後始末、お約束を添えて
ざくっ、ざくっ、ぶしゃあああ。
バーグベアの腹が裂かれる。巨体に残った血が噴き出る。
「…間違いない。今朝この熊公を駆除しに出掛けた奴らだ」
胃袋から少し融けかかったカードが取り出された。
冒険者ギルド本部および各支部に併設されている、魔物解体場。素材のいくつかを解体料として譲れば無料で魔物を丁寧に解体してくれる、便利屋さんだ。常にちょっと血腥いのが難点。
ステラは例のバーグベアを解体してもらっていた。
「…災難でしたね」
「………」
「ホーンラビットの依頼ですが、六匹プラス熊一頭で、成功扱いにしておきますね。報酬にも多少色を付けて…ステラさん?」
「…ぁ、はぃ」
現在、ステラの頭の中は、滅茶苦茶な思考回路をしていた。
後悔。
もっと早く来ていれば、この人たちが犠牲にならずに済んだだろうか。
恐怖。
星魔法で、生物を狙って攻撃できてしまった。無差別ではない。その気になれば、誰でも殺せる。
そして、嫌悪。
手を汚す時は、絶対に星魔法を使いたくなかった。咄嗟の判断とは言え。
「…こちら、報酬になります。素材は肉以外売却との事でしたので、解体手数料を差し引いた分も一緒に入れてあります。それとこちら、バーグベアのお肉です。腐らせないうちに食べ切ってくださいね」
「…はぃ」
足が重い。
周りがうるさい。
「なぁ、そこの嬢ちゃんよぉ」
誰だ。
「本当は囮にしたんだろ?あいつら」
…はぁ?




