魔法都市ナイゲーム
アキトの反乱軍との戦いは北部の魔法都市ナイゲームへと移る。
魔法都市と仰々しい名前をしているが学院がある都市というだけで見た目は普通の街のように見えた。
ストレイト隊長とファウル隊長の二部隊が合流し攻略を行おうと街の前に陣を張る。
「ストレイト、戦況はどうだ?」
「城壁の上を見ろ、魔術師達が反乱軍の味方をして近付かせまいと警戒されている」
「魔術師か、やっかいな…」
攻め込むには魔法は厄介過ぎると隊長達は話し合いをしていてアキトも話し合いに入る。
「どんな魔法で攻撃してくるんだ?」
「火球や雷撃、門戸は閉ざされていて近付くに近付けない…」
アキトは少し考えて質問を出す。
「門を開けれれば何とかなるか?」
「傭兵殿、出来るのか?」
「スイッチ一つで開けれるタイプなら簡単だし…取り敢えず潜入任務を請け負おう」
そんな簡単な仕様なのかどうかは分からないと隊長達は首を横に振る。アキトは取り敢えずやってみようかと提案し受け入れられて深夜の潜入任務が始まるのだった。
コソコソと夜闇に紛れて城壁まで一気に接近する。アキトはバレることなく城壁に張り付き潜入出来そうな水路を見つける。
(さて、氷の足場で城壁に乗り込むか…水路から潜入を試みるか…どっちも難しい事になりそうだな)
乱戦覚悟の城壁乗り込みもスニークミッションな水路どちらも行けるなとアキトは思案する。
今は敵にバレる行動は控えようと水路から潜入する事にする。暗い明かりのない水道を進み都市内に侵入する。
(街は厳戒態勢だろう…門までコソコソと動き回ることにするとしよう)
一般市民からも隠れて動き城門を目指す。幾つも道を迂回させられて中々辿り着かないが見つかることなく城門が見える位置に到着する。
(閂式か?…まだ開けるには早いか?もう少し調べてみるか)
何とかレバーの一個で門を動かせないかなどと考えながら門の裏手を調べるのであった。閂から鎖が伸びていて機械式なシステムがありそうだと分かりアキトはホッとして次に鎖の先にあると思われる起動レバーを探す。
城壁の上の魔術師達に見つからないように城壁内の機械室に侵入し幾つもの歯車の先にあるレバーを見つけ出す。
(よし、このレバーを動かせば門が開く。合図とか必要かな…?ま、いっか)
アキトは重いレバーを引いてガコンと仕組みを動かす。歯車が回り始めて音を立てて門が開かれる。
城壁の上の魔術師達はその音に驚き何事かと騒ぎ始める。
(…やっぱり開けるのはもう少し日の出とか待ってからでよかったかな?もう遅いか…)
ドタバタと機械室に魔術師達がやってきてアキトは発見されてしまう。
「侵入者だー!」
「ですよねー」
見つかってしまったものはしょうがないとアキトは刀を抜いて魔術師達よりも先に門を開き動作の止まった機械を破壊する。
「えーい、閉められる前に壊してしまえ!」
「なっ!しまった!」
「隙あり!」
驚き隙ができた魔術師達に峰打ちを放って次々に気絶させていく。
「何としても捕まえるのだ!」
ゴーレムを召喚しアキトの行く手を塞ぐ。しかしそんな壁も何のそのとアキトは軽々と撃破し開いた正門から魔法都市を脱出するのだった。
開いた門を前に帝国軍は攻め入る準備を進めていた。そんな所にアキトが悠々と帰還する。
「おう、攻略してきたぜ」
「流石だな…驚きだ」
「装置は壊した。すぐに復旧は出来ないだろう」
焦る必要は無いと伝えるアキト。帝国軍も余裕をもって攻め入るタイミングを見計らう事が出来るのは助かると着々と準備を進めるのであった。
夜明けと共に進軍が開始される。城門に向かって直進、魔法攻撃をものともせずに殺到する。
学院の前に街の占領だと反乱軍との正面衝突。激しい戦闘が繰り広げられる。
アキトも後追いで参戦し切開かれた前線を進み魔法の結界を張る魔法学院を前にして足を止める。
「あらあら堅牢なこと」
そう易々と中には入れない学院、アキトは諦めて回れ右をして街の様子を確認する。
帝国軍の奮闘もあり魔術師達は降伏し反乱軍も撤退を開始していた。
「俺が出る幕は無さそうだな」
ストレイト部隊が学院の攻略にやってくるがバリアが張られているのを前に険しい顔をする。
「これは…守りを固めているのか、捕虜の魔術師達に詳しく話しを聞く必要がありそうだな」
「戦争とは無関係って言いたいんじゃなかろうか?」
「魔術師が出て来ていてそうは道理が通らんだろう」
兎にも角にも攻略するにはまずバリアを何とかしなくてはとストレイトはファウルに頼み情報収集をさせるのであった。
「どうやら戦乱中は学院は封鎖、中立を貫くそうだ。学生達は率先して反乱軍に加担したってのによぉ」
「まぁ致し方ないというところか。どのみち次の進軍までに地盤を固めねばなるまい」
「帝国軍本隊の到着は三日後を予定している。スライダー将軍直々の御出陣だそうだ」
帝国軍は一旦ここで進軍を取りやめて増援を待つこととなる。
アキトはその間暇な数日間を過ごす事となるのであった。




