波を壁に向けて放ち壁を軽く打ち破る。
シュートは素早く足を踏み鳴らし周囲に土壁を生成する。
「面倒臭いな…」
シュートから攻めてくるのが分かりアキトは構えを取りジッと待つ。
土壁に隠れてシュートは一気にアキトへ接近、背後に回り込んで斬り込む。
「食らえっ!」
「そこか!」
ガキンッと武器がかち合い衝撃波で周囲の土壁が吹き飛ぶ。双方の軍勢が拮抗した勝負を見てワッと盛り上がる。
「捕まえたぜ!羅刹!」
アキトが再度羅刹を呼び出してシュートを逆に追い詰める。
「なんだこの女!」
「この刀の精霊だ。羅刹ってんだ。よろしく」
シュートは腕を掴まれてそのまま大地に叩きつけられる。
「グッ、負けられんのだ!」
大地を叩き羅刹の足下に刺を作り出して貫こうとする。アキトは羅刹を戻して刺を空振りさせる。
倒れたままのシュートにアキトが斬りかかりトドメを刺そうとする。ギリギリでシュートは回避して冷や汗を垂らす。
「はっはっ…つ、強い」
息を切らせてシュートは立ち直りつつ剣を構え直す。
「対応力が違うんだよ。あと地力?」
余裕のあるアキトは素早く踏み込んで斬り込む。シュートも黙って切られる訳にはいかないと剣を振って合わせて武器がかち合う。
シュートはニヤリとして大地を踏む。アキトの足下が隆起してアキトを弾き返す。
アキトはバク宙しながら斬撃波を放ち遂にシュートの剣を破壊する。
「何っ!」
一瞬の隙が生まれてアキトは逃さず羅刹を呼び出してシュートの腹に一撃、拳が撃ち込まれてシュートが宙を舞う。
アキトは踏み込み宙を舞ったシュートをバッサリと袈裟斬りにして倒すのだった。
隊長が負けて殺されたと兵達は勝ち目がないと一斉に降伏する。
ファウルは降伏した兵達を編入させて一部の兵を街の管理に残して北部の部隊への合流に向けて進軍を開始するのであった。




