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ミッション達成率120%越えの暗殺者は、灰かぶりの悪逆王女(優しい)を、今日も殺せない  作者: 初美陽一


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第19話 約束

 ……こうして終えた大事件は、後に国中へと波紋を呼ぶことだろう。

 しかしまずは目下、醜悪かつ愚昧ぐまいだった大臣については、次のようになっていた。


『なぜ人は、己の痛みは理解できるのに、人の痛みは理解できないのでしょう……己の悪辣あくらつかえりみ、己の罪状を全て明かし、贖罪に尽くす所存です。隠し財産? どうぞ全て寄付いたします。一番一番、大事に罪を償うでごわす』


 俺に〝私欲〟〝自己顕示欲〟〝反逆心〟などなど……とにかく患部の如くに悪しき心を〝殺され〟て、罪に服することとなった。

 おおよその欲求を失い、醜悪な心が大半を占めていた者には、それはそれで死ぬより辛いかもしれないが、まあ自業自得ということで良いだろう。


「ったくもー、なによこれ何なのよー。お掃除、大変じゃない~。まあアタシ、メイドだしやるけど! フンフンフ~……フンッッッ!!」


 シャロがメイドらしく掃除を始め……なんか瓦礫がれきとかブン投げていた気はするが、それは積極的にスルーしよう。

 一先ず俺は、王女へとミッション達成を報告すべく、声をかけた。


「さて、依頼主たる王女よ……これにて俺のミッションは、達成だ。フフンッ、これだけ殺せば120%は間違いなく越えているだろう、クックック……」


「暗殺者さま……わたくし、わたくしっ……何とお礼を言えば良いか――」


「おっと。……礼を言うには、まだ早いだろう?」


「えっ……えっ?」


 言葉を遮られ、驚く王女へと、俺は続けて言う。



()()()――――()()()()()()からな」

「! は、いっ……はいっ、暗殺者さまっ♡」



 全く、こんな大事件の後でも、曇ることを知らぬ眩い笑顔だ。

 フッ、と笑った俺は、一先ず立ち去るべく背を向ける。


(……まあ最後に、仕事のケジメは付けておかねばな)


 思考しつつ――音も気配も〝殺し〟、俺は一瞬でその場を去った。


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